TC50:5to1は、売れない広告枠をパブリッシャーに制御させる
残り物、別名売り残り広告は、広く知られている用語ではないが、コンテンツを探してウェブをブラウズする標準的な人であれば、正確な意味がわかるはずだ。お気に入りのニュースサイトを見ていて、どうみてもパブリッシャー(サイト運営者)のブランドからかけ離れた広告や、(意図的でないにせよ)見ているコンテンツと不幸な隣り合わせになった広告を見せられた人は、売れなかった広告枠を埋めるためだけに載せられた広告の「犠牲者」である。これが売れ残り広告の行き着く先だ。
5to1は、元Fox Interactive幹部のJim HeckmanとRoss Levinsohnをはじめとする大物設立チームのいるスタートアップで、$4.5M(450万ドル)のシード資金を得て、売れ残り広告をプレミアム広告に変えるソリューションに取り組んでいる。同社は、今日(米国時間9/14)TechCrunch50にて、ステルスモードを脱して、パブリッシャーと広告主両方にとって著しく非効率で、基本的に儲かるのは広告ネットワークだけ、という広告キャンペーンから逃がれるためのサービスを開始する。
5to1のシステムを使うと、パブリッシャーは売れ残りネットワークと広告インベントリーの間に入って、いつ、どこのサイトに何が出現するかを制御できるようになる。同社のファウンダー兼CEOのJim Heckmanはこれを、「Match.comが広告用iTunesと出会ったようなもの」と称しているか、それは、パブリッシャーが広告ユニットの「プレイリスト」のようなものを動的に作り、通常の広告と埋め草広告を、自分のサイトのいろいろな位置に簡単に掲載することができるからだ。
最終ゴールは、コンテンツパブリッシャーが、あまり手間をかけずに、売れ残り広告枠に載った広告の質やそこから得る収益を高めることだ。もし軌道に乗れば、たとえ拳銃を突きつけられてもクリックしたくない、あのひどい絶叫広告を見る機会もかなり減ることだろう。
エキスパートパネルのQ&A:
Q – Marissa Mayer:最適化が可能であることはわかるが、どんなテクノロジーを使ってコンテンツと広告をマッチさせているのか。また、大量の枠を持つ大型ネットワーク向けにはどうやって提供するのか。
A – Jim Heckman:これまで約1年ステルスモードでやってきて、パブリッシャーが広告とコンテキストのマッチングや、、そのコントロールに興味を持っていることがわかった。われわれにはGoogleモデルと競争する気はなくて、むしろiTunesaに似ている。好きなときに広告を「プレイ」する。Web 2.0がコンテンツに対してやったことと変わりはない。だから、ガゼットに関するブログを持っている人なら、ガジェットニュースサイトでうまくいきそうな広告がわかるだろう。アルゴリズムによるものではなく、むしろマーケットプレイスに似ている。
Q – Roelof Botha:CPMがよくなっている証拠があるか?
A: われわれが広告を検索する速さは非常に速く、システム内に何十万件もの広告があっても、数秒で見つかる。広告をローテーションの中でドラッグアンドドロップできる。パブリッシャーと話したところによると、CPMが変わらなくても、コンテンツを損うことのない美しい広告だというだけでも満足していた。しかし、半年後にまた話を聞きにきてほしい。
Q – Tony Hsieh:パブリッシャーがこのシステムを使うには時間がかかるか、スケールはどの程度か。
A: ベータテストで、広告ユニットや売れ残り広告枠の管理にはあまり時間がかからなところを、パブリッシャーに見せたところ、一緒にやりたいと言っていた。このシステムの速さに動かされたようだ。注目すべきは、ネットワーク全体から、ある一つの広告のコンテキストを出すのに数秒しかかからなかった。
Q – Paul Graham: 人間がやるより最適化されるのか。
A:ページは動的なもの。わかったことは、殆どすべての広告にコンテキストがないことで、これは改善できる。
Q – Marc Andreessen:さっきのグラフで、どちら側に寄っているのか。
A:広告枠は全部同じではないが、強いていえば真ん中あたり。
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(翻訳:Nob Takahashi)