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Associated Press
A.P.

聞こえてくるあの泣き言は、新聞の死のあえぎ

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最近新聞業界から、ウェブがコンテンツを「盗んで」オレたちのビジネスをぶち壊している、という雑音が聞こえてくる。新聞記者たちは相も変わらず、インクに汚れた指でブログをさしては、「寄生虫」以外の何者でもないと言ってみたり、Googleに対しては、貴重な新聞記事の大型窃盗団を手伝い手引きしていると指摘する。ウォールストリート・ジャーナルをはじめとする一流(およびそうでもない)出版物のオーナーであるRupert Murdochが最近、業界はこれ以上Googleに「著作権の侵害」をさせてはならない、と警告した。そして昨日(米国時間4/6)、AP通信社はインターネットに対して全面戦争を宣告した

たしかに大規模な窃盗は行われている。それは新聞でも、TechCrunchでも、ウェブ上のあらゆる大型パブリッシャーでもあることだ。しかし勘違いしないでほしい。これは、今起きていることとは違う。殆どの場合、盗みを働いているのは数百万人のまともなブロガーではなく、Googleでもない。今起きているのは、新聞業界が昨年米国内だけで$7.5B(75億ドル)を失い、情報消費の新たな現実に適応する代わりに、誰か責める相手を探しているということだ。

彼らの泣き言の中でも最悪なのは、それが完全に偽善的であることだ。新聞社のトップが公にGoogleに文句をつける一方で、編集部ではブログを立ち上げ、技術部門は自社の記事がGoogle検索やGoogle Newsに間違いなく載るようにと、本に書いてあるあらゆるSEO技巧を使っている。Danny Sullivanがすばらしい暴言の中で指摘しているように、もし本気で自分たちの記事がGoogleに載らないようにしたいのなら、どの新聞社もコードを1行書くだけでよい。

技術部門の人間を呼んで、robots.txtファイルに次の行を書き加えさせる。

User-agent: *
Disallow: /

完了。これでGoogleから逃がれられる。その新聞社のあらゆるページが削除され、Googleがウォールストリート・ジャーナルを載せる心配は一切しなくてもよくなる。

でも、そうはしないだろう。トラフィックが欲しいし、さらにはAPのようになって、Googleを脅かして金を払わせたいと思うだろう。うまくいくかもしれない。あるいは、同じことをやろうとしたあのベルギーの新聞社たちのように、ひどくトラフィックが落ちるはめになるかもしれない。

このことはGoogleも今日指摘している。しかし、新聞業界はみんなと全く同じようにGoogleを標的にする。それは、Googleが一番金を持っていて、ウェブ上の情報や関心の大きな流れを作れるからだ。しかし、Sullivanも言うとおり、新聞業界がYahooに文句を言ったのを聞いたことがない。Yahoo NewsはGoogle Newsよりはるかに規模が大きいにもかかわらず。恐らくそれは、Yahooが米国内の新聞793紙の広告パートナーであり、トラフィックの流れを直接新聞社のウェブサイトに向けているからだろう。

新聞はトラフィックを欲しがっている。読者がGoogleやニュースアグリゲーターから見出しとほんの数行のテキストだけをすくい取っては、どこか別のところをクリックするのは何とも耐え難い。 Googleはニューススタンドだ。Digg、TechMeme、Reddit等々のニュースフィルターも同じだ。もし、新聞と新聞社のウェブサイトだけが「上質な」情報源であるなら、Sullivan曰く、自分たちでオンラインニューススタンドを作ればいい。Huluのニュース版だ。たぶん相互にリンクを貼ることもできるだろう。

そうなれば、いかに新聞が優れたオリジナル記事を書けるか(それができるのはごくわずかの人間で、殆どがコピーしあっているだけ)がわかるし、実際読者がどの程度気にかけているかもわかるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)