瞬時に信用調査を行えるBill Me Laterは、「信用問題」の一部なのか、それとも解決策なのだろうか

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広がりつつある信用不安によって証券市場が暴落した同日、eBayがBill Me Laterを買収するという今年最大級のM&Aが発表された。買収額は$945M(9億4500万ドル)で$820Mは現金、残りの$125は発行済みオプションにて支払われる。2008年中、テック業界の統合劇で規模的に並ぶのは、現金が少なめで、オプションの比率が高かった$1B(10億ドル)のSunによるMySQL買収と、$850M(8億5000万ドル)でのAOLによるBeboの買収くらいのものだ。今回の買収は、オンラインで何かを購入した消費者が支払いの先送りをする際に利用するサービスを提供する企業に対するもの。信用評価基準を低めることが、今回の経済的混乱を招いたことはご存じの通り。

それでBill Me Laterは問題の一部なのだろうか、それとも解決策のひとつなのだろうか。以前Wall Streetの技術アナリストで現在Azure CaptalのパートナーであるMichael Kwatinetzに尋ねてみた。Bill Me Laterの最古参かつ最大株主でもある。氏はBill Me Laterの仕組みに触れ、実際のところはたいていのクレジットカードよりも厳しい信用評価基準を持っていると説明した。

問題は支払いのできない人が、融資でなんとかしてしまおうというところにあります。きちんとコントロールすれば、そんなことは起こりえないのです。

私たちは信用限度額を設けません。その代わりに購買・支払い状況に応じた信用設定を行っています。あなた自身がもし支払いをしてくれない、ないし支払いを別の借金から回すような人であれば、私たちは信用ゼロだと判断します。

一方、従来のクレジットカードでは、請求書の支払いも、事前に定められた限度額までカードで行うことができる。Bill Me Laterでは取引毎に支払い状況、調査会社による状況、その他いくつかのチェックを行う。Bill Me Laterはチェック作業を3秒のうちに行い、信用買いを許可するかどうかを判定する。Kwatinetzによれば約1年前に貸し出しポリシーを厳しくしており、「未払い率はウェブ上でサービスを行っているほかのどこよりも低いはず」と述べている。

同社の価値は信用リスクを判断するアルゴリズムと、インターネットをプラットフォームとして利用して信用供与の可否を判断している点にある。アルゴリズムで処理するデータはすべて調査機関や他のデータプロバイダからWeb API経由で入手している。

eBayにとってみれば、Bill Me Laterは一般消費者のクレジット関連でPaypalのフランチャイズを広める役に立つ。Bill Me LaterはAmazon、Apple Store、JetBlue、およびWalmart.comなどのウェブにおいて、既に400万人以上の消費者に利用されている。本年はオンライン購買時に1500億ドル分の信用供与を行い、1億2500万ドルの利益をあげると予測している。また2009年には収益は1億5000万ドル(20%の成長率)に達すると予想されているが、eBayの収益の一部は今回の買収費用に回されるわけで、eBay純利益で考えればすぐに利益を生むようになるわけではない。

また、すべてをオンラインで完結するクレジットサービスというのも考慮に値する点だ。従来のクレジットカード会社では、新規にVisaないしMastercardに申し込む顧客が出てくるたびに150ドルの経費がかかっており、またカード発行の手続には数週間を要していた。Bill Me Laterでは購買時になってからでも申し込みを受けることが可能で、カード会社の10%以下のコストで利用者を獲得することができる。

トラブルに見舞われたクレジット市場に対する進出を意味するこのような巨大買収のアナウンスに疑問を感じる向きもあるかもしれない。しかしSkypeやStumbleUpon等、eBayにとってさほど重要性を持たない売買の話題の後、中核業務以外ではPayPal以来の重大買収という意味を持つことになりそうだ。

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(翻訳:Maeda, H)