iPhone 2.0~エンタープライズになってデベロッパー受け入れ態勢万全に

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アップルが今日iPhoneの大型発表をたくさん行った。会場からマイクがiPhoneでライブ中継した詳細はこちら(英語ライブ中継はCrunchGear)。ダッとポイントだけ知りたい人は、以下でどうぞ。

注目すべき点は2つ。

まず最初に、iPhoneがもはや遊びの携帯&ネット端末ではなくなったことだ。今やMicrosoft Exchange ActiveSync対応になることが分かった。つまり今ある他社のビジネス端末と互角に渡り合える機能を備えたということだ(これについては後ほど詳しく)。

2点目は、兼ねてから発表のあったソフトウェア開発キット(SDK)の詳細が明らかになったこと。これで、やっとサードパーティーの人たちも自分のソフトをiPhoneに実装できるようになった。今日のデモを見たら、それこそ何千人という規模の開発者がワッとこれに飛びつくだろう。

モバイルの世界では、iPhoneが占める市場シェアはまだ0.14%という小さなものだ。それなのにアップルCEOスティーブ・ジョブズは、スマートフォンのウェブブラウジング全体の71%はiPhoneで起こっている、と主張している。この2年で僕もいろんな携帯端末を使ってきたが、これは信憑性の高い数字だ。ウェブサーフィンは、高解像度スクリーンとタッチのインターフェイスを備えたiPhoneで行う方がエクスペリエンスは良い。

iPhoneがエンタープライズ対応に

昨夏ここでiPhoneとBlackBerry 8820のビジネス機能比較をした際には、iPhoneの完敗だった。iPhoneには依然として大きな制約があり、そのせいでビジネスユーザーから見た利用価値が落ちていた。特に問題はバッテリー寿命である。iPhoneのタッチスクリーンに順応できないユーザーも多く、ボタンが好まれている。しかし今日行われた発表で、iPhoneのコアなオフィス機能は他の市販端末並みになった。しかもこれまでのところブラウジングのエクスペリエンス、UIでiPhoneは他を凌駕している。

iPhoneソフトウェアのバージョン2.0 では、Microsoft Exchange ActiveSyncにも対応する。つまりデスクトップと同期を取る作業も格段によくなるし、これはiPhoneがコンピュータに繋がっている時だけではない。Microsoft Exchangeを使ってる人はこれ(Exchange)が使えるよう簡単にiPhoneの設定を変えることができるので、プッシュeメールもカレンダーも連絡先も使えるというわけだ。

ビジネスユーザーは他にもVPN接続、認証、ID、エンタープライズ用WiFi、強制セキュリティポリティ、端末コンフィギュレーション、リモートデータワイプ(盗難紛失時に遠隔地から情報を削除できる機能)が利用可能に。

Exchange専用アカウントは1度に1個しかコンフィギュアできないが、設定にかかる時間はたった20秒である(自分のコンピュータには既にExchangeサーバーが実装されてると想定して)。Exchangeに関連付けられるiPhoneアプリ(メール、連絡先、カレンダーなど)はすべて今と同じルック&フィールが温存される。

アップルはナイキとディズニーと共同で、新Exchange Serverサポートの試運転を行ってきた。

ハーイ、デベロッパーのみんな。ささ、中へどうぞ

昨日までiPhoneはクローズドなプラットフォームだった。サードパーティーのアプリはブラウザ経由(あるいはハック)でしか使えなかった。同社の話では、iPhoneのために特別に作られたウェブサイトは1000件を超えるという。

そのアップルが今、サードパーティーの開発者向けに全てのネイティブのAPIとツール群を公開した。そこにはタッチ入力の発想を核とする「Cocoa Touch」というCocoaプログラミング環境のバージョンも入っている。これはマルチタッチのイベントやコントロール、iPhone内蔵の加速度センサとカメラほか、ヒエラルキ構造のビュー、ローカリゼーション、アラート、ウェブビュー、人物ピッカー(選択)、画像ピッカー(選択)を可能にするものだ。

Xcodeには、iPhoneアプリ開発に使えるバージョンも登場した。iPhone SDKに入っているAPIに完全にコード作成ができるもので、プロジェクト管理とソースコントロール管理の両方が処理できる。デバッガも備わっており、これは遠隔からMac上で使うことができる(iPhoneを自分のデスクトップにプラグインすると、そこからデバッグできる)。

新型ツールは3つ。: Interface Builder、Instruments、iPhone Simulatorだ。このうちInterface Builderは、自分のiPhone新アプリのインターフェイスをドラッグ&ドロップで作ることができる。Instrumentsはパフォーマンス分析ツールに最適。 iPhone SimulatorではMacマシンからiPhoneアプリをテストできるので、iPhoneのAPIスタック全体をシミュレートできる。

SDKは今すぐ入手可能だ。詳しくはこちら。iPhoneアプリを作りたい人は、まずアップル開発者プログラムに入会費99ドルを支払って加入しないと着手できない。 SDKはiPod touchにも応用できるので、iPod touch用に作りたい人も同じ手順となる。

アプリのデモ

アップルとSDKローンチ段階の提携各社がiPhoneの新アプリをデモした。アップルがデモしたのは「Touch Effects」というプログラム。撮った写真が簡単に歪曲(ディストーション)できるもので、仕損じたら携帯を振るだけで取り消せる(Photoboothのハンドヘルド版と考えるといい)。「Touch Fighter」というゲームのデモでは、どんな風に内蔵の加速度センサをコントローラに使うのか実際にやってみせた。

ローンチ提携企業のひとつ、エレクトリック・アーツ(EA)はかなり前評判の高かったゲーム『Spore』iPhone対応版のデビューを飾った。SalesforceはiPhoneを使って営業のリード(見込み客窓口)を追跡するデモ。 AOLはIMクライアントを見せびらかし、Epocratesは薬品探しのアプリを、セガは『スーパーモンキーボール』のゲームをデモした。

アプリの配布

iPhoneアプリの購入とダウンロードはiTunesのみの特約となる。これはアップルが今日確認した。購入客はアプリを閲覧・検索することができる。一部は無料で手に入る。デベロッパーには売上収入の70%が月極めで支払われる。クレジットカード決済の手数料はかからない。販売できるアプリの種別には制限も設けられた。: ポルノ、違法なもの、帯域幅食い、「予測不能な」問題を孕むもの、以上のアプリは一切受け付けない。VoIPは携帯接続経由では禁止で、WiFi接続の時のみ使える。

アプリ開発は今日からスタートだが、ユーザーがダウンロードできるのは6月から。また、社内向けにアプリを配りたい企業は、アップルがそういう用途のソリューションを考え出すまで待たなくてはならない。

iFund

ジョブズの本日の「ワン・モア・シング」はクライナー・パーキンスによる、いわゆる「iFund」の発表だ。これは$100M(1億ドル)の運用を行う基金で、iPhoneやiPod touch用に新アプリを開発したい企業のために役立てる。ジョン・ドーア(John Doerr)がステージからジョブズを「世界で最も偉大な企業家」と呼び、「反逆の最高司令官」と呼んだ。このファンドの詳細はこちらのエントリでどうぞ。

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(翻訳:satomi)