「MS Office」のオンライン化―「現状破壊的テクノロジー」への対応という難問への挑戦

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古いタイプのニュースメディアはデッドプール間近?

Nick Carrはこの記事のリードでわれわれが皆すでに予期していたことがとうとう起こりそうだと報じている。「Office」を含むMicrosoftの主要アプリケーションが近々オンライン化しそうだというのだ。Carrの情報源は「エンタープライズ系のアプリケーションはSalesforceに代表されるように従量課金制のウェブサービスへと移行しつつある。同様に、主要なデスクトップ・アプリケーションは広告ベースの無料オンライン・サービスに移行する。またそれらのサービスのデータセンターのネットワークがあらゆる情報のストレージ・サービスを提供する」と述べている。

ひと言でいえば、業界はGoogle AppsとGoogle Docsに対応しようとしている。これらのGoogleサービスはアナリストの推計によれば、Googleの総収入の2-3%を占めるに過ぎない。(それでも年額$400M〔4億ドル〕となり、1年前の$40M〔4千万ドル〕からは飛躍的な増加だ)。(原注:他所でソースを見つけられないのだが、先週、Googleの幹部がこの数字を私に語った)。もちろんMS Officeの$16B(160億ドル)という年間売り上げと比べればピーナッツのような額だろうが、ここにトレンドがはっきりと現れている。ユーザーは無料のサービスを好む。ユーザーはドキュメント上で共同作業ができることを望む。今日、多くの点でGoogleはOfficeより優れたサービスを提供しており、しかもユーザーに課金していない。

これはMicrosoftにとって非常に典型的な「イノベーションのジレンマ(*」 の例だ。しかしRedmondの連中は座視して死を待つような愚か者ではないようだ。

新しい動きが発表されそうな候補は今週開かれるMixカンファレンスだ。情報によると、Microsoftはdobe Airに対抗するためここでSilverlightのオフライン版を発表するという。では「MS Office」のSilverlightプラットフォーム版も? AdobeはすでにBuzzwordという独自のウェブ・ドキュメントを提供している。

これらの動きの中心に位置しているのがオンデマンド型ソフトウェアのキング、Salesforceだ。将来ある時点でGoogleとMicrosoftはSalesforce買収に向けて真剣な試みに出るだろう。これに対して相手も対抗手段を取ってくるはず。そういう思惑が現在のSalesforceの株価収益率600倍以上という一見バカげた株価を支えている。(もちろん売り上げが増加を続けていることもあずかっているが)。

〔(*:ハーバード・ビジネス・スクールのクリステンセンらによって主張された「現在の市場を支配している成功企業は現状破壊的な新技術(disruptive technology)の採用に遅れを取って失敗する傾向がある」という概念。〕

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(翻訳:Namekawa, U)