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ニュート・ギングリッチ元下院議長ら、SOX法の廃止を訴える

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調査によればLinkedInには金持が多い(しかしセールスマンがうるさい)

2002年7月30日に成立したSarbanes-Oxley Act〔SOX法〕は、無見識な政府の行動によって益は少なく、かえってきわめて有害な結果がもたらされた典型的な例だ。この法律の目的は、公開企業の会計規則を変えることによって、Enron、Tyco、Adelphia、Peregrine Systems、WorldComなどの破綻というスキャンダルを通じて明らかになった粉飾決算を防止することにあった。しかし、実際にもたらされた効果はアメリカ市場における株式の新規公開を事実上不可能にしただけだった。

元下院議長のニュート・ギングリッチ(Newt Gringrich)(私は去る5月にインタビューしている)とDavid Kralikは、SOX法の廃止を求めて声を上げ始めた。今日(米国時間11/5)のSan Francisco Chronicleの論説コラムで、ギングリッチらはSOX法の弊害を次のように説明している。

  • SOX法は、最近のBear Sterns、Lehman Brothers、American International Group (AIG)、Merrill Lynchなどの破綻を防止できず、その原因となった会計のずさんさを指摘することもできなかった。
  • 企業が株式公開(IPO)を果たすまでに、現在平均12年を要している。(SOX法の施行以前は平均5年だった)。その理由はSOX法の要求を満たすためのコスト、いわば隠れた税金が、年間$4.36M(436万ドル)にも達するためだ。(当初はSECが算定した遵法のためのコストは1社あたり年間平均$91,000(9万1000ドル)に過ぎなかった)。
  • 小規模な公開企業は、負担に耐えられず、公開の取りやめや企業合併を余儀なくされている。2006年に、Foley & Lardner LLP法律事務所が公開企業114社を対象にSOX法の影響を調査した。これによれば、21%の企業が公開を取りやめることを検討していた。10%は会社の売却を、8%は他社との合併を検討していた。
  • アメリカ企業はSOX法の負担を回避するために外国の証券取引所に上場している。2005年のロンドン証券取引所の調査によると、国際企業の38%がアメリカで株式を発行することを検討していた。このうち90%は、SOX法の要求する企業内部統制にかかる負担が過大なため、 ロンドン市場に上場することを有利と考えていることが明らかになっている。
  • ギングリッチらは、またSOX法の提案者の1人であるMichael Oxley下院議員が、「率直に言って、今だったら私はあのような形の法案を提出しなかっただろう。みんなローマ炎上も同様の大災厄だと感じている」と語ったことを引用している。

ところでなぜSan Francisco Chronicle紙に掲載されたのか? それはシリコンバレーが最大の被災地だからだ。

2008年の第2四半期にシリコンバレーではベンチャーキャピタルが投資した会社の新規上場が1件もなかった。こんな事態は1978年以来のことだ。第3四半期でもたった1件だけだった。SOX法はベンチャーキャピタルに甚大な影響を及ぼしている。実際、SOXが廃止されなければ、イノベーションの中心としてのシリコンバレーは衰退し、その座は次第に外国に奪われるようになるだろう。

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(翻訳:Namekawa, U)