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音楽のストリーミングサイトLast.fmは、どのレーベルにも所属していないアーチストたちにも、彼らの音楽を流すたびにロイヤリティを払っている。同社がこの方針に踏み切った今年の1月から今日までに、7万のアーチストや零細レーベルが契約し、45万トラックをアップロードした。

Last.fmのこのやり方は、つまり、SoundExchangeのような従来からの公的機関に代わって同社がロイヤリティを支払うことなのだ。昨年、インターネット上でストリーミング提供される音楽のロイヤリティ率が上がり、広告収入に依存する新興サイトの経営を圧迫した。Last.fmはCBSに買収されたので、とりあえずつぶれる心配はない。それに、SoundExchangeの登録アーチストやレーベルの曲に関しては、Last.fmは現行のインターネットラジオのロイヤリティ率を今でも払っている。でも未所属アーチストたちに対しては、同社はSoundExchangeをバイパスしたいのだ。

レーベル会社やSoundExchangeのような中間搾取をなくすことによって、契約アーチストたちが受け取るロイヤリティの率は、同じ曲がFM局などから放送された場合の倍以上になる、とLast.fmは言っている。間(あいだ)に入ってピンハネする人がいないからだ(ただしロイヤリティの総額はSoundExchangeに払う場合に比べて低い)。Last.fmが未所属アーチストに払うロイヤリティは、曲と一緒に流れるコマーシャルの収入の10%だ(詳細は本稿の最後の付記を見て)。清算は四半期ごとに行われ、金額が10ドルに達していたらアーチストの口座に振り込まれる。

まあ、一曲あたりの金額は微々たるものだ。でもインターネット上の音楽産業が今後もっと成長し、同時にコマーシャルの出稿量も増えれば、ミュージシャンが四半期ごとに引き出せるお金も、ばかにならない額になるだろう。

さらに重要なのは、どのレーベルとも契約していない、あるいは、まだどのレーベルも注目していない、新人アーチストたちとLast.fmとの間に、お金を払う/貰うという直接的な関係ができあがることだ。そしてLast.fmのこのやり方は、零細すぎて、もしくは手続きが面倒なので、SoundExchangeに登録していないマイナーなレーベルにとっても、魅力的だ(すでにSoundExchangeからロイヤリティを貰っているアーチストは対象外)。70万の契約者の約30%がアーチスト個人でなくレーベルだ。そして一日の契約成立数は、1月にこの方式が発表されてから60%も増えた(つまりそれまでの1.6倍)。

Last.fm社の方針だから、ロイヤリティの率も同社が決められる。その曲からどれだけのコマーシャル収入があったか、それによってアーチストに支払う金額が決まる。でも、無名な彼らの音楽を実際に聞く人がどれだけいるのか? 今どこかのレーベルに所属しているミュージシャンたちが、大量にどっとLast.fmに押し寄せて、ピンハネのない直接契約を求めるだろうか? この二つの問いへの答えが、同社の画期的な試みの正否を握っている。

アップデート:同社のFAQによると、Last.fmのロイヤリティ率は一律ではない。

*曲が無料ラジオ放送で流れた場合は、Last.fmの純収益の10%が支払われる。
*曲がパーソナル・プレミアム・ラジオ放送で流れた場合は、1曲の完全放送に対し、Last.fmの純収益の10%または0.0005ドルのどちらか大きいほうの額が支払われる。
*曲が無料オンデマンド・サービスで流れた場合は、Last.fmの純収益の30%が支払われる。
*曲がプレミアム・オンデマンド・サービスで流れた場合は、前金または後払いによる一曲の完全放送に対し、Last.fmの純収益の30%または0.005ドルのどちらか大きいほうの額が支払われる。

[原文へ]

(翻訳:Iwatani)