Google Toolbarはターゲット広告用トロイの木馬?(MSバルマー、プライバシー問題を俎上に)

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Googleはウェブ上での検索行為に基づいてではなく、閲覧行為に基づいたディスプレイ広告を提供しようとしているんだろうか? DoubleClickを獲得して以来、業界はGoogleがどのような形で利用行動に基づくターゲット広告を実現するのかに注目していた。方法のひとつとして噂されていたのはGoogle Toolbarを使う方法で、このツールバーは現在、デル製PCには予めインストールされている。

噂はオンライン調査を手がけるスタートアップ企業からもたらされたもの。今月終わりに開催されるAudience Measurement 3.0にて、Google Toolbarを利用した新しいサービスが公開されるのではないかとのことだ。ちなみにAudience Measurement 3.0はGoogleがスポンサーになっている。

噂が、不信感を広めるために流されているという可能性もある。しかしこのプライバシー問題について触れるのは、そのスタートアップ企業のみではない。6月4日、Washington Postの編集者やレポーターと対談した際、マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマーもDellの件について触れながら、同様のプライバシー問題に言及している(下に貼った動画を参照)。

ところでツールバーは何のためにあるとお思いか。便利に使ってもらいたいとうサービス? とんでもない。PCで行うすべてに関するデータを通知するためにあるんだ。

【動画サイトは、本家版(Firefox)でご覧ください】

Googleの楽園生活は終焉を迎え、ライバルたちはあらゆる機会を逃さずにプライバシー問題をぶつけてくるようになる。Googleはこれまでに、ウェブ上での利用者行動について膨大なデータを収集してきた。ツールバーが普及するに伴い、検索バーで収集したよりもはるかに膨大なデータを集めていくことになる。

Google Toolbarは閲覧するサイトすべてを記録しておくことができ、Googleはそれらのデータに基づいて自社のターゲット広告を配信することもできる(ウェブページにディスプレイ広告を表示したり、検索広告の制度を上げることにも利用できる)。たとえばAmazonでLumixのデジタルカメラをチェックすると、関係のない旅行サイトを閲覧したときにDoubleClickの広告が表示されたりする。あるいは次にGoogleで検索をしたときに、Lumixの広告を優先的に表示されるということもあり得る。Googleはまた、収集したデータを利用してcomScore、Quantcast、HitwiseあるいはCompeteなどと競合するウェブ測定サービスを立ち上げることもできる。

現在のところ、上に述べたことは噂に過ぎない。しかしGoogleが実現に向けて動き出すとき、それを止めるものはいない。Google プライバシーポリシーによれば、Googleは個人情報を次の目的で利用する権利を有している。

カスタマイズ コンテンツおよび広告の表示など、ユーザーに対する製品およびサービスの提供。

また、別に定義されるFirefox 用 Google ツールバー プライバシーに関するお知らせには、収集したデータを広告目的で利用しないとはひとことも書いていない。実際のところは次のように記載されている。

拡張機能を使用したり、ページの詳細 (リンク元、関連ページ機能など) を特別にリクエストした場合は、お客様が訪問したページの URL やテキストなどのログ情報や詳細情報が Google に送信されます。

利用者は個人情報の収集をやめさせるため、ツールバーの機能をオフにすることができるとも書いてある(もちろんやり方を知っていればの話)。ともかく、Googleはデータを使って何かを行うつもりは十分もっている。3月に取得した特許はその一例だ。

利用者の行動を追跡し、行動の観察に基づいて興味を持つトピックスを特定し(たとえば複数候補のいずれにより興味を持つか等)、利用者の興味を持つトピックスに応じた広告を提供すること。

利用者にターゲット広告を提供するために、どのような形でGoogle Toolbarを利用していくのかと尋ねたメールに返答はない。

Googleが、ウェブの閲覧記録に基づくターゲット広告を配信するのなら、マイクロソフトその他はWashingtonに相談することになるだろう。上に引用した議論の中でバルマーは、本音かどうかはともかくGoogleとプライバシー問題について争うことを楽しみにしているようだ。上に貼ったビデオからの引用。

プライバシー情報を提供する利用者に報いるために「我々の検索エンジンを使うとデータを我々に提供することになるよ。もちろんお支払いはしますよ」とする方法もある。これならプライバシー問題も取り引きの一種になる。取り引きが気に入らない人は検索エンジンを使わないないし、今利用しようとしている方法では使わないことにすればいい。そういう方式ならわれわれとGoogle、あるいは土俵に上がってくる他のところとも競争を行うことができる。

…どういうデータが収集の対象になり、どういうデータがそうでないか知っている人は…っと、この中にデルのPCを個人的で使っている人はいる? それであればGoogleはあなたについてほとんどなんでも知ってるよ。ツールバーがあるからね。HPの件ではわれわれが勝ったけど…

ところでツールバーは何のためにあるとお思いか。便利に使ってもらいたいとうサービス? とんでもない。PCで行うすべてに関するデータを通知するためにあるんだ。それが極悪非道の悪事だというつもりはない。ただ、何がどうなってるのかを明らかにすることが大事だということ。明確になれば利用者も「完璧に理解した。全く問題ないことを納得したよ」と言うことができる。

プライバシー・ポリシーを巡っては争っていくことになるんだろうね。

利用者のプライバシー情報に対して対価を支払うと彼が言うのは、文字通りの意味だ。プライバシーに関してGoogleとマイクロソフトのどちらを信用すべきだろう。個人的にはどちらかを信頼すべきなのかもわからない。

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(翻訳:Maeda, H)