Steve JobsはeBookについて本当は何と言ったのか
Appleの水曜日(米国時間9/9)のイベントのあとのインタビューで、Steve JobsがThe New York TimesのDavid Pogueに言ったことが、大きな反響を呼んでいる。要するにほとんどの人が、JobsはeBookリーダーに関して、Appleはその市場に参入しないと言ったと解釈しているのだが、しかしそれは早とちりだ。
なぜそう言えるのか? 実はPogueは、インタビューの記事を書く前に、その生(なま)の書き起こしを投稿していたからだ。それは今でもGoogleのキャッシュにある。以下は、その一部だ:
Q: eリーダーに関する考えは、変わりましたか?
A: いつの時代にも、何かの専用機は必ずあるし、たった一つのことしかできないことには、それなりの利点もある。でも、専用機をわざわざ買う人は今時少ないと思うから、汎用機が勝つだろう。AmazonがKindleの売れ行きを公表しないことに、きみは気づいているかね。ふつう、何かがたくさん売れていたら、それを公表したくなるものだよね。
現時点で、マーケットはあまり大きくないとわれわれは見ている。そして将来は、ますます汎用機の時代になるだろう。
Amazonなんかが、ハードウェアビジネスに真剣に取り組むとは思えないのだ。ぼくがAmazonの経営者だったら、倉庫を持たなくてもいいような売り方をしたいね。UPS〔日本ならさしずめ‘クロネコヤマト’〕が要らない売り方だね。
以上を翻訳するとこうなる: わが社は今タブレット機を作っている。eBookはその機能の一部になる。
Jobsは、AppleはeBookに関心がないとは言っていない。Appleは専用機としてのeBookリーダーには関心がない、と言っているのだ。そして、それは当然だ。専用機はしばらくは存在するだろうが、それがほかのデバイスの機能として含まれてしまうと考えないのは馬鹿げている。携帯デバイスは一つあれば十分、二つも三つもぶら下げて歩きたい人はいない。それがAppleの考え方だ。
基本的に今回は、JobsのeBookリーダーに対する考えを、eBookそのものに対する考えと誤解した人が多かったのだ。eBookはApp Storeでも大きな部分を占めているから、Appleがそのサポートを拡大しないはずがない。いや実際に、サポートを強化しつつあるのだ。ただしそれは専用のリーダーではなく、タブレット型コンピュータとして実現する。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))