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Web 2.0はキプロスのイグノーブルなパーティーと共に終りを告げた

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Sequoia Capital、56枚のスライドで運命の暗転を説く

2007年5月、私にはシリコンバレーはバブル破裂の前夜にあるように思えた。そこで 「良い時代だし、資金は順調に流入している。そして、シリコンバレーはまたつまらなくなっている」 と記事に書いた。

今週、疑いなく、バブルは破裂した。ただし、今回のバブル破裂は前回と違っている。今回のバブルは強気一辺倒のシリコンバレーのベンチャーキャピタリストと投資銀行家の暴走によって起きたのではない。シリコンバレーはこの前のようにバカバカしい価格で株式を上場したりせず、着実に仕事をしていた。今回は、ウォールストリートと政府そのものが大失態の主役である。

で、正確に言って、何が終ったのだろう? まず、今までのように簡単に資金は集まらない。すでに資金を調達ずみの企業も、Sequoia CapitalBenchmark CapitalRon Conwayのメッセージにみられるように、ベンチャーキャピタリストからの強い勧告、というより命令に従って大幅なコスト削減に取りくまねばならない。

最初にリストラの対象になりそうなのは、バブルの間中ずっとシリコンバレーをかくも不快な場所にしてきた主犯―肥大したPRとマーケティング部門だ。しかしこれからは新たなスタートアップの数は減るだろうから、その数少ないスタートアップがユーザーやメディアの関心を引くのはPRがなくてもそう難しくはないだろう。(もちろん、職を失った連中は大いに不満だろうが)。

後になって振り返れば、このWeb2.0バブルは、大量のユーザー生成コンテンツが登場し、大規模な著作権の無視が行われ、JavascriptやFlashを使ったちっちゃなウィジェットによってネット上のウェブぺージがデスクトップ・アプリとほとんど同様の機能を持つようなった時代だったと認識されるだろう。もちろん進歩があったのはそういった分野だけではない。テクノロジーによって広告は着実に進歩した。特にコンテキスト連動広告によって、個人のニーズに合わせてカスタマイズされた広告を行い、されにその成果をモニタすることが可能になった。また、われわれが現在知るようなソーシャル・ネットワーク・サービスが登場したのもこの時代だ。われわれが予見しうる限り、SNSがなくなることはあるまい。

それではなぜ“イグノーブル(ignoble)”などという単語をタイトルに入れたのか? 実は、2008年10月に入って、シリコンバレーの有名人男女20人ほどが、「愛と瞑想とインターネットの1週間」とやらいう1999年スタイルのどんちゃん騒ぎのパーティーをトルコ領のキプロス北部で催したのだ。不運なことに、この連中はその休暇の記録ビデオを公開した―1ヶ月前なら誰も話題にもしなかっただろう。しかし、今週、あらゆる城壁が音を立てて崩れ落ちるさなか、郷里で何が起きているかも知らぬ様子で遊びまわっていたご一行は底抜けのバカ者に見えてしまった。将来ずっとWeb2.0バブルの破裂というとこのビデオが引き合いに出されることになりそうだ。

グッドバイ、Web 2.0。もうこんな文を2度と書かないですむよう願いたい。そろそろ仕事に戻らねばならない時刻だ。やるべきことは山のように残っている。「マトリックス」なみのバーチャル・リアリティーや〔レイ・カーツワイルの主張するような〕人間の知性を越えるコンピュータの実現、とまではいかなくても、とりあえずは某携帯電話のバッテリーが1日持つようにしてもらいたい。


Cyprus Lip Dub – Don’t Stop Believing from Brittany Bohnet on Vimeo.

〔注:Ig Nobel Prize(イグノーベル賞)は、Nobel Prizeとignoble(無知な、くだらない)との語呂合わせから命名されたという。〕

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(翻訳:Namekawa, U)