速報―MicrosoftとYahooの検索提携の主な内容

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yahoo_microsoftYahooとMicrosoftの検索提携は、両社のプレスリリースChoiceValueInnovation.comというサイトよって公式に確認された。ここではとりあえず提携の主要な内容をチェックし、簡単な論評を加えたいと思う。

予想どおり、MicrosoftがYahoo Searchの検索実行を引き受ける代りに、Yahoo!は世界でYahoo!とMicrosoftの独占広告代理店となることとなった。

MicrosoftとYahooのポジションを考えれば、この提携がオンライン検索・広告界にきわめて大きな影響を与えることになるのは明らかだ。もちろん、この提携をビジネスとして軌道に乗せるには、何年とはいわないまでも何か月もかかるだろう。プラスの面として、YahooのCEO、Carol Bartzがプレスリリースで述べたとおり、広告主も広告掲載者も2つのプラットフォームが統合されたことによるスケールメリットを得るだろう。実際、圧倒的に優位なライバル、Googleと両社が戦う上で、スケールの拡大こそが今回の提携の核心になると思う。

もちろん、今朝の公式声明では、両社とも(Yahooのブログ記事のリンクを除いて)Googleと名指しはしていない。しかし「検索シェアの70%を占めている」ライバルといえば、Google以外にあるはずもない。われわれはGoogleのシェアはおそらく65%だと見ているが、多少の数字のズレはGoogleが検索市場で圧倒的なシェアを握っていると同時に、検索広告の売上シェアではおそらくそれだという事実を変えるものではない。Microsoftとしては、Googleからこの市場のシェアを奪う―それも相当のシェアでなければならない―ことがなんとしても必要だ。

Microsoftは検索テクノロジーでGoogleと対抗できることをBingリリースによって実証した。Bingは実際に 一般ユーザーが利用し始めているし、その評判は非常に良い。MicrosoftはBingのプロモーションに大金をつぎ込む計画だし、Microsoftならそれができることは疑いない。さらに両社は「この提携によって両社のテクノロジー面での交流が進み、さらなるイノベーションが期待できる」としている。私もさまざまな側面でそういった技術革新が実現することを心から期待するものだ。しかし、それによっ本当にGoogleに打撃を与えられるほどの検索広告シェアを獲得できるかはなんともいえない。

一方、事前にニュースやブログ記事で予測されていなかったのは、提携が10年間ときわめて長期間にわたることだ。10年といえば、インターネット業界では「永遠」と同義といってもよい。Microsoftは今後10年間にわたってYahoo Searchテクノロジーについて、あらゆる細部にわたって独占的にアクセスできる権利を得た。要するにYahoo Searchが蓄積してきた検索テクノロジーのノウハウを完全に独占することができたわけで、これはBing検索エンジンの改良に大きな力となるだろう。逆にBingがYahooが利用する検索連動広告の唯一のエンジンとなることに決まった。これらを総合すると、Yahooは検索マーケットできわめて大きな譲歩をしたといってよいだろう。

Yaoo!は全世界で両社のための有料検索連動広告の代理店を独占的に勤めることになった。ただし両社ともセルフサービス広告システムはMicrosoftのAdCenterプラットフォームが利用される。広告料金は引き続きAdCenterの自動オークション・アルゴリズムによって決定される。一言でいえば、オンライン広告の世界はGoogle AdWords対Microsoft AdCenter、Google AdSense対Microsoft PubCenterという2大勢力に分割されたといってよい。他に主要なプレイヤーは存在しなくなった。広告関係者は胆に銘じておくべきだろう。

MicrosoftはYahooが所有し、運営するサイトからの検索トラフィックに関して、契約開始から5年間にわたり、検索広告売上の88%を分配する。また、この提携が有効となる国において、当初18か月にわたってMicrosoftはYahooに対して検索件数に比例する収入を保証する。これは巨額に上るはずだ。しかしMicrosoftはGoogleのコアビジネスに打撃を与えるためならいかに金がかかろうと実行する覚悟のようだ。この18ヵ月、ないし5年間が終了した後の契約内容についてははっきり分からない。あと、Yahoo!が既存の検索アフィリエイト提携に関してはそのまま続行するとしているのが注目すべき点だろう。

規制当局による承認が得られ次第、今後24か月を目途として、Yahooは提携の内容を完全に実行する体制を築きたいとしている。当局の承認は2010年前半にクリアできることを希望している。両社は、現在の売上高と経費の額から推計して$500M(5億ドル)の一般会計原則による営業収入と設備投資の効率化による$200M(2億ドル)の節約が見込まれるとしている。またYahoo!では、この提携によって、年間キャッシュフローが$275M(2億7500万ドル)程度改善することを期待している。これが実現すれば、株主にとっては何よりのうれしいニュースとなるだろう。

YahooとMicrosoftは、すでに、規制当局の調査や一般からの批判を避けるために、両社でのデータ共有は検索プラットフォームの改良のために必要」な最小限に抑える、また共有したデータの使用も厳しく制限すると声明している。

さて読者はどうご覧になるだろう? MicrosoftとYahooにとってウィン・ウィンの提携といってよいのか?ユーザーにとっては? Googleにとって脅威になるのか? 規制当局の見解は?