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自分を押えられないMark Cuban、SECと公開対決へ

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SEC[証券取引委員会]にインサイダー取引等の犯罪で訴えられたとき、殆どの弁護士が、黙秘を通して法廷で戦うことが最善の行動であると助言するだろう。しかし、どうしても自分を押えられない人もいる。例えばMartha Stewartは、自身のインサイダー取引訴訟を、世論という法廷で戦おうと試みたが、良い結果は得られなかった。今度は、これも著名な億万長者、Mark CubanがSECの視野に入った。彼は、法律的な観点からは、言いたいことは裁判長の前で言うべきであることを知っているが、どうしても堪えることができなかった。Cubanはこの訴訟を自身のブログで戦い始めた。

というより、弁護士のメモをブログで公開することによって、弁護士たちに公開の場で戦わせているというべきかもしれない。昨日(米国時間11/17)Cubanは、SECの訴状に対する弁護士団からの反論を掲載した。内容はこうだ。

本件は、委員会で2年近く保留されていたものであり、利益にならず訴追裁量の大いなる乱用である。Cuban氏は、異議を申し立てること、および委員会の訴えが法執行局担当者の不当行為に影響されたものであることを明らかにする意向である。

Cubanは、次の1行からなる前書きを付した。

もっと言いたいことはあるが、ここまでにして、あとは司法手続きに任せるしかないだろう。

しかし今日、彼は諦めずに、弁護士からのメモを公開した。同氏を弁護する方針を示唆するものだ。

SECは、この訴訟の争点が、2人の人物の間で4年前になされた電話での会話にあると考えている。SECは、その会話の当事者間で一定の情報を秘密にする約束がなされたと主張している。われわれはMamma.com Inc.の前CEOで、Cuban氏が約束した相手であるとSECが主張するGuy Faureと面談した。談話の内容は法廷記者に書き起こしてもらった。情報を秘密にするという約束はされていなかった。

訴訟では、Cubanが2004年に、検索エンジン会社Mamma.comのCEOから、同社がCuban氏の持ち株を希釈することになる新株発行を行う計画であるという警告を受けた後、約60万株を売却した疑いがかけられている。CubanはMomma.comの役員でも執行役でもなかったが、それ自体は関係がない。SECの解釈によれば、インサイダー取引は、何人であれ、会社に関する公開されていない情報に基づいて株取引を行った場合に成立する。

Cubanのしたことそのもののようにみえる。しかし、もうひとつ適用されると思われる規則があり、「その者が情報を秘密にすることに同意した」場合に限りインサイダー取引になるという。Cubanの弁護士がMamma.comのCEOに宣誓の下で行った質問から判断すれば、そのような約束はなされていない可能性が高い。

SECは、Cubanが世慣れた投資家であり、インサーダー情報であることを知りながら取引を行って莫大な富をさらに増やし、他方では同じ株を保有していたあわれなノロマたちが被害にあったとして反撃に出るかもしれない。

法廷がどちらに判定を下すかには、まだ十分策略の余地がある。そして、もし法廷に行くことになれば、Cubanにとって有利なさらにことを複雑にする要素が一つ加わる。New York TimesのAndrwe Ross Sorkinが入手したEメールによると、この調査に関っていないあるSEC職員が、Cubanが陰謀説ドキュメンタリー「Loose Change」に出資し、これがブッシュ政権に批判的であったことから、同氏を「非国民」であると熱弁を振るったという。

Cubanの弁護団はこの訴訟を、ブッシュ政権終末間際の政治的動機によるCubanに対する報復であると主張するかもしれない。

というわけで、法廷に持ち込まれた場合、陪審員たちに差し出される選択肢は、欲深い億万長者 vs 復讐に燃える大統領ということになる。いずれにしても、Cubanは法廷には行きたくない。彼がカードを公衆の面前に曝し続ける限り、はったりでSECを下ろさせることができるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)