タイムワーナー、ミラーのYahoo役員指名を拒否、AOLの潜在バイヤーに目潰し攻撃

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ヤフー株主総会が今開かれているが、既に全部プラン通りには行かないところも出てきた。ヤフーはアクティビスト投資家カール・アイカーンに3議席明け渡すことに合意し、天王山は免れた。 アイカーンが1議席とり、残る2議席は取締役会の投票で決まる。その2議席の1つには、ヤフーからの要請で候補名簿に加えられたAOL元CEOのジョナサン・ミラーが収まるものと思われていたが、もはやその可能性は消えた。

昨夜11番目の刻(11pm)にタイムワーナーがミラーの役員指名に反対を決めたのだ。この情報は、ミラーに近いAOL元幹部を含む3人のソースから取った話だ。 ミラーはAOLとの間に競業禁止条項がまだ残っている。そのためタイムワーナーの祝福がなければヤフー取締役会には加われないのである。

何故、タイムワーナーがこの決断に至ったのか、その動機ははっきりしない。取締役会で審議する追加議席の役員候補者名簿にミラーの名が加わったことをヤフーとカール・アイカーンが公けにするまで、タイムワーナーはミラー就任にも青信号を出していた。それが今ごろになって戦略が変わり、昨晩タイムワーナーCEOのJeffrey Bewkesはミラーに電話で先の承認撤回を告げた。急に態度を変えた理由については何も説明がなかった(今はバイアコム元CEO Frank Biondiを2議席の一つに推薦している)。

この事実を知ったジェリー・ヤンは、「色を失って怒りまくった」と、あるソースは語る。 ヤンにとって、過去にAOLを経営した経験を持つミラーは、取締役会で一緒にやっていけると思える相手であり、助言を仰げる人だった。それにミラーなら、アイカーンも好感を持っている。

これでタイムワーナーは単に、AOLを買ってくれそうな2社のうち1社の心証を著しく害したことになる。タイムワーナー経営陣はAOLをとにかく売ってしまいたくて死に物狂いでトライしている。が、現実に買い手となれそうなのはYahooとMicrosoftの2社しかいない。「これは全くもってAOLらしい戦略ですよ」と言うのはAOL元幹部。 タイムワーナーはこうしてAOL買収の潜在ビダー(入札企業)を怒らせることで、事実上マイクロソフトに、ケチな買収オファーを出す力を余計に与えていることになる。法人株主にはヤフーとタイムワーナーの両方にかなり大量の株式を持っている人も多い。その彼らにとっても、あまり喜ばしい話ではないだろう。

「沈みゆくタイタニック号AOLは誰とでも友だちでいなくてはならないのに…」、先のAOL元幹部は混乱を隠せない様子でこう語る。皮肉なのは、Yahoo-AOL合併を成立に導く度量のある人が誰かいたとするなら、それはミラーを置いて他になかったという事実だ。

つまり、なんだろう。タイムワーナーはミラーを取締役から外すことで、ヤフーをマイクロソフトの買収対象として魅力のないものにし、AOLを魅力あるものにできるとでも思っているのか? それとも、Jeff Bewkesは単に(自身の親派のためにAOL CEOの座から追い払った)ミラーが将来いずれは合併後のYahoo-AOLのCEOになるという、そのミラーの考えに我慢ならなかったのか? それならBewkesの先の決定はなんだか馬鹿げたものに思えてしまう。CEO交代後のAOLは業績不振なことを考えると尚さらだ。 ビジネスでは、とかく私情が絡むものだ。

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(翻訳:satomi)