ソーシャルアプリケーションでマイクロペイメントを提供するSpare Change、本年の取扱予定額は$30M

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Facebookやその他のソーシャルネットワークにて、アプリケーションが得ることのできる広告収入はほぼ期待はずれなものとなり果てている。状況を受けてアプリケーション開発者は仮想グッズや追加機能の提供にマイクロペイメントサービスを利用し始めている。FacebookおよびMySpaceはともに独自の支払いサービスを準備中だとしており、iPhoneアプリケーション用の支払いシステムを持つAppleも一定の役割を果たしている(但しAppleには不備な点もあるようだ)。

大手サービスが支払いサービスの導入の計画で時間を空費しているうちに、小回りの利く小規模スタートアップが動きを見せ始めている。たとえばSpare Change PaymentsもマイクロペイメントのPaypalを目指して活動中だ。サービス提供開始後1年を経て、Facebook、MySpace、およびBebo内で700を超えるアプリケーションがマイクロペイメントの決済手段としてSpare Changeを利用している。Spare Changeは月間250万ドルを処理しており、年間に直せば3,000万ドルを取り扱うことになる。マイクロペイメントと親和性が高いのはゲームおよび仮想グッズを扱うアプリケーションだ。

100万以上の人が既にSpare Changeにアカウントを所有している。そして数十万の人が毎月アクティブにサービスを利用している。また小額決済にばかり使われているわけではない。昨年について見ると、250人がSpare Changeで1件1,000ドルを超える決済を行っている。

またSpare Changeでは新しいウィジェットを用意して、簡単に支払いが行えるよう工夫もしている。従来は支払い用ページにジャンプしなければいけなかったが、新ウィジェットではアプリケーション画面でポップアップ表示を行うようになった。支払い方法にはクレジットカード、Paypal、Spare Changeのクレジット、ないし携帯電話料金への合算から選択することができる。最低料金の2ドルでSpare Changeのクレジットを購入しておけば、一回のプレイあたり0.10ドル程度のアプリケーションの支払いにも使うことができる。またクレジットカードで利用する人にはPIN IDも提供しており、Spare Change対応アプリケーションで同じPINを使って決済することができる。iTunes Storeからアプリケーションをダウンロードしたことのある人には馴染みのある操作感となっている。PINを入力してアプリケーション画面に戻るという方式だ。現在190ヵ国からの利用をサポートしている。

新しいウィジェットを利用する最初のアプリケーションはFacebookで動作するMind Gamesになる。開発者は3行のコードを追加するだけで機能を実装することができる。新ウィジェットを採用したアプリケーションはMySpaceおよびBeboにもすぐに登場する予定だ。Spare Changeはソーシャルネットワークでの利用を前提に提供されている。カスタマーサポートは各ソーシャルネットワークのダイレクトメッセージ機能を用いて提供され、詐欺行為のリスク判定にはソーシャルグラフを活用する。たとえば特定個人の判定基準としては、何人がその利用者の友だちとして登録されているか等の情報も利用する。Spare Changeのシード資金はわずか50万ドル。共同設立者のうち2人(Mark RoseとSimon Ru)は以前Paypalに所属していた。

マイクロペイメントの仕組みとして、Spare Changeは独自のマイクロペイメント方式を提供しているPaypalよりはるかに安上がりとなる。Paypalは利用金額の5%と、12ドル以下の決済については0.05ドルの手数料を徴収するようになっている。但しこれはプレミアムアカウントについての話(通常の小額アカウントでの費用は2.9%+0.3ドルとなっている)。Spare Changeの方は各取引の8%を徴収する。CEOのLex Bayerは、Paypalもマイクロペイメントの仕組みを提供してはいるが、さほど重要なものとは考えていないようだと述べる。「PayPalはマイクロペイメントやデジタルグッズの支払い方法として適したものとは言えないと思います」と述べている。金額の大きな取引においてこそ、Paypalの取り分が大きくなるような仕組みとなっている。

Spare Changeにとっての問題は、Facebook、MySpace、およびAppleがマイクロペイメントシステムに乗り出してきたらどうなるかということだろう。それまでの間は目的を同じくする他のスタートアップとマイクロペイメント市場でのシェアを競うことになる。競合の動きとして、たとえばZuoraは最近Facebookで利用料徴収サービスを展開している。またMobilecashもモバイルペイメントへの参入を狙っている(但し、未だ手数料が高すぎる)。最初にサービスを確立した企業が「マイクロ」ならぬ利益を上げることになる。

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(翻訳:Maeda, H)