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巨大メディアのデジタル部門は死んだ

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巨大メディアとインターネットのロマンスは、市場と共に浮き沈みする。ウェブベンチャーに金が注ぎ込まれているのを見ると、同じことをしなければならないという脅迫にかられる。大ていはベンチャー部門にすぎない社内のデジタル部門を強化し、一獲千金を夢見た。今のような不況になると、彼らの注意は別のところへと揺れ動く。イノベーションを安く手に入れられるまさにその時に。

「M&Aは終った」、ある巨大メディア企業のデジタルメディアの長が私にそう語った。事業やテクノロジーの隙間を埋めるターゲットのはっきりした買収のいくつかを除いて、「何かを買おうとすれば間抜けに見える。価格はまだ下がり続けているならなおさら。」とも。

そしてたしかに価格は大きく下がった。例えば、CBS全体の時価総額は現在わずか$2.5B(25億ドル)だが、これは、同社のデジタル部門であるCBS Interactiveが過去2年間にCnet($1.8B[18億ドル])とLast.fm($280M[2億8000万ドル])現金で払った$2.1B(21億ドル)とあまり変わらないのだ(ほかにも小規模な買収をいくつも行っている)。2008年12月31日現在、CBSのバランスシートには、わずか$419M(4億1900万ドル)しか現金がない。

昨年5月にCnetを買ったとき、CBSの時価総額は$16.5B(165億ドル)だった。仮にCBSがCNETに株で支払っていたとすれば、その株は今わずか$273M(2億7300万ドル)の価値しかない。2年前CBSがLast.fmに払った額より少ない。

しかしメディア企業の中で最も派手な買収劇を演じたのはNews Corpだった。同社のデジタル部門であるFox Interactive Mediaは、運よくMySpaceを捕まえて、これがその後の買収の元手となった。今やFIMがこれ以上買収する様子はなく、その存在理由さえわからない。資産の大部分はNews Corpの他部門に統合されたか、売却された。広告ターゲティングの技術をいくらかと、うまくいっているらしい提携広告ネットワークがあるが、これも単独事業にするか、MySpaceに吸収することができる。

そしてそれが問題の本質だ。そもそもメディア企業に独立したデジタル部門が必要なのかどうかさえわからない。私が話したデジタルメディア責任者さえ、「別部門にするのはばかげている」と考えている。Disney、Viacom、NBC、News Corpの4社はいずれも売上げ$1B(10億ドル)に迫る勢いだ。しかし、この売上はさまざまな事業に分散していることが多い。そして、巨大ゆえに、メディア企業のデジタル部門は、テレビ、ラジオや印刷媒体をも含めた従来型ビジネスがもたらす何十億ドルという金額の前では未だに影が薄い。

そんな事業を率いる幹部たちには、対応すべき基本的問題が多すぎて、Facebook戦略をとったり、Twitterで自社映画を売り込むことを心配する余裕がない。前回巨大メディア企業がウェブから手を引いたのは、インターネット部門が低迷をもたらしたときだった。そしてあらゆるウェブ関連事業が厄介もの扱いされた。今や、経済全般の崩壊が、メディア産業全体にわたってあらゆる収益を痛めつけている。

メディア幹部たちは、自衛モードに入り始めた。彼らは、あらゆるメディア事業が最終的にデジタルになることを知っている。しかしたった今は、中核事業から注目も収益も奪っていくデジタル事業を推進することよりも、その中核事業を保護することの方を心配している。

だから、デジタル部門はM&Aモードから事業構築モードに移行する必要がある。しかし、使える金もなく注目されることもなければ、そんな部門の才能ある幹部たちも長くは留まっていないかもしれない。Mika Salmiは、Atom EntertainmentをViacomに売却し、MTV NetworkのGlobal Digital Mediaの長に就任したが、今はもういない。NBCは、昨年11月にデジタル部門長に逃げられた。そして、CBSのQuincy Smithのように、M&Aの経験を持つデジタルメディア幹部たちは、最近使えるお金があまりない。

その結果、メディア事業のデジタル部分を作るのは、他の事業を担当する守旧派の幹部たちということになる。いったい何人が理解しているのだろうか。

(写真提供:atomicjeep

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(翻訳:Nob Takahashi)