失敗アイデア:PDF文書への広告掲載はやはりうまくいかなかった

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PDFドキュメントにコンテキスト広告を直接埋め込めるようにするAdobeの実験は、うまくいかなかったようだ。このAdobe Labsプロジェクトは、ちょうど1年ほど前になる2007年11月に立ち上げられていた。

毎年数十億もPDFドキュメントが作成され、その中には広く流通するものもあり、広告媒体として魅力的に見えたのだろう。とくに既存印刷メディア発行者の制作するPDFについてうまくいきそうに見えたのだろう。AdobeはYahooと組んで、オンライン時にPDFを表示するとドキュメントに連動した広告が隣に表示される仕組みを作り上げた。まあ確かに発明は発明だ。

この仕組みを利用していた人への通知において、AdobeはPDF広告の失敗を現在の経済要因に求め、この仕組みを放棄して主力製品に注力していくと述べている。ただし言わせてもらえばアイデア自体が悪かったのだ。PDFファイルに広告を掲載する試みは、決してうまくいかないと考える。

まずドキュメント内の広告をクリックする人はほとんどいないだろう。行動として不自然だ。また、閲覧者が誰であるのかの情報を多少なりとも得ることのできるウェブサイトとは異なり、PDFは種々の機会に第三者に手渡され、ダウンロードされることになる。誰に渡ったのかを確認するうまい仕組みは存在せず、結局誰が広告をクリックしたのかを知ることもできない。ちなみにこのダウンロードで広まっていくことは動画広告でも問題となるもので、広告主はダウンロードされたファイルにバンドルされる広告よりも、ストリーミングで流される動画に組み込まれる広告の方が価値があると考えている。さらにPDFに掲載したコンテンツが非常に魅力的であり広告を掲載するに値すると考えるなら、コンテンツをウェブ化してしまった方がよっぽど良いということもある。

尚、これは個人的に感じている問題点だが、AdobeはPDFを通常のウェブページとして簡単に公開できるようにする代わりに、独自フォーマットを守り抜こうとし過ぎているように思われる。

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(翻訳:Maeda, H)