Twitterは解放できる―これがシナリオだ

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この数日、多くの人気ブロガーが、いまこそTwitterを捨てて、利用が集中するたびにダウンすることのない非集中的なIMサービスに移行すべきだ、と声高に叫んでいる。一般的に言って、Twitterのようなサービスは、ユーザー数がある臨界量に達すると、ネットワーク効果が生じて、新規参入への巨大な障害となるから実際問題として打倒不可能になってしまう。しかし、Twitterの一つの側面であるオープン性は、逆にアキレス腱ともなりうる。

昨日、Scott Hanselmanは、Twitterのようなシステムはどうしたらうまく動くか考えを述べていた。Dave Winerは、同じくこの問題を幅広く論じてはいるが、彼の関心は主として、単純にTwitterのメッセージをバックアップして、このサイトがダウンしても利用可能であるようにすることに向かっている。彼はTwitterの本当の利点には関心がない。つまり、日々移ろいゆく人々のグループの間で現れては消える、自然発生的な、非同期の会話を重視してはいない。彼が問題にするのはデータが安全かどうかだけだ。

Marc Canterは驚くほど明快な記事でこの議論に参加している。彼はDNSを例に、インフラストラクチャは非集中的で、しかも信頼性がなくてはならないと言っている。

Twitterの脱集中化というのは、しかしサービスがダウンした際のコンテンツのバックアップという話ではない。それはサービスを全体としてダウンすることがありえないようにして、どんなにポピュラーになっても、そうした会話が中断せずに使えるようにするということなのだ。

Twitterを脱集中化するシナリオ

DataPortabilityの共同ファウンダーで、Faraday Mediaというスタートアップのファウンダー、Chris Saadは、Twitterを実質的に脱集中化する方法が一つあると考えている。

Twitterの最大の弱点(したがって、新しい非集中的なアプローチにとってのチャンス)というのは、Twitterに関係する活動の非常に多くがTwitter.comの外で行われていという事実だ。ユーザーはデスクトップ・クライアント(Twitterific、AlertThingy、Twhirlなど)やIM、SMS、その他様々なインタフェースを使ってTwitterと会話している。これらのサードパーティ・アプリケーションは、新しく非集中化されたTwitter風のサービスがTwitterに代わって、あるいはTwitterと並んで登場してきたときに、これらのサービスに簡単な調整を加えるだけでTwitterオリジナルに対するのと同様に利用できる可能性がある。

新システムのユーザーは、マイクロブログに投稿することになる。サードパーティもこうしたマイクロブログのプラットフォームを開発できる。マイクロブログの標準に準拠していることを何らかの方法で保証することも必要だ。例えば、本文は最大140字、表題なし、等々。ユーザーも、標準に準拠したソフトウェアを自分のサーバにインストールできる。現在Wordpress.orgを使ってやっているのと同じようなことだ。この分野でも、間もなくオープンソース・プロジェクトが始まることは間違いない。

難しいのは、マイクロブログの投稿を集約して、ユーザーが好きなTwitter発言者を購読できるようにすること、そして、「@[username]」と冒頭に書けばけその指名した特定のユーザーへのメッセージとなるなどのTwitter方式のメカニズムを実現するところだろう。

これはたんにRSSを使うだけではうまくいかない。容量を超える急速ななポーリングによってサーバが停止する可能性があるからだ。SaadはRSSをXMPPでラッピングする方法が答になると考えている。XMPPというのはインスタントメッセージング・プロトコルに基づいたオープンな標準で、もともとJabberのために開発されたものだが、現在はGoogle Talkなど様々なアプリケーションに使われている規格だ。XMPPは予約者にメッセージを送出することができるため、常時にポーリングしている必要がない。Saadの考えを詳しく知りたい人は、彼らの製品SyncStreamについて語っている彼のサイトを参照。また、彼らはすでに、「GetPingd」という標準提案中の仕様に基づいて、実装コードを書いている。Twitter自身もすでにAPIでXMPPを使っているし、Google TalkのようなサードパーティーのアプリケーションもTwitterとの統合にXMPPを使っている。

もしユーザーがこの新しいシステムでTwitterを始めたら、Alert Thingyのようなサードパーティ・アプリケーションは、ただその新しいシステムを対象として追加するだけでいい。TwitterにサインインするためだけにAlert Thingyを使うのではなく、Alerty Thingyにもアカウントを作れば、そこがユーザーの購読リストを管理してくれる。これはちょうどGoogle Readerのようなフィードサービスが、現在RSS購読についてやっていることと同じだ。

XMPPはすでに購読者をトラッキングするメカニズムを持っており、それはTwitterの 「followers」リストと基本的に同一の機能を持っている。ユーザーは彼らのマイクロブログで購読者(follower)のリストと人数を保持することができる。

返信を扱うのは、やや複雑だ(Twitterの@[username]機能)。一つのやり方は、既存のRSS基盤をとくにGoogleやTechnorati Blogの検索と組み合わせて使って@repliesをモニターし、これをユーザーのアプリケーションにフィーしてやること。その結果はマイクロブログだけに限定されないが、それが問題にjなるかどうかは私にはよくわからない。スパム的なものを排除するには、現在のTwitterと同じやり方で、単純にボタンをクリックすればよいようにする必要があるだろう。

この理論的なプラットフォームでは、発信を完全に非集中的なネットワークに移行させることになる。そしてTwitterで弱点となっている部分をサードパーティのアグレゲータ・サービス(すでに競争の激しい市場となっている)に任せる。これによって障害の原因となるような一点集中的なボトルネックは消滅するはず。

Twitter(会社、サービス、サイトやソフトウェア)は、もちろんこの新しい非集中的なプラットフォームには一切関係しない。したがって彼らは当然反対するだろう。ではそれは実現可能か? もちろん絶対に実現可能だ。というのは新しい非Twitter世界へ容易かつシームレスに移行可能だからだ。既存のTwitterのクライアントは単にGetPingdとその他インフラストラクチャのサポートを追加するだけでよい。それだけで既存のTwitterの世界と非Twitter世界を完全に接続することができる。新しい非集中的フレームワークをサポートするだけで誰でも現在Twitterが提供しているサービスを自分のウェブサイトで実現できる。無数のマイクロブログ・アプリケーションが生まれて、この世界に加わってくるだろう。

そしてユーザーは二度とサービスのダウンに苦しめられることがなくなる。.

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(翻訳:Namekawa, U)