ソーシャルネットワークが子どもたちにとって「良い」理由

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brain-full以前、ある種冗談で「トーマス・フリードマンはシリコンバレーに来たことがあるのだろうか?」という記事を書いた。今回は、Greenfield女史はソーシャルネットワークを使ったことがあるのだろうかという件について書く。

Susan Greenfieldはオクスフォードのリンカーン・カレッジで遺伝子薬理学の教授を務め、英国王立科学研究所のディレクターでもある。その彼女がFacebook、BeboやTwitterを利用することで、子どもの心にひずみが生じると発表して英国内で話題になっている。

Susan Greenfieldの記事によれば、ソーシャルネットワークサイトは「全体的な文脈ならびに長期的な視野に欠ける。21世紀中盤になると幼児化して集中力の続かない、センセーショナリズムに犯された、共感する能力を欠いた、不安定な自我を持つ時代となるだろう」とのことだ。

私は心理学者でもなければ親でもない。まずは彼女の言うことを受け入れることから始めようと思う。つまりある種の認識論的観点からすれば、ソーシャルネットワークサイトが有害であることもあるのだろう。しかしソーシャルネットワークが「全体的な文脈ならびに長期的な視野に欠ける」ものとは思わない。彼女がどのような点について指摘しているのかは理解しているつもりだ。しかし使ってみることなく批判する他の人と同様、彼女はWeb 1.0時代のチャットルームの時代から、Web 2.0のソーシャルネットワーク時代への移り変わりを軽視している。Web 2.0時代に現れているのは本物のアイデンティティなのだ。

我々は今や、自分自身のものではない名前を使って、仮想の相手とコミュニケートするために「インターネットに繋ぐ」こともない。いや、「セカンドライフ」ではそういうこともあるかもしれない。しかしFacebookやTwitterは、実際のアイデンティティおよび人間関係の延長線上にあるものだ。それが理由でかくも受け入れられることになっているのだ。旧友との再会に喜びを感じ、気にはなるが毎日電話するような時間もない相手と繋がっていることができる。

Facebookを利用していると友人の誕生日を思い出させてくれる。それでより親密な友人関係を築くことができている。Geniを使って、以前は年に一度会うだけだった姪と繋がっていることができ、親族について思いを馳せることができる。Twitterのおかげで両親や義理の両親は私の生活上の出来事を知っていて、家に電話したときも「うーん、どうしたんだい?」などといった無駄なおしゃべりをせず本題に入ることができる。このように多くのケースで、ソーシャルネットワークが真の人間関係を永続的で意義のあるものとしてくれている。むしろより長期的な視野に立って、しばらく連絡も途絶えていた友人たちと関係を再構築することができるようになっている。

若い世代の脳が、「素早いアクションおよびそれに対する反応」の連続に耐えられないという点はSusan Greenfieldの言うことに理があるのだろう。しかしそれは何十年もの間、あらゆるテクノロジーやエンタテイメントに対して言われ続けてきたことではなかろうか。実際のところ私自身MTV世代で、次々に変わる画面や大音響で脳が歪んでしまったところがあるかもしれない(TechCrunchにコメントをくれる方に「それが理由ではなかろう」と言われそうだけれども)。すべてはトレードオフの関係にあるものだと思う。そしてここまでに示したようにウェブ界のコミュニケーションやエデュケーション、あるいはコラボレーションには否定的側面よりもプラスになる面の方がはるかに多いと思うのだ。それにTVやギターヒーローよりも遥かに益になるのは間違いないと思っている。

Susan Greenfieldの意見に賛同するところもある。ネットワークへの過度の依存が共感する能力を欠くという点だ。これはまさに今、ブログ界を巻き込んで議論になっていることにも繋がる話だ。自身の世界の中で誰もがパブリックな存在となり、嫌がらせやプライバシー侵害、ないし現実界のセレブたちが被ってきたような敵対者の存在に気を配らねばならなくなっている。わざわざTechCrunchにやってきて記事を読み、そして匿名の悪意をまき散らす人もいる。

こういう問題への対応についても、ソーシャルネットワークが進んでいく道が自ずと解決策を見いだすことになると、個人的には期待している。TwitterやFacebook等を通じてオンライン化されるソーシャルグラフが増えるに連れ、現実界におけるのと同様の社会的規範が導入されることになるのだろう。YouTubeの匿名コメントとTwitterのコメントを比較して見れば良い。誰かの投稿した写真や動画、ステータスメッセージに対するコメントは肯定的で親身なものだ。これはすなわちサイトに構築されるのが現実世界の人間関係に対応するものであり、現実世界の規範意識を引き継ぐものとなっているからだ。

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(翻訳:Maeda, H)