iPhone専用SNSは成功するだろうか?

次の記事

Yahoo Buzzのローンチ間近

iPhoneのユーザーというのは、他のApple製品の場合と同様、マニアでかなりエリート主義なグループである。

私はiPhone専用SNSというのは、適切な機能を揃えることさえできれば、こういうユーザーの間で爆発的にヒットするのではないかと思っている。実のところ、iPhone用に限らず、位置情報を取り込むことができ、自分と友達の位置と、皆が今何をしているのかを教えてを教えてくれるようなSNSができたらヒットは間違いなしだ。それに、自分の近所にいて位置情報を公開している人々と新たに友達になれるような機能もあるとよい。

私は去年の9月に、携帯SNSの早期の実験について書いた(もっと最近の記事としてはLimeJuiceの項を参照)。もちろんメジャーSNSも携帯を無視しているわけではない。しかしFacebookのiPhoneアプリでさえ、デスクトップ版をiPhone用に改良したものにすぎない。友達が近くに来たら教えてくれるなどの、デバイス本来の機能を生かした特長は提供されていない。

もちろん、目的は単に友達の位置を教えるようなことにはとどまらない。キラー・アプリとなるためには、出会い系であれ(たとえば、自分の近所に位置していて「シングルで出会いを求めている」ユーザーの存在と基本的な情報が表示される)、ビジネスであれ(カクテルパーティーで居合わせた客の顔写真とプロフェッショナルとしての経歴が分かる)、新しい友達を作るのを助けるような機能が必要。プライバシーのコントロールができなくてはならないのは言うまでもない。

ひとたび、あるSNSが「臨界点」に達するだけのユーザーを集めたら、プライバシー設定によるが、メンバーはどんな集まりに参加しても、その場にいる人々の情報を見られることになる。そういうネットワークを真っ先に作ったプレイヤーは今日のMySpaceやFacebook以上の資産価値を生み出すことになるだろう。ソーシャル・ネットワークというのは文字通り「社会的であること」を助けるためのものであり、社会的であるということは他の人々といっしょに何かすることを意味する。その場合に人々が身につけておくことができ、社会的集まりをよりよく機能させる手助けになるデバイスといえば、携帯電話だ。その場合にキーとなるのはGPSと携帯電波を用いた三角測量による位置推定(この機能は現在iPhoneに組み込まれている)だ。

われわれが今まで紹介してきたSNSはどれもそういった「臨界量」を達成するにはほど遠い。勝ち残るためのカギとなるのは、GPSや三角測量による位置情報機能を備えたデバイスのユーザーを獲得することだ。そしてそのSNSにはウェブサイト経由でアクセスするのではなく、携帯端末自体にインストールされるソフトウェアが書かれなくてはいけない。javaアプリを携帯にインストールするのはアメリカよりヨーロッパの方が簡単だ。それが携帯SNSスタートアップのほとんどがヨーロッパ勢で占められている理由でもある。

しかしiPhoneはこの2つの要件を満たしている。というか、近々満たすはず( サードパーティーがアプリをiPhone向けに開発するためのSDKのリリースは遅れているようだ)。このSDKがリリースされれば、iPhone向けSNSの大群が登場することになるだろう。

トップ走者になるのはやはりここでもFacebookとMySpaceだろう。それぞれ自分のメンバーに対し、携帯バージョンのアプリをインストールするよう、できるだけ大急ぎで勧めにかかるだろうし、ユーザーが希望すれば、位置情報を利用し、共有できる機能の追加を図るだろう。

しかし、新しいスタートアップにもチャンスはある。ここで差別化を図る有力な方法の一つが、iPhoneユーザー専用、他機種お断りのSNSを作ることだ。この排他性が多数のiPhoneユーザーを当初から集めるために必要な魅力を提供するとのではないか。

Fon11をちょっと見てみよう

われわれは上で述べたような計画を実行中のスタートアップに注目しているが、バークレーのFon11はその一つだ。このサービスはiPhoneからすでにウェブ・ブラウザ経由では利用できるようになっている。またユーザーはiPhoneを利用するしかない―iPhoneを使わなければアカウントの登録もできないし、友達を追加することも、その他なにも一つできない。ウェブサイトはiPhone以外でアクセスした場合、サービスの内容を紹介する情報が表示されるだけだ。(正確に言うとこれは正しくない、testiphone.comからfon11.com/homeに入ると、iPhoneで見られるのと同じ内容が表示される。ただしSafariブラウザのみサポートされている)。

このサービスのプレゼンス/ステータス関係情報の設定機能はまだ限られている。まだiPhoneの三角測量機能は利用できない。Fon11ではOpenLandmarkという別のサービスを設定して、ユーザーに位置情報を入力させている(ひんぱんに訪れる場所の場合はこれでもうまくいく)。このサービスはAppleのiPhone開発チームの目に止まり、今月初めに「スタッフのオススメ」に選ばれている。

Blackberryは本物のGPSを備えており、サードパーティーのアプリ開発も許可している。GoogleのAndroidも今まで触れたような機能をすべてサポートしている。しかし私の勘では、こういったサービスに真っ先に飛びつきそうなグループはやはりiPhoneユーザーだ。iPhoneユーザーは同じ部屋の別のユーザーに自分もiPhoneカルトの一員だと明かすのに抵抗が少ないだろうと思う。

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)