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ヤフーは焦土作戦に向かう気か

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なんて日だ。 ヤフーの残り分をめぐる壮大な戦いも佳境を迎え、もはや誰が誰を殴ってるものやら私自身区別がつかない。当のマイクロソフトとヤフーは舌鋒鋭い書簡の応酬で終わったも同然な空気さえ漂っている。

ヤフーは昨日(米国時間4/9)2つの発表(リーク)を行った。1つ目はMS買収に代わる案としてヤフー&AOL合併が調印間近という話。 2つ目はYahoo検索結果ページの3%に自社配信広告の代わりに、えーと…グーグルのAdsenseを2週間限定で試験的に掲載する話だ。

これに対しMSは、グーグルとの提携は検索広告業界で彼らに事実上の独占的パワーを委ねる前兆だと難色を示し、こんなカーブ球を投げてよこした。:News Corp.はチームを鞍替えし今はマイクロソフト陣営だ-。

AOLが本交渉に正式に参加したことは、このアセット(AOL)の重荷をすぐにでも下ろしたいタイム・ワーナーの意向を反映したものだろう。仮にMicrosoft&Yahoo合併が成立すればAOLが現実に考えうる合併相手はグーグルだけとなり同社には交渉の余地が無くなってしまう。

さらに面白いのがNews Corpのニュースだ。News Corpはまるで第2次世界大戦で連合軍に寝返ったイタリア人はだしの変わり身の早さでYahooという心の友を捨て、もっと規則の間尺に合うMSに乗り換えた。News Corpがヤフーに買収提案したのは2月(詳細)だが、報道によるとヤフーからの修正申込みは数週間前にやっと出たばかりという。どうせこのカウンターオファーが色好いものでなかったので陣営を乗り換えたんだろう。 News Corp.というのはなんと人好きのする会社だ、こうしていつもそばにいて必要な時には助けてくれる…。

が、今までのところ一番興味をそそるのはYahoo-Google同盟のニュースだ。業界内部ではそんなディールを取締機関が許可するはずがないと疑問の声が根強いが、ヤフーはシリコンバレー界隈で前々からグーグルとは「合併ではなく業務提携を行う」と囁いてきた。提携なら承認を得る確率も高そうだ。

ヤフーの戦略とは何か? -ナイフで鼻を削ぐ焦土作戦か?

ヤフーは社員を繋ぎ止め、買収対象として魅力のない候補になるため敢えて割高な退職金プランを導入した。それでもトップの有能な社員はともかく会社を去り、今やヤフー社員はほぼ全員残らず新しい勤め先を探しているような状況だ(取材した幹部たちでさえ)。 今回のグーグルとの業務提携で分かったのは、マイクロソフトの一部に吸収されるぐらいなら、ヤフーは自社最大の資産である検索マーケティングのゲームさえ放り出すということだ。

まるで傍目には自社の市場価値を破壊することでマイクロソフトの買収提案に対抗しようとする作戦にも思える。こんな彼らの行動は株主の利益にも従業員の利益にもならない。それどころかグーグルを検索市場唯一の現実的オプションとすることで、ヤフーは今日検索分野に辛うじて保たれている市場の均衡と競争を台無しにしようとしている。

彼らがやっているのは要するに自分の鼻をナイフで切ること(nose knifing)*であり、いわば焦土作戦だ。しかしここで私から是非とも聞かなくてはならないことがある。:仮にヤフーが対MSの壮大な戦いに“勝った”として、戦いの末に勝ち戦を祝う余力は果たして残されているんだろうか?

こんなことはもう終わりにしないとヤフー本体が終わりになってしまう。ヤフーの道連れでAOLを投入しようがMySpaceを投入しようが、全インターネットの残り半分を投入しようが、そんなことはどうでもいい。インターネットの健全を考えるなら、グーグルに対抗し市場の均衡を保つ勢力が必要なのだ。今の状況で唯一理に適う戦果は、Yahoo-Microsoft合併だと思う。

*nose knifing:顔をかばうあまり鼻をナイフで削ぎ落とすような過度で無用な自損行為を指す。

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(翻訳:satomi)