AndroidよiPhoneに学べ…ハードじゃなくてソフトが重要なのよ

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AppVeeによるAndroidビデオレビュー

AndroidのG1電話機の発表初期段階における詳しい評価記事は、ほとんど出尽くしたようだ。CrunchGearにも相当掘り下げた記事があるし、ぼくの第一印象記事もある。このG1のスペックやスライド式のキーボード、179ドルという価格などについて書かれた記事は、至る所に山のようにある。

でもぼくは、先週金曜日(10月9日)にT-Mobileから試用機を一台借りたので、今ではそれをいつも持ち歩いて、地下鉄の中でメールを読んだり、Webをサーフィンしたり、ニューヨーク市内のGPSがブロックされない場所ではGoogle MapsのStreet Viewのコンパス機能で遊んだりしている。もう、これを部屋に置いたまま外出することはないね。

でも、だからといって、iPhoneと別れたわけではない。このG1と一緒に、iPhoneも必ず持ち歩いております(そう、ちょっとアホみたいだけど)。ここ数日、この二人と一緒に生活した結果として言えるのは、このAndroid G1がiPhoneではないことがますますはっきり分かってきたということ。ただし、その違いはそれほど致命的に深刻ではない。Androidは10月22日に発売されたらバカ売れするだろう(噂では予約が150万台あるそうだ。アップデート:この推計は大げさすぎたかもしれないが、ともかくT-Mobileは予約販売用に確保していた台数をすべて売り切ったようだ)。

AndroidとiPhoneはどちらも、ある特殊なクラスに属している。ぼくは最初の記事にこう書いた:

…結局のところ、AndroidかiPhoneかという問題じゃないんだよ。この二つは“Webフォーン”という新種、それに対して今のケータイは“ポケットの中の煉瓦”だ。ケータイが一斉に、そのいろんな機能をiPhone並にすれば(Webサーフィンとメールが中心)モバイル市場全体の定義ががらっと変わるんだ。iPhoned/Androidの登場によって、ケータイ業界の前賭け金〔table stakes,最初ゲーム開始前にポーカーテーブルの上にどかっと置く義務的金額〕が一段と高くなったんだよ。これからは、ケータイほぼイコール、コンピュータでないとだめなんだ。AndroidかiPhoneかなんて、どうでもいいことだよ。

ぼくは今も同じ考えだ。Androidは完全にオープンな規格だから、AndroidのアプリケーションがiPhoneのアプリケーションに勝つチャンスは大いにある。Androidなら、デベロッパが電話機の細部に自由にアクセスでき、カメラや音楽ライブラリも自分が書くプログラムで操作できる(今のところiPhoneでは無理)。でもそれは、今日ではなく明日の話だ。現時点ではまず、両者の基本機能を比べてみる必要がある。

両者が互角な点は、何だろう? AndroidもiPhoneも、基本的な部分はとてもよく似ている。どちらも大きなタッチスクリーンがあり、GPS、WiFi、3Gのセルラーアンテナ、加速度計、それにカメラがある。ソフトウェアでは、どちらにも機能的に完全なWebブラウザがある(どちらもWebkitがベース)。Gmailアクセス、GPS対応のGoogle Maps、音楽プレーヤー、そしてAppStore(GoogleのはApp Market)からダウンロードできる大量のサードパーティーアプリケーションもある。

ここまではいい。しかしG1のマイナス点は、ユーザインタフェイスがちょっと雑なことだ。ぼくはここ数日Android G1を使っていて、何度もまごつき、うーんここはどうするんだろ?と考え込んだ。iPhoneは、もっとスムースに使える。いちばんの問題は、G1はボタンがやたら多いことだろう。つまり、ハードウェアとソフトウェアの連携がギクシャクしている。G1では、ソフトウェアがハードウェアを完全に包み込んでいない。いつも、ハードウェアがその武骨で醜い顔をユーザに直接さらしてしまう。

そのギクシャクの大きな原因は、G1にはiPhoneにない、とてもでしゃばったハードウェア的特徴があることだ。それはとくに、スライド式キーボードと、タッチスクリーンの下の専用ボタンだ。キーボードは、G1の最大のセールスポイントのひとつかもしれない。とにかく、文字をタイプするときにはボタンがあったほうがいいと誰もが思う。でも実際には、このキーボードは邪魔者なんだ。

それまでCrackberry中毒だったぼくがこんなことを言うとは、自分でも意外だ。しかしタッチスクリーンでタイプすることに慣れると、小さなキーボードをタイプするよりずっと楽で速いんだ。慣れるまでやや時間はかかるが、一度慣れると、もう本物の…ちっちゃな…キーボードを使いたいとは思わない。

iPhoneに洗脳されたのかもしれないが、タッチスクリーン上のキーボードはすごく使いやすいよ。個々のキーがまず大きいし、しかも指がキーに近づくとさらに大きくなる。指に打鍵感が伝わらないのは淋しいが、でもキーを押したときのクリック音で十分満足できる。それに、スペル(綴り)の予測機能があるので、ほとんどのミスタイプを防いでくれる。

G1ではキーボードを使いたいときいつでも使えるわけではなく、スクリーンを上に上げてその下のキーボードを出さなければならない。キーのレイアウトもちょっと独特だから、慣れる必要がある。ちょっと見るとふつうのQWERTYキーボードのようだが、[Shift]キーがあるべきところに”menu”ボタンがある。[Shift]キーはその下だ。また、クェスチョンマークやドル記号などの記号文字を入力するためには、[Shift]キーではなく[Alt]キーを使う。しかし長年の習慣から、[Shift]キーを押すつもりで”menu”ボタンを押してしまうことがとても多い。

で、頑張ってメールをタイプし終えたとしよう。でもキーボードを使ってそのメールを送ることはできない。まず”menu”ボタンを押す。そうすると”send”オプション(メール送信オプション)が画面に出る。つまりG1では、ユーザはハードウェア(キーボードやハードウェアボタン)とタッチスクリーン上のソフトウェア的な入力とのあいだを、行ったり来たりする。まごつくし、いらいらする。

同じいらいらが、キーボードを閉じているときにも起きる。Webをブラウズしている、メールを読んでいる、何かのアプリケーションで遊んでいる、タッチスクリーンだけですべてOKのそんな幸せな時でも、ちょっとしたトラブルが起きるとキーボード上の”menu”ボタンや、スクリーンの下の”back”ボタンを押さなければならない…またまた、ハードウェアが直接でしゃばってくる。それでもだめなら、同じくスクリーンの下にある”home”ボタンを押すと、Androidのモバイルデスクトップの画面に戻れる。

ぼくだけの好みかもしれないけど、タッチスクリーンを使っているときは、ずっとタッチスクリーンモードに居たいね。タッチスクリーンだけで、何もかもできるはずだ。すごいなーと思うのは、AndroidもiPhoneもどちらも、使っていると何もかも忘れて完全に没頭してしまうことだ。ハードウェア上のキーを探したり押したりする行為は、その快適な没頭の邪魔をして、ぼくを醜い現実に引き戻してしまう。やめてほしい。。

Androidのもう一つの欠点は、画面を横長にするためにはキーボードを出さなければならないこと。iPhoneでは、電話機を横にするだけで画面も横長になる。Webを閲覧していると、画面を横長にしたいことがときどきあるから、AndroidもiPhoneの真似をすべきだよ。とくにテキストは、横長画面のほうが読みやすいからね。Webを閲覧するためにわざわざ、使う必要のないキーボードを出すと、それは単なる邪魔者。Webを見るために何度もキーボードを出し入れしていると、だんだん自分があほに見えてくる。

でも、あの小さな回転ボールは好きだ。あれは、廃止しないでほしい。Pac-Manなんか、あれを使って遊ぶと最高だ。

そのほかの文句だらだら:ブラウザも、iPhoneのほうがやや良い。Androidは、長いテキストなら何でもかんでも長い々々カラムにしてしまう(えんえんと横スクロールしないと読めない)。画像も、iPhoneのほうがややシャープ。小さな文字を読んだり、ビデオを見るときには、違いがはっきり分かる。

AndroidがiPhoneよりも上手にできることがある。とくにGoogleのアプリケーションへの対応では、Androidがかなり上だ。たとえばGmail上の会話を、ちゃんとスレッドにまとめてくれる。iPhoneの上では、なぜか、個々のメールはあくまでも個々のメールでしかない(来信と返信がスレッド化されない)。デフォルトでは、最大50通のメールしかダウンロードできない。Androidならその制限はない。Googleのデータのシンク(sync,同期化)、Gmailの‘連絡先(contacts)’の完全ダウンロード、それにGtalkなどは、Androidの上ですべて順調だ。

Android上のGoogle MapsにはStreet Viewの画像がある。コンパスとGPSを併用すると、電話機を手に持って動かすだけで、自分が今いる通りや、自分の目の前にある建物の画像を見れる。この機能にもっといろんなデータを加えたら、Tonchidotみたいに現実世界へのタグ付けができるのにね。

今のAndroidには、なし遂げたことよりも、これからいろいろできることのほうが、圧倒的に多い。しかも今は、世に出たばかりの時期だ。iPhoneを追い越してモバイルコンピューティングのデファクト標準のプラットホームになるためには、とくにユーザインタフェイスのギクシャクを完全に解消する必要がある。ユーザインタフェイスには、ユーザがひっかかる箇所が一つでもあってはいけない。機能満点で、かつ、日常的にまったく気にならない/意識しないものでなければならない。現状のAndroidではそれは夢だが、ただし近い将来に実現可能な夢だ。

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(翻訳:hiwa)