悪いことは何でもGoogleのせい: イギリス音楽業界の悪あがき

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1年前にイギリスのミュージシャンBilly Braggが、Beboは$850M(8億5000万ドル)の新規流動資産の一部をミュージシャンに払うべきだと文句を言った。彼の言い分はこうだった: “作品をBebo.comに送ったミュージシャンは、スタートアップ企業に投資した投資家と同じだ…その企業が大きな利益を獲得したら、彼らも当然分け前にあずかるべきだ。本誌は彼の感情的な発言を批判して、むしろミュージシャンがBeboがやってくれた無料のマーケティングに対して金を払うべきだと書いた。コメントが367通も寄せられたが、その半分はミュージシャンに味方していた。

その彼が今度はGoogleに文句を言っている。幸いにもブロガーたちはそれをたわごとと呼んでいるが、一般のジャーナリストたちは、自分たちのクビを心配してか、この愚劣な騒ぎをかつぎあげている。

先週BraggはGoogleをやり玉に上げて、音楽ビデオがYouTubeのイギリスのサイトで再生されたら指定のロイヤリティを払えと要求した(Googleは金を払う代わりにそれらのビデオを取り下げた)。彼の主張は馬鹿げている…Googleがもはや提供しないと決めたビデオの、再生とそれに対する支払いを強要しているのだから。

実際、このような物乞いは場違いだ:

拝啓。私たちミュージシャンは、インターネット上の音楽の利用の増大と、とくにYouTubeおよびその親会社Googleによる音楽の不公平な扱いを懸念しています。問題の核心は、非営利のライセンス付与団体であるPRS for Musicに支払うべき価額に関し、Googleが合意していないことにあります。イギリスの音楽ファンはGoogleの態度に困惑し怒っております。ソングライターであり作曲家である私たちも、この懸念を共有しております。音楽ファンは楽しみを拒絶され、クリエイターたちは収入を奪われ、不法音楽サイトがWebの異常化したトラフィックから利益を得ています。

Googleは、音楽ビデオの再生のたびに…どんなに小額でも…ロイヤリティを払うのならYouTubeを運用できないと言っています。2007年にイギリスの著作権裁定委員会は、オンラインサービスにおいても個々の再生ごとに最小限のロイヤリティを支払うべきであると決定しました。Googleはこれを無視し、音楽の価値を認めようとしません…しかもYouTubeのイギリスのサイトでは音楽の使用が大きく急増しています。ロイヤリティはプロのクリエイターの生きる糧であり、それは音楽業界が活性を維持するためにも保護されるべきです。私たちは、GoogleがYouTubeの上に音楽を復活させ、それに対し正当な価格を支払うものと信じております。

David Arnold、Jazzie B、Billy Bragg、Guy Chambers、Robin Gibb、Pete Waterman、Mike Chapman、Wayne Hector、Pam Sheyne、Debbie Wiseman

このずうずうしさには、あきれてしまう。ところがThe Guardian紙のHenry Porterがこれを踏み台に利用して、もっと一般的なGoogle批判を書いた。Googleは“道徳が通用しない危険分子”であり、“Googleの本質は自らは何も作り出していないパラサイトだ…”と言っている。

彼には分かっていないのかもしれないが、Googleはここでいじめに遭っている。同社は単純に利害得失を計算して、(PRS for Musicから)提示された条件は飲めない、飲んだら経営的に損失になる、と判断しただけだ。Googleにその条件を飲めと迫ることは、Googleに音楽産業を助成せよと言っているのと同じだ。儲けている会社だから、それぐらいの社会奉仕はしろと。

Porterの記事も馬鹿げているが、彼の生きる糧である新聞について書いている箇所だけまともだ。ただし、具体的な利害の衝突には触れていない。そのあと彼は、Googleの成功と新聞の失敗を対照しようとするがうまくいかず、終わりのほうでGoogleは“社会的義務を無視する反社会的な不良少年”だと言っている。その部分は、かろうじておもしろい。

ここで、はっきりさせておこう。PorterやBraggが求めているのはGoogleからの助成金だ。それは、利益を上げている会社に課せられる福祉目的税のようなもので、それを音楽業界は従来と同じような収益源にしたいのだ。でも、それはとうてい無理。こんなことでどんなにあがいても、今後の音楽業界がうまくいくためのビジネスモデルが、ここから築けるはずがない。音楽業界には、適応か死かの選択肢しかない。そして今彼らは、騒々しくて人迷惑な死を選びつつある。

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(翻訳:hiwa)