AOLがオンラインの“ニュース雑誌”PoliticsDailyを創刊

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AOLがこのほど立ち上げた政治ニュースとブログのサイトPoliticsDaily.comは、古くさい政治ジャーナリズムの世界に新風を吹き込もうとしている。このサイトはニュースの速報性よりもむしろ、鋭い視点からの解説記事を売り物にし、長文の分析記事からブログ記事に至るまで、合衆国の政治状況に関するオリジナルなコンテンツを揃える。元New York Timesのワシントン担当Melinda Hennebergerを編集長に迎え、PoliticsDailyは古いメディアの詳細政治解説で長寿命なデジタル媒体を築こうとする。

PoliticsDailyの発案者はAOLの上級副社長のMartin Moeで、制作を担当するのはBill Wilson率いる新事業部MediaGlowだ。ここは、AOLとは別に、新しいコンテンツのブランドをいくつか作っている。たとえば最近は多様なトピック(話題)の目録サイトLove.comをロンチし、ほかにもAOL News、Engadget、TMZ.comなどを運営している。PoliticsDailyはAOL Newsのネットワークに属し、このネットワークはcomScoreのデータによると3月に2700万あまりのユニークビジターを獲得した。比較のために挙げると、New York Times Digitalは同じ3月にユニークビジター数が4600万近くだった。

PoliticsDailyは新旧のメディアからの、経験豊富な政治ジャーナリストたちによる、“夢のチーム”を編成している。たとえばUSA Todayの元コラムニストでSalonのワシントン支局長Walter Shapiro、USA Todayの国内政治担当でAssociated PressのコラムニストJill Lawrence、Reader’s Digestの元ワシントン支局長でNational JournalとBaltimore Sunのホワイトハウス担当Carl Cannon、ブロガーでChicago Sun-Timesのワシントン支局長Lynn Sweet、女性のための無党派WebサイトCitizen Jane PoliticsのファウンダPatricia Murphy、などなどの面々だ。

このサイトには、女性の目で政治を見る”Woman Up”、 ファーストレディーのMichelle Obamaを取り上げる”The Daily FLOTUS”、政治ニュースに関する学生向けのブログ “The Cram”など、複数のブログがある。

この前の大統領選や今の経済危機でもまさにそうだが、消費者はますます、政治ニュースをインターネット上で見るようになっている。PoliticsDailyは解説とニュースのメジャーなサイトになることを目指し、ニュースのアグリゲータ(aggregator)…いろんな他サイトからのニュースの寄せ集めサイト…にはならないという。オリジナルの長文解説記事やブログ記事がメインで、ニュース報道そのものはあまり重視しない。リアルタイムの短い速報ニュースは、The Politico、The New York Times、The Huffington Post、A.P.などの競合サイトに譲るのだろう。

政治ニュースの世界は、競争が激しい。とくに激しいのがオンライン(インターネット上)だ。PoliticsDailyが狙う詳細解説記事も、既存の大手メディア、たとえばNew York Times、The Washington Post、The Nation、The Atlantic、The Huffington Postなどなどが前から提供している。勝つためには記事のオリジナリティと信頼性が重要だ。また、ブログと速報ニュースと対話的メディアと詳細記事をすべて提供しているThe Politicoのようなサイトとの競合も覚悟しなければならない。New York TimesやWashington Postは印刷メディアが不調だが、Webサイト上の詳細な政治記事や解説記事は強力であり、マルチメディア、ブログ、長文の解説論評記事など、多面的な展開を見せている。

また、CNN.com、MSNBC.com、FoxNewsなど放送局系のWebサイトも、政治コンテンツに人気があり、とくにこれら3つは、11月の選挙期にトラフィック量で5位以内に入った。Moeは、PoliticsDailyの長文主体のオンライン雑誌はThe Politicoなどリアルタイム中心のニュースサイトとは違う土俵だと主張する。

PoliticsDailyとHuffington Postの違いはもっと明白だ、とMoeは断言する。Moeによれば、Huffington Postは基本的にコンテンツアグリゲータであり、左寄りであり、ブロガーに払う原稿料も低い。それに対しPoliticsDailyは100%オリジナルコンテンツであり、経験豊富な原稿料の高い職業ライターの作品だ。それに、リベラル、中道、保守派など、“多党的な”視野を入れる。またもちろん、AOLの財政的支援があるので、編集者も記者も全員が有給である。でも、完全な新顔のPoliticsDailyがオンラインのニュース雑誌をやって、AOLの姉妹子会社であるTime Inc.がやらないのはなぜ?

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(翻訳:hiwa)