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広告ネットワークはコンテンツを盗まれた出版者に収入の一部を払うべきか? Fair Syndication Consortiumはそう考えている

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新聞社やそのほかの出版社の売上が落ち込むにつれて、彼らから同じ発言が繰り返されるようになった。それは、彼らのビジネスの破壊とコンテンツの大々的な窃盗行為の元凶であるGoogleやYahooを何とかしろ、という声だ。Associated Press(AP通信)などは、記事の見出しを借用しただけで文句を言ってくる。今日(米国時間4/21)は、ReutersやMagazine Publishers of America、Politicoなどが参加している出版社(者)のコンソーシアムが、APのそれに比べると慎重な考え方を表明したが、それもまた、間違いなく議論を呼ぶだろう。彼らのコンソーシアムはFair Syndication Consortiumと名付けられ、その発起人は、出版されたテキストや画像が再利用されている現場をWeb上に探すスタートアップ、Attributorだ。

Fair Syndication Consortiumの目的そのものは、きわめて正当だ。それは、急増するスプログ(splog,スパム的なブログ)や、ニュースサイトやブログなどのフィードの丸写しにすぎないようなサイト(出典クレジットやオリジナルへのリンクバックがないものが多い)に対する対策だ。そういうサイトは、何万、あるいは何十万もある。Fair Syndication Consortiumはこれらのサイトを一つ々々相手にするのではなく、これらのサイトに広告を提供している広告ネットワーク(主にDoubleClick、GoogleのAdSense、そしてYahoo)と交渉することを望んだ。出版社の作品が勝手に使われている記事やページに、これらの広告ネットワークが広告を載せた場合、広告ネットワークはその広告収入の一部を出版社に払うべきだとFair Syndication Consortiumは考えている。

ぼくは実は、1月にAP通信の本社で開かれた会議に招待された。その会議に集まったのは20社あまりの出版社(者)(多くが印刷媒体)で、議題はこのコンソーシアムの結成だった。TechCrunchは今回は参加していない。皮肉なことに、独自のもっと厳しいやり方でWeb上の侵略行為と戦いたいと考えているAP通信も、このコンソーシアムには参加しなかった(ただしAttributorは今でも使っているらしい)。しかし、Attributorが主催したその会議で映写された2枚のスライドは、当日そこにいた全員の心に、問題の本質を深く認識させたと思われる。

その一つは、複数の棒グラフで、会議に集まった人たちのコンテンツを単純に流用しているスプログのサイトが稼いでいる広告収入を示している(部分引用ではなく全文を流用しているサイトだ)。金額は、最低(有効CPMあたり25セント)でも$13M(1300万ドル)、最高(有効CPMあたり1ドル)で$51M(5100万ドル)というものだ(下のグラフ):

もう一つのスライドは、パイチャートのグラフで、そういう不正なサイトに広告をサーブしている広告ネットワークを示している(下のグラフ)。結局、問題のサイトのなんと94%もが、3つの広告ネットワークからの広告を掲載していることが分かった(DoubleClick(45%), Google AdSense(24%), Yahoo(24%))。

これら3つの広告ネットワークと話をつければ、問題の大半は解決するだろう。しかもこのやり方には前例がある。YouTubeのContent ID制度だ。これは広告収入をYouTubeとビデオの元々のオーナーであるメディア企業が分け合う。ただし今回の提議では、スプログ側へ行くはずだった金を取り上げて、その一部を自動配信料として出版者に与える。サイトのオーナの同意は取り付けない。

広告ネットワークは、問題のコンテンツが出版者のものであることをどうやって知るのか? Attributorがそれを調べて支払い要求の管理も行う。コンソーシアムにはどんな出版者でも参加できる。ブロガーでもよい(Attributorの無料バージョンFairShareを出版者が使ってみれば、自分のコンテンツがどれだけクレジットなしでコピーされているか、その実態を痛感できるだろう)。このやり方は確かに、何千通もの取り下げ警告を送るよりも良い方法だが、まだまだ問題は山積みだ。

AttributorがつかまえたTechCrunchのデータを見たことがあるが、たしかに、公正使用ではない不正使用をこのサービスはたくさんつかまえる。でも同時に、公正使用と思われるサイトもつかまえてしまう。たとえば、誰かの評論的な記事の中に、2〜3パラグラフの短い記事の全体が引用されている場合はどうか?(125語以内とか引用符で囲まれているのはOKなどの制限があればこの問題は起こらないが)。それに、広告ネットワークに支払い義務を課すことが、果たして本当に良い方法か? 多くの場合、クレジットとリンクがあればそれで十分だ。しかしFair Syndication Consortiumに広告ネットワークも参加して、保守的なやり方で著作権を保護していくなら、見方は変わってくる。そうなったら、本誌も参加すべきだろうか?

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(翻訳:hiwa)