企業利用者獲得を意識して、Googleプロダクトから「ベータ」が消える?

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YouTubeには毎分ほとんど1日分のビデオがアップロードされている

ベータを名乗るのは格好良いことらしい。すごく格好良いことなので、Gmailは2004年4月に登場以来、ずっとベータを名乗り続けている。世界中に利用者が1億4600万人(2009年4月のComScoreデータ)いてもベータ版なのだ。しかしこれを馬鹿馬鹿しいと感じる人もいるらしい。

実はGoogleの中にも、この「ベータ」という呼び方を、少なくともいくつかのプロダクトから外せないものかと考える人がいるようだ。その意図は企業利用者への配慮だ。

2008年末時点で、Googleプロダクトのうち約半数がベータ版を名乗っている。ベータを名乗り続けるメリットとしては、トラブル時になんでもありのジョーカーとして活用できるということがある。何か問題が発生しても、ベータ版なので仕方がないじゃないかと言えるわけだ。

但しこういうやり方には問題もある。個人利用者は「ベータ版」と聞いてマニアっぽさや新しさを感じて喜んだりもする。しかし企業利用者の場合は、使っているプログラムがまだ「ベータ版」であることを少々生真面目に受け取ったりもする。ベータという言葉を「未完成である」という、本来の意味で受け取るわけだ。未完成品を使うことにはすなわちリスクが伴う。そしてもちろん企業内のIT担当者はリスクを好まない。確実なものを使いたいと考えているわけだ。したがってGoogleの言うベータが本来の意味でのベータでないことを知りつつも、それでもリスクを回避しようとする。何か問題が発生すると、ベータ版と知りつつ採用した彼らのせいになってしまうからだ。

Googleもその件を意識してリリース後数ヶ月にしてChromeからは「ベータ」を外した。OEMディベロッパーがPCにインストールして顧客に提供する場合、「ベータ」がついていては提供できなかったのだ。Marissa Mayerは、昨年12月にパリで行われたLe Webカンファレンスで、Googleの全般的な「ベータ」戦略と、それからとくにChromeのことを語っている。関連するビデオを貼り付けておこう。

Googleのベータ好きが一気になくなることはないだろう。しかし企業ユーザを意識して、いくつかのアプリケーションから近々ベータを外すことはあり得る話だ。ある人物によればGoogle内部でそのような話が進行中であるとのことで、TechCrunchでもその話を確認した。企業ユーザにMicrosoft Officeからの乗り換えも検討してもらうためには、Google Appsプロダクトからベータのロゴを外すことが必要だと強く主張するエグゼクティブもいるようだ。

Google Appsにおける5つの中心的サービスのうち4つは依然としてベータを名乗っている。すなわちGmail、Google Docs、Google Talk、およびGoogle Calendarだ。以前Jotと呼ばれていたGoogle Sitesだけが例外的存在だ。近々いくつかのプロダクトから「ベータ」が外れることになるだろう。注目しておいて頂きたい。

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(翻訳:Maeda, H)