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レコード会社が最悪記録を更新, SeeqpodのAPIを使ったデベロッパを告訴

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オンライン広告:エバンジャリストさえも弱気に

ユーザが無料で曲をストリーミングできるサイトSeeqpodをレコード業界が憎んでいることは、誰もが知っている。昨年同社は、Warner Music Groupから訴えられた(判決はまだ出ていない)。そして今度は、EMIから告訴を食らった。でも今回の訴状はかなりどぎつい。Seeqpodの重役たちの実名を挙、さらに、SeeqpodのAPIをたまたま使ったRyan Sitというデベロッパの名前も挙げている。その部分を読んで怒り狂うデベロッパは、一人や二人ではないだろう。

Seeqpodの合法性は曖昧だ。同社の主張では、Seeqpodは曲を実際に保存してはいない、ただWeb上のいろんなサイトにある数え切れないほど沢山の音楽ファイルから曲をストリーミングしているだけだ。だから実質的にこのサイトは、強力な音楽検索エンジンみたいなものであり、それにたまたまメディアプレーヤーがくっついているだけだ。レコード業界は、それでも十分に違法だと主張し、今回のEMIの訴状は、少なくともときどきは、Seeqpodは実際にそれらの音楽ファイルの一部を自サイトから提供している(ホストしている)とさえ言っている(もしそれが事実と証明されたらSeeqpodにとっては大打撃だ)。いや、いずれにしてもSeeqpodの法的な立場は元々アヤシイのだから、こんな告訴をされても不思議ではない。

むしろ本当に意外でヤバイと思われるのは、Ryan Sitが彼の零細スタートアップFavtapeに関して訴えられていることだ。この、彼のワンマンスタートアップは、SeeqpodのAPIを使って音楽をストリーミングしている。Sitはほかにも、SwurlFavThumbsなどのサイトを作っている。つまり彼は、いろんな人気サイトのAPIを利用していろんなサイトを作ることが得意な、腕の立つデベロッパなのだ。

Favtapeではユーザが好きな曲のプレイリストを作り、それらの曲をSeeqpodのAPIを使ってストリーミングする。Favtape自身がそれらのファイルをホストすることはない。だからそれは、いわば、Seeqpodの良くできたフロントエンドだ。前にFavtapeについてぼくが書いた記事では、Seeqpodが訴えられたらこのサイトは事実上使えなくなると書いた。でもそのとき、Favtape自身が訴えられることは思い浮かばなかった。しかも、訴状中でデベロッパが名指しされるなんて!  そもそも、SeeqpodのAPIを使ってFavtapeと同じことをやってるサイトは山ほどある。なぜ、Favtapeだけが訴えられたのか? しかも、Seeqpod自身の法的立場が未確定である現状で、そのAPIのユーザの一人にすぎないFavtapeを有罪として訴えるのは、訴えのスジとして基本的におかしいよ。

もしもEMIが勝訴したら、デベロッパが違法が確定していないAPIを使っていても、そのAPIの作者が訴えられた場合には、デベロッパ本人も告訴されることがありえるという、奇妙な前例が作られたことになる。そうなったら、デベロッパたちは今後、少しでもアヤシイと思われるサービスを、すべて避けて通らなければならなくなる。イノベーションが窒息する。いや、もっと率直に言うと、今回のEMIの告訴は滑稽だ。

Michael Robertsonが書いたこの記事も読んでみよう。

[原文へ]

(翻訳:hiwa)