EMI、MP3Tunes裁判で敗北

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Wikipediaの記事、ついに1千万件に到達

mp3tunes-logo.pngレコードレーベルはMP3.com(2001年に$372M=3億7200万ドルでVivendiに売却)のファウンダー、Michael Robertsonを提訴するのが好きだ。彼はいま数々のウェブ・スタートアップに出資しており、中には音楽の保管用ロッカー、MP3Tunesも含まれる。しかし、レコードレーベルはこれもお気に召さない。EMIはMP3Tunesを著作権侵害で訴え、MP3Tunesの12万5000に上るアカウントに格納されている1億以上のの音楽ファイル全部の引渡しを要求している。(ロッカーの間での共有がなかったとしても、ユーザーはMP3Tunesに音楽ソフトを移動しており、これはEMIが独占している音楽ソフトの配布と同じことだという理屈だ)。ニューヨークの裁判所はこの申し立てを却下、Robertsonは自分のブログにこう書いた。以下は抜粋。

音楽のLockerへのアクセスには、ユニーク名とパスワードが必要で、Lockerどうしの共有は一切ない。…MP3Tunesは、EMIの要請に強く抗議する。それはユーザーの個人的保管物に対する侵害であるばかりでなく、個人が管理する300テラバイトのLockerに、はかり知れない技術的、金銭的損害を生じることになるからだ。これらのファイルがMP3tunesの所有物ではないのは、銀行の貸金庫の中身が設備を提供している銀行のものでないのと同じことだ。 

いかなる企業にも、数十万もの個人アカウントの中身を引き渡させるような権利を持たせるべきではない。ユーザーが自分のコレクションを現代の手段で聴くという以外の行為をしていると示唆する根拠はない。数百万のGmailのアカウントがMP3ファイルを保管している。Yahoo、AOL、マイクロソフトのメールやホスティングサービスも同様だ。もしEMIがMP3tunesの個人のアカウントに自由にアクセスし、好き勝手に調べて回ることができるのなら、次はこうしたサービスにも累が及ぶことになるだろう。

EMIはオンラインファイル保管サービスを消滅させ、インターネットが生まれる前の先史時代に引き戻そうとしている。

上級審で覆されるかもしれないし、いずれにしてもささやかな勝利ではある。しかしこの裁判官は正しい判断を下した。EMIが勝手放題な証拠漁りすることは許されない。データの開示を請求するには、もう少し具体的に特定しなければならない。そもそも、これら1億の曲はEMIのものばかりではないのだ。自分のコンピュータから個人のオンライン格納サービスに音楽ソフトを移すことは再配布にあたる、というこの理屈は、現代社会の現実を無視している。だが驚いてはいけない。レコード会社は自分たちだけの「歪んだ現実の空間」に生きている。結局、ファイル共有など一切やったことがない人も含めて、著作権侵害を理由にインターネットユーザー全員に課税したがっている連中と同じだ。

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(翻訳:Namekawa, U)