Imeem、ショーン・ファニングのSnocap買収を正式に発表

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imeem-logo.pngずっと買い手を探していたショーン・ファニング(Sean Fanning)のスタートアップ「Snocap」が、ほかにバイヤーが見つからなかったことから楽曲ソーシャルネットワークの「imeems」に売却を決めた。この買収については2月に初めて紹介したが、本日(米国時間4/7)、ようやくImeemから正式発表となる。

詳細は不明だが、買収額は$5M(500万ドル)未満ではないかと思う。―Snocapに注ぎこんだ投資が$10M(1000万ドル)であることを思えば、これは出血セールだ。ナップスターを創業したことで知られるファニングのスタートアップと言えば、「Rupture」も最近買収されたとかいう噂も流れた。あれが本当ならダブルの給料日ということに。

imeemにとっては1月のAnywhere.FM買収に続く2度目の小型買収となる。

ImeemのビジネスモデルはすべてSnocapのデジタル指紋認証技術に依存している。imeemでは消費者が好きな曲をなんでも自分のプロフィールやプレイリストにアップロードできるが、こうした楽曲を700万本もの楽曲データベースと照合しているのがSnocapの技術。この技術のお陰で音楽レーベルが著作権を所有する楽曲から入る広告収入については、ちゃんとレーベル側に一部分配できるようになっている。

Snocapが公に買い手探しを始めたのは昨秋。当時はまだimeemファウンダー兼CEOのDalton Caldwellも誰か他の買い手が現れて技術ライセンス契約が継続できる方を望んでいた。が、それは起こらなかったので、自分でオファーするほかなくなった。つまり今回の件で教訓があるとすれば、スタートアップが自社ビジネス実現の鍵を握る技術を他のスタートアップに依存する際にはリスクもある、ということだろうか。

Caldwell本人は、この買収について以下のように考察を深めている。:

これは世の中すべてのスタートアップが直面する原理的・戦略的命題だ。僕は常に主要課題に1にフォーカス、2にフォーカス、3、4がなくて5にフォーカスだと助言を受けてきた。 その一方で企業としての価値を構築するのも、これまた重要なのだ。つまり僕が言いたいのは正解など実はないということ。その時点で自分の能力の最善を尽くして正しい決断を下せばそれで。 そこには時間と資本の制約もあるのだから。

今回のケースに関して言うなら、Snocapと協働体制が組めたことで僕らは、Snocapの4年の事業・経験実績と開発済み技術を活かしたお陰で、広告ベースの楽曲サービスという野心的ビジョンをものすごく早く実現できた。彼らにはコンテンツ所有者(大手レーベル4社含め)との間に既に契約関係があったし、そのワーキング・レジストリも抱えていた。その点も素晴らしかった。―この既存のライセンスされた技術の支えがあったから、当社は(レーベルに)賛成の態度を示しつつ、ライセンシング契約にも全て対応することができた。

今振り返るとSnocapが積み上げた技術を自分たち自身の手で一から構築するとなると、それには膨大な時間・努力・リソースがかかるだろう。それを考えただけでも、これは本当に素晴らしい買収だったと納得できる。コンテンツIDとレジストリの情報(ピース)はソーシャルメディアネットワークである当社にとって非常に重要だ。これは楽曲だけでなく動画についても同じことが言える。みんなに楽曲・動画のアップロードと共有を可能にすることでサイトへの参加を維持できて、それがimeemに大きく豊かなメディアライブラリをもたらしてくれる。―メディアライブラリが大きく豊かになれば、それがさらに多くのユーザーを動員し、その彼らがより多くの楽曲・動画をアップロード・共有してくれるのだ。

imeemではAPIを公開し、サードパーティーのデベロッパーたちも独自の楽曲アプリをimeem上で作れるようになっている。SnocapのレジストリはこのAPIの鍵を握るパート。 Snocapではアーティスト主体のMySpace上の楽曲ストア11万店舗も運営しているが、そちらも今後はimeemがサービス提供を継承し、改善を図っていく。

Caldwellはさらにこの買収でキーとなる社員を獲得した。その一人が、Snocap COOのAli Aydar(ショーン・ファニングの元祖Napsterの社員第1号)だ。「あと一歩で社員100人というところまできました」とCaldwell。「先週、同じビルの中のあとワンフロア分をリースしました」。 かたちは違えど、あのNapsterの聖火はこうして今、imeemの手に受け継がれたかたちとなる。

とは言っても、imeemについては楽曲レーベルに対してあれだけ甘い契約を結び、それをベースに儲けが出せるのだろうか? と、業界インサイダーの間では相変わらず疑問視する声もある。が、同社のサービスは確実に消費者の心に響いているようで、comScoreの統計によるとimeemには2月だけで月間世界1900万人のユニークビジターが訪れた。僕の読みではおそらく出足のボリュームさえ充分確保できれば、あとは収支トントンになり始めるんではないかと、そう踏んでいるのだが。

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(翻訳:satomi)