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ペイ・フォー・プレイがオンラインラジオにやってきた。これは悪いことなのか?

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新曲のプロモーションで「ペイ・フォー・プレイ」方式というと、概して顰蹙をかう。これは、レコード会社やアーティストがラジオ局に金を払って、自分の曲を高頻度で流してもらうもので、地上波ラジオ放送開始以来行われてきた慣習だ。1950年代には、あまりに行き過ぎたために、議会が介入したことさえあったが、姿を変えては現れ続けている。

今度はペイ・フォー・プレーがオンラインラジオに登場した。月間600万リスナーを誇る音楽ストリーミングサービスのJangoが、先週開始したJango Airplayというプログラムを通じて、レコード会社とアーティストに対して有料配信の販売を開始した。バンドは最低$30を払って、1000回Jangoで曲を流してもらえる。それぞれの楽曲には、AmazonまたはiTunesで購入するためのリンクが付いている。

地上波ラジオでのペイ・フォー・プレーの醜い歴史を踏まえると、これをウェブに持ち込むことの是非に対して人々が懐疑的になるのも無理はない。CNETのMatt Rosoffがこう総括する

これは、サービス全体を「ダメ」な空気で汚染するものだ。

Rosoffには、良いアーティストはプロモーションに金を払う必要がない、という思い込みがあるようにみえる。そうだろうか。何かしらのプロモーションなしにバンドがブレークすることはない。レコード会社が払うこともあるし、PandoraやMySpace MusicからiLike、imeemにいたるオンライン音楽サービスでみられるアルゴリズム的やソーシャルなプロモーションのこともある。

われわれが検索結果の有償広告を受け入れているなら、オンライン音楽の何が違うのか。本当の問題は、妥当性だ。有償配信によってJangoの視聴体験が向上すれば実験は成功だし、ダメならリスナーが逃げていくだけだ。

通常のラジオのペイ・フォー・プレイでは、同じ曲が全リスナーに無差別に放送されるのに対して、JangoのAirplayの曲は特定のステーションにターゲットされている。アーティスト自身が、どの曲と前後して自分を曲を流すかを選ぶことができる。Googleの広告主が、どのキーワードをきっかけに自社の広告が表示されるかを決められるのと同じだ。ヘビーメタルバンドが買うなら、Metallicaステーションの方がボブ・ディランのステーションよりいいだろう。肝心なのは、ファンになってくれる可能性の高いリスナーを見つけることだ。

ターゲティングの強化に加えて、Jangoには通常のラジオにはないフィードバックループがある。リスナーは、曲が2度とかからないようにブロックすることや、曲にプラスの評価を与えることができる。プラス評価を50回受けたAirplayの曲は、レギュラーローテーションに無料で組み込まれる。この仕組みで唯一問題だと思うのは、ドロップダウンボックスに、その曲が「新進アーティスト」のものであると書かれていて、広告であることが明記されていないことだ(これを参照)。

これは広告なのだから、そのとおり明示すべきだ。自分の曲の好みにターゲットされている限り、私にとってこの手のプロモーションは構わない。Jangoが今やっていのは、1人のリスナーがAirPlayの曲を聞く頻度は2時間に1回以下で、1日に同じ曲を2度以上聞くことはないというもの。20分毎に同じ自動車保険のコマーシャルがが鳴り響くのを聞かされるよりは、間違いなくこちらの方が良い。

ただしJangoは、プロモーション用のアルゴリズムをもう少し改善する必要がある。プラス評価を50回受けてレギュラーローテーションに入る前であっても、評価の高い曲はもっとかけるようにするか、プロモーション費用を安くすればいい。クリックされる回数の多い検索広告が、関連性が強いという理由で料金が安くなるのと同じように、ターゲット視聴者の心に響いた曲はもっと流されてしかるべきだ。

正しく作れば、音楽の有償プロモーションの居場所はある。純粋主義者がどう思おうとも。

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(翻訳:Nob Takahashi)