不動産サイトの住宅情報の精度はどれぐらい?

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不動産サイトの「Trulia」と「Zillow」を比較する今週の記事では、サイトの成否を占う一番重要な要素はその包括性にあると書いた。住宅情報は多ければ多いほどいい。家の買い手は、そこに行きさえすれば市場に出回っている家の情報が全部見れる、そんな場を求めているからだ。ダッシュボードはひとつで良くて、あとはそこから条件に応じて住宅選びをフィルターにかけていくのが理想だろう。

では、これらのサイトは果たしてどれぐらい多くの情報をカバーし切れているんだろう? そして、住宅情報はどれぐらい精密なものなのか?  全米一円の住宅情報はTruliaが350万件、Zillowが310万件だけども、家探しは全国ではなく地方市場でやるもの。問われるのは、地方市場でどれだけの情報をカバーしているかである。

記事を出して数時間後、TruliaとZillowの競合相手「Roost」から連絡が入った。 ここは対象エリア市場の住宅リスティングはたったの140万件しかないが、不動産ブローカーが使っているのと同じ全国共通の不動産データベース「Multiple Listing Service(MLS)から直接情報を仕入れることで差別化を図っている。同社が社外に有料で委託した調査報告書がたまたま手元にあったという。ダラス、マイアミ、サンディエゴの3都市における各不動産検索サービス(Roost、Zillow、Trulia、Yahoo、 Google)の住宅検索結果の“精度”を調べたもので、調査は不動産業界コンサルタント「WAV Group」が担当。検索結果の精度は、その都市でMLSに登録された住宅リスティングのうち何パーセントに結果が合致するかで示した。

その結果が上のグラフだが、予想通りRoostはかなり好結果で、各都市ともMLS住宅リスティングのうち95~99%をカバーしている。 Truliaはうんと少ないサンディエゴの9%からマイアミの61%まで。Zillowは全般的に3都市とも12%から36%と、数字はもっと低めである。

Truliaはこの結果に異論を唱えている。マーケティング部門VPのHeather Fernandezはこう語る。:

このデータは非常に疑問です。当社の社内調査にあるカバレッジデータとも食い違ってます。当社のデータではほとんどの主要都市で70%ほどカバーしていることが分かってます。

実際、自分でTruliaでサンディエゴ市内の売り家を検索してみたら検索結果は4395件である。Roostは6036件だから、その73%だ。仮にその半分が腐った情報や、どこか正確でない住宅情報だとしても、Roostが委託した調査が言っている9%には程遠い。これは何故かというと、WAVが行った調査では各都市とも「3ベッドルーム+2バスルーム/5万ドル未満」の住宅のみ対象にしているのだ。

調査の手法そのものランダムだし、欠陥があるような気がする。 サンディエゴ市内で30万~35万ドルではなく40万~45万ドルの家を調べていたら、もしかしてTruliaの検索精度は上がったとか? 包括性を計測する調査なんだから、それと同じぐらい調査の手法にも包括性を気遣うのは当然の礼儀だろう。

それでも精度70%というのは決して褒められた数字ではない。Zillowも似たりよったりだ。ある都市のMLSがベンチマークになるとして、どちらも相当がんばらなくてはなるまい。 例えばTruliaは情報の仕入れ先としてほかのMLSと契約を結んでいるのだが、全米に計900件あるうち契約済みは14件だけである。 MLSがベースのRoostやRedfinのようなサイトも、確かにサービス対象市場ではより多くのリスティングが確保できるかもしれないが、まだ全市場が対象にはなっていない。例えばサンディエゴでは、Redfinが追跡している住宅売り物件は6300件で、Roostに比べても多い。ところが両社とも、ニューヨークはノーマークなのだ。

Redfin CEOのGlenn Kelmanは、先の記事で僕がTruliaやZillowのカバレッジが完璧にに近いとした点についてもエーッと驚いたらしく、メールでこう書いてきた。:

だって不動産サイトはどこもTruliaやZillowよりは売り物件多いですから。

一方、Frenandezはリスティングを一番多く抱えているかどうかは問題じゃないと考えている。こう返事を書いてきた。:

リスティングは日用品化されています。―全米どの都市でもリスティング基礎情報を提供するサイトなんて何ダース分もありますよ。インターネット企業にとってそれは、競争を有利に進めるポイントではないんです。

彼女が言うには、もっと大事なことは家の買い手が情報を吟味した上で意思決定できるよう、情報をフィルターにかけることだという。僕は両方必要かなと思う。フィルタリングのツール(ヒートマップ、売り実績比較、学区内の学校情報)もますます日用品化している。 誰だって自分の条件に全部ぴったり叶う「あの家」をうっかり見落としました…なんてことがないよう、フィルターにかける前は、とにかくなるべく大きく網は広げてみたいものだから。

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(翻訳:satomi)