Kindleはどこまで大きくなるのか

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kindle152昨日(米国時間5/6)Amazonが大画面のKindle DXを発売し、PDFリーダーを内蔵するとともに、教科書会社、新聞会社などと提携したことを発表した。今日のウォール街アナリストたちは、果たしてこのDXがAmazonの数字にどんな影響を与えるのか、それぞれの意見を戦わせている。Barclay CapitalのDoug Anmuthは、2012年にはDXのみで収益$800M(8億ドル)と総利益$100M(1億ドル)を上乗せできると予測している。小画面のKindle 2と合わせたその年の総収益は$3.7B(37億ドル)、利益$840M(8億4000万ドル)に上るだろうという。3年のうちに、Amazonの収益、利益いずれについてもKindleが10%以上を占めることになると同氏は考えている(ちなみに昨年のAmazonの収益は$19B[190億ドル]、総利益は$4.3B[43億ドル]だった)。

一方Citiのアナリスト、Mark MahaneyはKindleの2010年の売上を$1.2B(12億ドル)と予測しており、これは同年の総売上の4%を超える。来年の話だ。Mahaneyはそれ以上は言わなかったが、近いうちに「少々予測値を上げる」かもしれないと今朝のメモに書いている。なぜか。理由の一つは、AmazonのCEO Jeff Bezosが、急上昇するKindleの人気について興味をそそる内訳を語ったことにある。Kindle版の売上数が、同じ内容の印刷版書籍の35%に達したというのだ。2月には13%だった。

Mahaneyの推定によると、Kindleはすでに「北米の書籍総売上数の約10%」を占め、これは第1四半期に販売された全書籍3800万部のうち400万部にあたる。このKindle書籍400万部は、同四半期の収益$34M(3400万ドル)に相当すると考えられ(Kindle自身のデバイス売上は含んでいない)、Amazonの北米でのメディア収益の成長に2~3%上乗せする。さらにMahaneyは、35%という売上数が、Kindleを持っている人が月間2冊本を購入していることを示すと考えている。

もちろん、世間には活字中毒的な読書家がいるので、Kindleがアーリーアダプター(この場合はハイテク指向の読書好き)だけでなくもっと一般の人々に浸透してくれば、そこまで高い水準の売上が続くことはないだろう。しかしKindle DXは、広範な戦略を予感させる。教育市場を意識して作られており、重い教科書を持ち歩くのがいやな学生たちがKindle版を安く買えるようになる(話はそれるが、教科書を定期購読すると学期毎に全部の教科書を読むことができて、それ以降も読みたいときは章単位で買い取れるオプションがあれば面白いと思う)。

Kindle DXがシリーズの最終製品でないことは明らかだ。Amazonは、さまざまな読者を対象に、アップグレードや姉妹製品を次々と繰り出してくるだろう。ちなみにDXは雑誌や新聞を読むには最適とは言えない。写真やイラストのあるものはカラーで見たいに決まっている。しかし電子インクテクノロジーは その方向へ進んでいるし、ウェブ閲覧用タブレットや電子ブックリーダーに最適な大画面iPod Touchの可能性もある。

Amazonにはすでに、iPhone/iPod Touch用のKindleアプリがある。画面は小さいが、私はちょっとダサイKindleよりこっちが好きだ。iPhoneは肌身離さず持ち歩いているからというだけだが。本を読むならKindle DXよりはiPodタブレットの方がずっといい。だが実は、Amazonにとってはどちらでもよい。Kindleを売ることが目的ではないからだ。重要なのはデジタル書籍を売ることで、その方が紙の本よりもKindleを売るよりもずっと利幅が大きい。Amazonは同じようにAndroid(Androidノートが出るなら特に)やBlackberry、Palm、Windows MobileなどのKindleアプリを簡単に作ることができるし、そうすべきだろう。

Kindleはどこまで大きくなるのだろう。デバイスの話ではない、ソフトの方だ。どこまで大きくなれるかは、みんなが本を画面で読むのが苦にならなくなる速さ次第だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)