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SNS的な学習プラットホームで効果を誇るiKnowがAPIを公開

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電子学習(e-learning)の世界市場は2010年に520億ドルに達すると推計されている(2007年には合衆国だけで収益が170億ドルを越えた)。しかしWeb 2.0をベースとする教育訓練用の良質なリソースを見つけるのは、きわめて難しい。今のところ電子学習の業界はもっぱら、企業や教育機関向けのアプリケーションに集中しているようだ。

ところが、ここに新人が登場:iKnow!だ。このサイトはインテリジェントでソーシャルな学習プラットホームを自称し、今は英語の語彙の学習とSATの準備、それに日本語コースの計3つのサービスを提供しているが、今後さらにコンテンツを増やしていく。東京のCeregoという企業がこのサイトのベータバージョン(日本語のみ)をスタートしたのは実は2007年の10月にさかのぼる。その時点では日本人向けの英語コースだけだったが、今では日本全国に28万人あまりのユーザがいる。

このプラットホームの基盤は同社独自の学習エンジンで、これがユーザを教材選び、学習の計画化、学習の進歩の評価計測、長期的な自己管理などの雑務から解放する。ユーザは自分の学習目標を設定し、あとはシステムにお任せする。Ceregoは、学習エンジンのアルゴリズムでいくつかの特許を保有しているが、それらは認知科学や神経科学の分野における長年の研究がベースになっている。ユーザの成績が絶えず分析され、分析の結果に基づいてiKnowは学習過程を個人別に迅速に調整する。

iKnowは情報を一口サイズの小片(“アイテム”と呼ばれる)に切りわけて、ユーザがより楽に理解し記憶できるようにする。たとえば“Erudite Vocabulary 1” English course(“ボキャブラリの達人 1” 英語コース)には89のアイテムがあり(動詞の”immure”、”bruit”、”adumbrate”など)、それらが134の例文中で使われている。システムはこのコースを28日で終了するよう勧める(そして自動的にスケジュールする)が、ユーザは短いレッスンをたくさんする、少数の長いレッスンをこなす、などを自由に選択できる。

アイテムの学習は主に、多項選択式の質問や書き取り、ゲーム、クイズなどを使って行われる。記憶の劣化を防ぐために、難しいアイテムはいろいろ違ったやり方で何度も復習する(たとえば多項選択式の質問ではなくユーザに語彙の書き取りをやらせる)。学習を途中で休止したり再開したりも、ユーザが自由にできる。またもちろん、これまでレッスンを何回受けたかも記録される。一つのコースを終了すると、ユーザは学習したすべてのコンテンツを保存して、あとで任意の時期に復習等ができる。

コンテンツの創造と共有による知識取得の加速

この無料サイトの中心的な要素がSNSの機能だ。それはビデオや画像、オーディオ、ゲームなどを積極的に使う。iKnowのユーザはこのサイトで勉強するだけでなく、コンテンツを自分で作ったり、ほかの人と共有することによって、勉強の進み方を加速できる。たとえばこれは、大統領候補Barak ObamaとJohn McCain両人の最初のディベートの録画をユーザがYouTubeにアップロードし、その中から重要なアイテムや文を自力で取り出す。下の例は、同様に処理したビデオによりSteve Jobsが日本人に英語を教えるというもの。システムはユーザが作ったコンテンツを基に半自動的にレッスンを構築し、それをほかのユーザが自分の学習過程…それらのアイテムを学ぶコース…で利用できる。

このようにして人と人を結び付ける機能は、とくに言葉の学習で威力を発揮する。というより、このプラットホームの上では、そのほかの一般的なSNSよりも、外国人の友だちを作りやすいだろう。ただしBabbelなどと違って、iKnowの学習アルゴリズムは言葉〜外国語に限定されない。やがてユーザは、このサイト上のそのほかの学習素材やコースにも関心を向けるだろう。たとえばWikipediaの記事から取り出した情報にそのほかのテキストコンテンツやマルチメディアを混ぜてiKnowが教材とレッスンを構築し、それをユーザたちが共有する、といったシナリオもありえる。

iKnowのこのやり方、すなわち高度にモジュール化され個人化された学習に、SNS的な人と人のコラボレーションを組み合わせる方式は、将来のオンライン教育のモデルになるかもしれない。ユーザがiKnowで学べることやできることは、なにしろ圧倒的に大量だ。

オンライン学習という分野は、LiveMochaPrepMe、そしてTechCrunch50で二等賞になったGrockitなどの出現によって、だんだん混み合ってきた。今では、週に一つぐらいの割合で新サイトが登場しているようだ。しかしiKnowと比べると既存の電子学習サイトの多くが、学習の科学的な理解に立脚していないし、有料サービスや企業向けサービスの重視、SNS的側面の無視など、いかにも古臭く感じる。

iKnowには今後さらに拡張の余地がある:Ceregoは10月15日に同社の学習APIを一般公開して、世界中のサードパーティのデベロッパたちが利用できるようにする。

同社はユーザと、そして今度は新たに全世界のデベロッパたちから企業としての力を得るだけでなく、業界の内情筋によると、日本のトップクラスの投資家たちからの相当額の資金調達ラウンドをもうすぐ完了するらしい。同社の今後を見守りたい。

日本版アップデート:Cerego Japanでは、10月15日から12月15日にかけて、日本のデベロッパー向けにiKnow APIコンテストを開催している。1等賞には20万円、2等賞には10万円、3等賞には5万円の現金が贈られる。コンテストの審査委員長は伊藤譲一氏。iKnow APIを利用した優れたゲームやウィジェットの応募が期待されている。詳細はiKnow! API KICK OFF!で。

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(翻訳:hiwa、Namekawa, U)