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MySpace、Facebookのトップ音楽アプリiLikeを買収―Facebookに痛打

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MySpaceのiLike買収の詳細が明らかになるにつれて、さまざまな意見が出始めた。私の見方を簡単に述べておこう。

Facebookへの影響は?

これがもっとも興味深い側面だろう。iLikeはFacebookでいちばん人気のある音楽アプリであり、事実上Facebookの公式音楽アプリといってもよい。それがもうすぐFacebookの主要ライバルであるMySpaceの子会社になる。これでFacebookを苦しい立場に追い込まれる。放っておけばiLikeは依然Facebookの音楽シーンを支配し続けるだろう。そしてその親会社がMySpaceということになるのも不愉快なはずだ。しかしFacebookがiLikeを禁止すればプラットフォームのオープン性への信頼は一気に失墜する―iLikeが禁止された理由は親会社がMySpaceだからだということがあまりに明白だからだ。もちろんじわじわと追い出すという手はある。Facebookには気に入らないアプリに混乱を引き起こすような巧妙な手がいくらでもあるだろう。この点については今後要注目だ。

しかし、いったいなぜFacebookはiLikeを買収しなかったのか疑問が残る。MySpaceが申し出た$20M(2千万ドル)と同額かわずかに上回るくらいの金でiLikeは買収に応じたはずだ。そうなっていればFacebookは現に置かれているような不利な状況に陥らずにすんだ。

もし私がMySpaceの経営陣なら、MySpace Musicの無料音楽ストリーミングをできるかぎり早くiLikeのFacebookアプリに導入する努力をするだろう。広告主も喜ぶはずだ。

一方、この買収劇はFacebookのトップ・アプ・メーカーがどれほど価値があるかを実証する機会にもなった。iLikeのトラフィックのほとんどはFacebookから来ている。実際に活動中のユーザーは月間1千万、Facebookアプリのインストール数は3100万(iLikeの全登録ユーザーは5千万)だ。MySpaceはこれらを含めてiLikeの価値を2千万ドルと評価した。しかしこの金額はFacebookがiLikeアプリを―表立ってであれ、密かにであれ―妨害する危険性を考慮に入れたものだと思う。この危険がなければ、iLikeの価値は2、3倍になっていたはずだ。

なぜMySpace MusicでなくMySpace本体が買収を行ったのか?

われわれの聞いたところでは理由は2つあるという。第1に、レコード・レーベルとのジョイント・ベンチャーである MySpace Musicの経営状態は思わしくない。レコード会社への巨額のロイヤリティーの支払いに圧迫されて、今年に入って少なくとも$20M(2千万ドル)の赤字を出しているという。またGoogleとの広告掲載契約が来年終了するため、MySpace Musicの財務状態は大幅に悪化する見通し。MySpaceとしてはMySpace Musicという沈みかけた泥船に貴重な資産を載せるようなことをしたくないのだろう。これに加えて、MySpaceMusicがiLikeを買収するとすれば、パートナーであるレコード・レーベル各社の承認ないし黙認を取り付ける必要があったはずだ。

しかし、われわれの情報源によると、理由はもう一つある。MySpaceは将来iLikeを音楽以外の分野でも利用したいらしい。iLikeはアーティストがユーザーに情報を提供し、ユーザーにあーティストを推薦するためのプラットフォーム構築している。この双方向の会話機能を音楽以外のビデオやゲームといったコンテンツに拡張する計画だという。MySpaceがiLikeのテクノロジーをアーティストのページ以外にも広く利用していく計画なら、MySpaceMusicでなk自ら買収にあたったこともうなずける。

MySpaceはiLikeを通じてレーベルからの音楽ダウンロード契約も得た

iLikeは先週、楽曲のダウンロード販売を開始している。MySpace Musicはすでにレーベルからストリーミング再生の権利を得ているが、ダウンロード販売についてまだだった。MySpace MusicのダウンロードはAmazonに委託している。MySpaceはiLikeを通じてダウンロード販売を直接行うことを検討していると思う。あるいはすでにそう決定しているかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01