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Hulu(企業・サービス)

Hulu騒動。再び

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カラカニスは正論だ。スタートアップは正しい人材を雇え―最後の1セントまできっちり眼を光らせろ

きのうのFortune誌のお気軽な記事を読む限り、インターネットTVサイトのHuluはプライベートベータから正式公開に移る用意ができたようだ。ふつうこの手の記事は、企業が頼まなければ出ないもの。大々的なオープニングの準備に入ったということだろう。

Huluはもともと今月スタート予定で、記事には「3月初め」のスタートと書かれている。同社は月曜日の説明会に、アナリストたちを呼んでいるらしい。

私は2人のライター(David KirkpatricとAdam Lashinsky)を尊敬しているが、この記事のHuluとその歴史の描写は甘すぎる。たとえばこんな具合だ、「Huluの早期成功の秘密、それは懐疑的な人々をビリーバーに変えたのだが、ウェブサイト自身のパワーとシンプルさによるものだ」とか「その結果はエレガントで邪魔にならないインターフェースで、一番のうるさ方をもうならせたものだった」とか。Fortuneは今回の独占取材によほど感謝しているのだろう。Huluのスタート前に、ブロガーたちがかなり批判的だったことに言及してはいるものの、その批判の背景にある正当な理由については語っていない。

私が思い出すことになったのはよかった。

Hulu: 問題山積みの船出

Huluが2007年3月に最初のプレスリリースを出してからの何か月か、われわれはこのジョイントベンチャーがプロジェクトの名前を決められなかった挙句に決まった名前のHuluが、スワヒリ語で「削除勧告(cease and desist)」(Huluの親会社はこれをいやというほど送っていたという皮肉)の意味だったり、Googleのミッションステートメントをパクったり、NBC Universalのデジタル担当役員(同ジョイントベンチャーのパートナーの1人)から最良とはいえない信任を得たりと、いう様子を散々嘆いてきた

こうした批判の背景にあったのは、果たしてNBCとNews Corp.が、新会社が陳腐化する前にHuluを世に送り出せるか、という点に大きな疑問があったことだ。9月にはNBCが、このNews Corp.とのジョイントベンチャーと競合するようなビデオダウンロードサービスの発表までしている

しかし、ベータ版を見てからは、すべてが変わった。Huluは多くのことをしっかりとやってのけた。ビデオの画質は満足できるレベル。操作方法はわかりやすい。サイトには映画やテレビ番組のアーカイブなど、いいコンテンツがあった。

そんなわけで、サービスが始まってからのわれわれのHuluに対するトーンは変わったのだが、そこが重要だ。百聞は一見にしかず。2か月前には、Joostらを押えて、ユーザーからCrunchies「ベストビデオスタートアップ」に選出されたのだ。

えっ、またやるの?

Huluで問題だったのは、山のようなハイプと、果たされることのない約束の挙句に、プライベートベータまで8か月もかかったことだ。会社からの当初のメッセージはひどいものだった(著作権の尊重や、「地球最大の広告プラットホーム」なるものを作るといったことばかりで、ユーザにとっての機能が何も語られなかった)。2007年の夏に完成の約束は何度も延期された。そして最後には、中国のスタートアップを買収して、完成にこぎつけた。

サービスにはまだ問題がある。たとえばストリーミングがしょっちゅう飛ぶ。Huluのリソースを考えればあるべきことではないし、プライベートベータの限定された環境ならなおのことだ。アーカイブコンテンツがサイトに来るのも遅い。脚本家のストライキで新作が完全に止まってしまったのに対抗するには最高の方法だったのだが。あと、米国外のユーザーはコンテンツを見ることができない。

要するにHuluはまだ完全にはほど遠い。そして、Fortuneの記事が、またもこのサービスのハイプの始まりだとすれば、高すぎる期待に答えられないことが、またブロガーの批判の的になっても不思議はない。この会社をもう一度Clown Co.と呼び始めるのも遅くはない。

私からの提案。今度はもうごまかしの宣伝は全部やめて、サービス自身に語らせることだ。マーケティングや広報に使う金で、サーバーを何台か追加してストリーミングを安定させるといい。アナリストへの説明会はやめる。このサービスを見たユーザーが、これはすごいぞと友人に語らずにいられなくするべきだ。ここに、そのサンプルがある。

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(翻訳:Nob Takahashi)