SonyとGoogleがオープン電子ブックでKindleに対抗

次の記事

PalmがGoogle Voiceを熱望、しかしGoogleの気持ちはわからない

後発にとって、オープン性を尊重することは、常に正しい戦略である。AmazonのKindleに対抗して、Sonyが電子ブックでやっていることが、まさにそれだ。Kindle成功のカギは、世界最大の書店と組んでいることだ。殆どの人は、自分のアカウントがある店で電子ブックを買うに違いない。

Sonyは、この優位性と戦うために、オープン性を高め、勢力圏内に他の大型プレーヤーを引き込もうとしている。この戦いにおける最大の同志がGoogleで、クローズドな業界をオープン技術で攻撃するのが、この会社のやり方だ。今日(米国時間8/26)Googleは、100万冊以上のパブリックドメイン書籍を、オープンなePubフォーマットで 公開する。そしてこのePubは、Sonyのオープン戦略の根幹でもある。

昨日、ニューヨーク公立図書館で行われたSonyの最新電子ブックリーダーの発表会で、同社のEブック責任者であるSteve Haberが力説した、「みなさんが欲しいのは、ユビキタスな体験。オープン、オープン、オープン」。まるで[Microsoftの]Steve Ballmerが「デベロッパー、デベロッマー、デベロッパー」と唱えたように、呪文を繰り返した。違うのは声が少し小さかったことだが、それは図書館の中だったからだ。

繰り返しになるが、Sonyのオープン戦略のカギは、電子ブックのオープンフォーマットの一つであるePubフォーマットの採用を公約したことだ。このフォーマットを採用した結果、Sonyは昨日、Sony電子ブックリーダーのユーザーは、ニューヨーク公立図書館を皮切りに、図書館所蔵のデジタル書籍を21日間「貸出」できるようになると発表した。さらに、書店チェーンは、ePubフォーマットであれば、Sonyのデジタル書店を通すことなく、独自にデジタル書籍を販売できる。

ePubのようなオープンフォーマットを使えば、誰でも電子ブックの販売や配布ができる。Sonyから買う必要はない。結局Sonyが売りたいのは本ではなくリーダー。Amazonの戦略は正反対だ。紙の本離れが起きた時に備えて、できるだけ多くの電子書籍を売りたがっている。Amazon KindleはePubをサポートしていない。KindleはAmazonブックストアと結び付いている。Barnes and Nobleなどの書店で買った電子ブックがKindleで読めても、Jeff Bezosを喜ばせることはできない。

Amazonが電子ブック市場のリーダーでいる限りは、自社のクローズドなフォーマットにこだわり続けるだろう。Appleが長年iPodとDRM付AAC音楽フォーマットでやってきたことと同じだ。しかし、最終的にはオープンが勝ち、AppleもiTunesの楽曲からDRMを外した。KindleとAmazonでも同じことは起きるのだろうが、それは、Sony、Google他全世界の書店が束になっても追いつかれないほどのセーフティーリードがあるとAmazonが感じた時だろう。

一方でAmazonは、別のオープン十字軍に参加した。こちらはアンチGoogleである。AmazonがメンバーになったOpenbookallianceは、出版社、Microsoft、他Googleの書籍検索和解案に反対する人たちによるグループだ。企業がいかに都合のいい時にだけオープンになるかを見るのは実に面白い。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)