新聞業界を救う法[第7巻]:リンクを禁止せよ

次の記事

[CG]生存中であることをリアルタイムでお知らせします:秋月パルス

新聞業界を救済すべく最近提案された数々の見当外れのもくろみ少額支払い!、やGoogleのせいだ!)の中でも、Richard Posner判事の提案には、まさしく開いた口がふさがらない。著作権付コンテンツへのリンクを禁止すべきだそうだ。

断わっておくが、PosnerはAP通信(この会社もリンクに関して妙な考えを持っている)の社員ではない。この人は(ふだん)現代で最も優れたリーガルマインドの持ち主である。Posnerはシカゴの米連邦控訴裁判所判事にして法学者であり、一時は最高裁判官候補とも目されていた。誰よりも物事を知っているベき人物である。しかし、新聞の将来に関する先週のブログ記事の中で、Posnerは新聞業界を救う唯一の方法として次のような結論を下した。

著作権法を拡大し、権利保有者に無許可で著作権付コンテンツをアクセスすることや、無許可で著作権付コンテンツにリンクしたり言い換えしたりすることを禁止すべきである・・・

もう一度書いておく。この人は、新聞記事をはじめとするあらゆる著作権付コンテンツに「著作権者の許可」なく「リンクを貼ること」を禁止したいと言っているのだ。Posner判事には申し訳ないが、あなたのブログ記事や新聞のオンライン記事にリンクを貼るのに、あなたの許可を必要としない。それがウェブのやり方だ。新聞はそれが嫌ならウェブに居てくれる必要はない。

Posnerが禁止したがっていることの大半は公共での会話である。バーや床屋で、その日のニュースについて話すのがOKなのに、どうしてオンラインだといけないのだろうか。われわれは、その日のニュースに関して、著作権法を侵す心配をせずにウェブで語ることができるべきだ。ウェブ何かを議論する自然なやり方が、ニュースソースを引用したりリンクしたりすることなのである(たぶんPosnerは例外。彼のブログ記事には殆どリンクがないようだ)。

Posnerは、言論の自由や公正使用権を尊重する立場には一切立っていない。言及すらしていない。しかし、まさしくこれが、彼の主張を本人の許可なく言い換えることを許している権利でり、おかげで私はこうして反対意見を書くことができている。Posnerは「タダ乗り」問題をもっと心配している。こうした一連の「吸血鬼」や「寄生虫」たちが記事を引用したりリンクしたりして、新聞の生命を吸い尽そうとしているというのだ。ブログも他のサイトも、新聞からコンテンツを取ってくるだけで、記事を集めるためのコストを一切負担していないとPosnerは主張する。

もちろん、そんな無差別的な主張は正しくない。今ではTechCrunchも含め、数多くのブログが独自にニュース収集を行い、イベントには自費でライターを派遣している。しかし、話をコピペ専門サイトに限ったとしても、タダ乗り説はあまり筋が通らない。何らかの価値を返しているなら、それはタダ乗りではない。リンクは、それ自体に価値があるのだ。

いったいPosner判事は、どこから新聞サイトの読者が来ていると思っているのだろうか。殆どがリンクであり、直接トラフィックではない。リンクが外されれば、多くの新聞がオンライン読者の大部分を失うことになる。

それだけではない。著作権を拡張してリンクを非合法化することによって、ウェブ全体の機能が損われてしまう。こうした議論の中では、いつも新聞がウェブの中心として位置づけられ、ニュースと関係のない何百万というサイトのことは完全に無視されている。しかし、法改訂によってリンクを非合法化すれば、もっと広範囲にわたって予想外の結果を招くことになる。これがよからぬ考えであることを私が説明しなくちゃならないこと自体信じられない。

Jay Rosenに感謝!)

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)