Sonic Lighter―こんなバカバカしいiPhoneアプリがブームになってる理由は?

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Smuleから出たSonic Lighter (iTunesリンク)というバーチャル・ライターのiPhoneアプリがえらく評判になっている。

それ自身はたいしたことないアプリだ。iTunesにバーチャル・ライターは10種類以上出ている。こんなマーケットは飽和している、と言いたいところだ。しかもSonic Lighterは有料で、99セントもする。Zippoの公認バーチャル・ライターは無料だ。しかもこうしたアプリの機能は基本的にみな同じだ。タバコに火を付けるあのライターのバーチャル版で、iPhoneの向きをいろいろ変えるにつれて炎がもあちこち揺らめく。

Zippo版のダウンロード数は発表されていない。しかしSonic Lighterではすでに7万のダウンロードを記録したといっている。とにかく、Zippoのアプリは9月18にローンチされたのに現在までに27のレビューしか書かれていない。ところが、Sonic Lighterは今週水曜日にローンチされたばかりだというのにすでに44のレビューが書かれている。

私が思うに、皆がSonic Lighterに夢中になり、99セントを払う気になる理由はこうだと思う―Smuleはこのアプリにソーシャルな要素をビルトインすることによって、猛烈ないきおいでクチコミを広げることに成功した。このソーシャルな要素が、Sonic Lighterを使う上でバカバカしいが効果的なインセンティブとなったのだ。

ユーザーは自分の場所を他のユーザーに公開するよう設定できる。ユーザーがライターに火をつけると、世界地図の上にそれが示される。右のスクリーンショットでもわかるように、フランスと日本でこのアプリが猛烈な人気を博しているのがバーチャル地球上にはっきりと映し出されている。ユーザーがライターを燃やしつづける(この記事を書きながら私もSonic Lighterを燃やしているところだ)と、その時間がキロジュール単位で表示される。そこで各地のユーザーが「世界でいちばん明るい都市」になろうとして競いあっている。おっと、それからマイクに向かって息を吹きかけると火を消すことができる。

冗談を言ってるのではない。どういうことになってるのか、たとえばここで「世界でいちばん明るい都市」のリストを見ることができる。私はサンフランシスコとサンノゼの順位を上げようと努力中だ。(本当はこの2都市はひとまとめの地域にしてくれないと不公平だと思う)。

Sonic Lighterは他のiPhone上のSonic Lighterを点火することもできる。パーティーでみんなが酔っぱらい始めた後、大いに座を盛り上げる芸になることうけあいだ。いったんこうして大騒ぎになればパーティーの参加者は全員がギークとしての仲間意識を維持するためだけにでも99セント払う羽目になる。このビデオにこれが実際どう機能するかが映っている。

このアプリはなぜ成功したのか? 熱心な読者なら私が8月にその点を指摘したのを覚えているだろう。Sonic Lighterは、ライバルと違って、単なるライター機能ではなく、人間がチームを作りたがる社会的群居本能と位置情報を巧みに結びつけて、ちょっとしたブームを巻き起こすことに成功した。典型的なクチコミの勝利だ。

アプリがローンチしてから数日間にこういうことが起きていた。

  • 9月15日(月)、太平洋時間午後5時ごろ、ミュアウッズ国立公園のどこかで最初のiPhone同士による遠隔点火が行われる
  • 以降、火は6大陸、80カ国、3204カ所に飛ぶ
  • 現在までに3977カ所で6万8514回の点火が行われる
  • SmuleではSonic Ligterからリアルタイムで収集したデータを元に、キロジュール単位で、総点火時間の長さの順に、都市のランキングの表示を始める

Smuleを運営しているのは頭のいい連中だ。資金はBessemer Venture Partnersから調達している。CEOのJeff Smithは以前、メールのセキュリティーソフト企業のTumbleweedのファウンダーでCEOだった。Nasdaqに株式を公開し、年商$50M(5千万ドル)を達成してからCEOを辞めている。Jeffに加えて SmuleにはGe Wang博士初め、スタンフォードとプリンストン大学で音楽の博士号をとった人間が加わっている。Wang博士はスタンフォードのCenter for Computer Research in Music and Acoustics (CCRMA、音楽と音響のためのコンピュータ研究センター)の教授であり、Stanford Laptop Orchestraの指揮者でもある。ちなみに、Sonic LighterはSmuleの最終成果物ではないということだ。このアプリはWang博士らが開発したChucKと呼ばれる新しいオーディオ・プログラミング言語のデモ・プロジェクトなのだという。

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(翻訳:Namekawa, U)