マイクロソフトのすべきこと:それはFacebookとYahoo検索の融合なんかではない

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facebook-yahoo-monster.png マイクロソフトはYahooの検索部門のみを買収する可能性をちらつかせつつ、Yahooをもてあそんでいるかのようにすら感じられる。そしてマイクロソフトは買収話にFacebookも加えようとしているのだろうか。そういう噂が広がり始めている。FacebookのCEOであるMark Zuckerbergは日本でこの件について問われ、論点を巧みにぼかしながらも、独立を維持したい考えを表明した。しかしマイクロソフトへの売却を明確に否定するコメントは出していない。但し、この売却問題が差し迫ったものであるのなら、Zuckerbergが日本にいることはなかっただろうと思われる。現在の時点で想定できるのは、マイクロソフトは会社として、あるいは部門、ないし個人として、他社の対応するレベルに対する提携やパートナーシップの可能性について話をしまくっているということだろう。

マイクロソフトがFacebookを欲しがっているという噂が表面に出たのは初めてのことではない。マイクロソフトが最初にYahooとの交渉から退いたとき、次はFacebookだという話もあった。今回噂の内容が異なるのは、Yahooの検索ビジネスとFacebookを組み合わせようとしているとする点だ。Robert Scobleは、そのような組み合わせが開かれたウェブの終焉に繋がり得るという陰謀説を唱えている。Scobleの話のポイントは、Facebook内にあるものは検索にひっかかりにくいが、マイクロソフトがYahooの検索エンジンおよびFacebookの双方を得ることになれば(Googleに対してはデータを秘匿しつつ)ソーシャルネットワーク内のデータを検索結果として扱うことができるようになるというもの。これによってYahooの検索はソーシャルネットワーク内の人々やその関連性についての検索で優位な立場に立ち、したがってこの分野でGoogleに対するアドバンテージを得ることになる。

この理論には若干穴がある。

1. もしFacebookを検索に対してオープンにすることに何らかのメリットがあるのであれば、マイクロソフトはより安価な技術を用いてFacebookのソーシャルネットワーク内を網羅することができるようにする話を持って行くだろう。なにも$15B(150億ドル)ないし$20B(200億ドル)も出してFacebookを買収する必要はない。

2. わざわざYahooの検索エンジンを買う必要もない。マイクロソフトも自社の検索エンジンを持っている。Facebookと検索の組み合わせが、根本からの改革を必要とするものなら、マイクロソフトの検索エンジンの方に改革を加えるのが本道ではなかろうか。

3. Facebookを検索結果に表示させたり、内部的に検索しやすくすることは根本的な改革ではない。ソーシャルネットワーク系のデータがあるのはFacebook内だけではない(例を挙げればMySpace、Bebo、Orkut、HiS、Twitter、FriendFeed、Plaxo、del.icio.us、StumbleUpon等)。ソーシャルネットワーク系データをインデックス化することで、より関連性の高い検索を行うことができるのなら、ウェブ全体で行うべき話だ。Facebookのみに限定する話ではない。一カ所のデータをどうこうしてすることで、検索機能がどうこうという話にはならない。

4. Yahooの検索エンジンと、Facebookを組み合わせても、Facebookの抱える最大の問題は解決されない: 最大の問題とは、収益をFacebook上の広告(ほとんどがディスプレイ広告)から得ているということ。マイクロソフトは今のところ、Facebook上のディスプレイ広告を販売する点で秀でたビジネスを行っているわけではない。また、Yahooとの新たな話は、Yahooのディスプレイ広告ビジネス部門を除外した話だ。FacebookをYahooのディスプレイ広告ビジネスと組ませる方が効果を発揮するだろう(ソーシャルネットワークにおける広告展開から利益を得る方策について、マイクロソフトよりもYahooが優れているという仮定に基づいている)。

ともかく、ここでの議論のポイントは、マイクロソフトがYahooの検索ビジネスを買収しても、他の何かと組み合わせなければ効果を発揮しないということ。しかしマイクロソフトは、他のチェスの駒を動かす前に、まずYahooとの取り引き(すべての取り引き)の決着を付ける必要があるだろう。Facebookの件についてはZuckerbergの動向に注目しておけば良い。マイクロソフトとの話が真実みを帯びてくれば、彼は即座に米国に戻ることになるはずだ。

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(翻訳:Maeda, H)