われわれに必要なのは、デジタル権利章典だ

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民主党、共和党ともに党全国大会が開かれる今、インターネット時代の包括的テクノロジー政策を本気で考えるべきときだ。インターネットとデジタル財産を規定する法律や政策の多くが、別の時代の規則を移植しよういう不十分なものだ。

起きている問題はネット中立性(Comcastを参照)や著作権侵害やデジタル・プライバシーに留まらない。およそあらゆる物事にわたる。われわれに必要なのはデジタル権利章典。消費者が、インターネットサービス・プロバイザーやコンテンツ会社、デバイス製造業者および政府自身に求める自由と権利を明記したものだ。

両大統領候補とも既に自らのテクノロジープラットホームの概要を示している。(オバマ候補は昨年、マケイン候補は、ようやく今月になって正式なテクノロジー政策を公表した。オバママケインとも予備選挙の際、自身のテクノロジー政策についてTechCrunchに話してくれた)。しかし、マケインのテクノロジープラットホームは少々曖昧であり、一方、副大統領候補にテクノロジーの不自由なジョー・バイデンというオバマの選択も、決して信頼を高めるものではない。真実はといえば、本当の意味で立法者、政策立案者のいずれをも導いていけるように絞り込まれた方針案を、まとめられる人材がどちらの党にもいないということだ。

難しい注文ではあるが、インターネットプロトコルの規定からウェブ上の知的財産権まで、すべてを統治する一貫した政策を持つことが重要だ。私は連続起業家、Austin Hillの助言を得て、そんな初の権利章典を作ってみた。さらに磨きをかけるのに協力してくれる人も、独自の提案を追加してくれる人も、コメント欄に書いてほしい。

デジタル権利章典

コンテンツの利用および再利用:楽曲や文章、ビデオなどのデジタル複製物が物理的複製物とは質的に異なっていることを、消費者は知っているが、著作権法は両者を等しく扱っている。稀少性経済が働かなくなったとき、消費者は異なる行動を起こし始める。消費者が思いがけない方法でコンテンツの複製や再利用を行う。振り子が振れすぎた結果、ふつうの消費者行動が犯罪とされるようになった。公正使用の概念を改訂、明確化するとともに、著作権保有者の基本的権利と創作活動から得る利益の調和を取る必要がある。

自分の機器のデジタル財産を制御する権利:この法の大部分が所有に関わることであろうが、デジタル機器はこのルールに従っていない。デジタル所有権に関して、それを誰が所有するかが明確に定義されていない。これはコンテンツが特定の機器に結び付いている場合、特に複雑になる。私がKindleやiPhoneのアプリにデジタルブックをダウンロードしたとき、(再度指名させてもらうが)AmazonやAppleは、私の機器から事前通知や許可なしに、あらゆるコンテンツを抜き取る能力を備えている。件のコンテンツに対して私が代金を支払っている場合も変わらない。著作権法とDRMテクノロジーが深く絡み合い複雑化しているため、明確に交通整理をすることによって、消費者にとっても企業にとっても利益になる。

情報の自由な流れに関する権利:インターネットサービスプロバイダー、特に公共で優先権を持つ者が、データの種類によって情報を差別することを許してはならない。ネット中立性の議論は、コンテンツのフィルタリング、パケット優先順位付け、バックボーン相互接続ルールなどに関する議論の泥沼に陥いりかねない。しかし、ここで問題にしているは、インターネットおよびそこに含まれるあらゆるデータへの基本的なアクセスである。データは情報であり、インターネットのパイプに流れてもよいデータの種類に対して人工的な制限をかけることは、検閲になる恐れがある。

(ある程度の)プライバシーに関する権利:大方において、ウェブ上でのプライバシーへの期待は死に絶えている。しかし、ある種の情報(健康、財務)のプライバシーは常に保護されなければならない。消費者データ保護に関して、現在われわれを失望させている企業や州の寄せ集めの規定に代り、連邦によるガイドラインが望まれる。(Best Westernの部屋を予約したい人いる?)プライバシー法は物理的世界とデジタル世界の間でも一貫性を欠く。例えばBork法では、実体のあるビデオ店が私のレンタルレコードを共有することは違法だが、iTunesやAmazonは、法に触れることなく私のデジタルビデオやデジタル音楽を販売することができる。

個人のデジタル身元情報を制御する権利:では、問題の「コンテンツ」が、あなた自身の身元情報だったら何が起きるだろうか。所有者は誰? この答えは「あなた」であるべきだ。連邦議会はこの問題に関心を持っているに違いなく、オンライン広告ネットワークが身元情報を濫用してあなたを広告攻めにすることがないようにしたいと考えている。じっさいGoogleとYahooが、規制をかいくぐろうと先手を打ってきている。しかし、政治家たちにはEUのプライバシー宣言をよく見てもらいたい。10年以上前から適用されているものだ。国民は、あらゆるデータベースにある自分の名前に結び付けられたデジタル個人情報が実際に自分のものであるかを確認し、場合に応じてその個人情報へのアクセスを禁止することができるべきである。

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(翻訳:Nob Takahashi)