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2009年第3四半期、TechCrunchビジネス・トレンド・レポートを発表―ベンチャー資金17.5%アップ、M&Aますます回復中

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今年第2四半期について、CrunchBaseに報告された今年の資金調達とM&Aのデータを分析した結果、われわれは「テクノロジー業界には明るさが戻ってきた」と慎重ながら楽観的な見方を示した。第2四半期のトレンド自体、第1四半期に比べて決して悪くなかった。ベンチャーキャピタルからの資金供給は20%アップ、M&Aは横ばい(ただしOracleのSun Microsystems買収を除く)だった。

さらに1四半期が経過した現在、テクノロジー業界の健康は順調に回復中であることを示すデータがさらに得られた。新しいスタートアップの数、ベンチャーキャピタルの資金供給、M&A件数、すべてが上昇傾向にある。こうした数字に加えて、多様な分野で新しい製品、新しいサービスが多数登場している。提供者には大企業もスタートアップも含まれている。レイオフ・トラッカーDeadpoolに入る企業の数も落ち着いてきた。要約すれば、われわれは以前よりも着実で地に足のついたテクノロジー市場の勃興を目前にしていると言えるだろう。

戦略的M&Aが復調―第2四半期レベルの3倍

第3四半期でもっとも注目すべきトレンドはM&A活動の復調だ。企業買収活動は2009年第3四半期に入って完全に復活した。231件、総額$45B(450億ドル)という数字は第2四半期の$15B(150億ドル)を3倍も上回る。これは2008年第2四半期の275件、$59B(590億ドル)に迫る水準だ。

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この復調の原因は? 昨年、大手のネット、メディア企業は研究開発予算の大幅削減を余儀なくされた。しかしこの業界で生き残るためには成長を続けねばならない。一方で、経済危機の余波で、ベンチャー投資が低下し、スタートアップの出口〔現金化〕も狭くなった。このため企業価値評価が下がり、大手企業にとっては蓄えたキャッシュの使い道として値ごろ感が出てきたのだと思われる。また買収対象の企業は、コスト削減などの努力によって経済危機を乗り切り、さらに成長できることを実証していた。これもまた買収を検討していた大手企業にとっては魅力的だったはずだ。

さらに重要な点は、買収された企業が買収した企業のビジネス戦略において重要な役割を担っていることだ。(Amazon-ZapposFacebook-FriendfeedGoogle-On2Yahoo!-XoopitVMWare-SpringsourceRIM-Torch MobileIntuit-Mint、等々)。一部の大手企業は繰り返し戦略的企業買収を行っている。(AdobeEMCIBMThomson ReutersYahoo!Google、等々)。またM&Aの件数は各分野(エンドユーザー向けウェブ事業、通販、広告、エンタープライズ、エコ技術、等々)にわたって平均して増加している。

また今期のM&Aの内容は流行に流されない、着実なものとなっている。たとえば、評判が高くなったひとつのスタートアップに多数の企業が先物買いを狙って一斉に殺到する、というような形は影をひそめた。今期の買収先は個々の企業の戦略的必要性に基づいて適切に選ばれたものが多い。価格も合理性が高まっており、買収手続きもスピーディーになっている。多くの例では、買収側企業は、買収候補企業が有名になり競争相手が出てきて評価額が吊り上がる前に、いわば先制攻撃をかけて、きわめて早期の段階で買収に踏み切っている。

第3四半期のベンチャー投資額は17.5%アップ

今期、ベンチャー投資は前期の$6.5B(65億ドル)から17.5%アップして$7.7B(77億ドル)となった。今期の数字は2008年第3四半期と同水準に回復している。最近のピークは2008年第2四半期Q2で、859件、$8.5B(85億ドル)を記録している。最近の底は2009年第1四半期の609件、$5.5B(55億ドル)。

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ベンチャー資金については、供給総額が増加したのと同時に、ラウンドの件数も対前期比11.4%のアップとなった。件数も前年同期の水準にほぼ回復している。

第3四半期のスタートアップ創立、25%増加

CrunchBaseによると、今期985社のスタートアップが創立されたと推定される。対前期比で25%のアップだ。CrunchBaseに今期登録された数としては241社だが、これは各スタートアップによる自主登録なので時間的な遅れが出る。前期登録の191社とその後の推移を元に、今期の実数を推計した。ただし、この増加のいく分かは、季節的要因にもとづくものかもしれない。秋にはTechCrunch50を始め大規模なカンファレンスが開催され、多数のスタートアップがこれを機にローンチしている。

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「TechCrunch Trendレポート第3四半期」の全文(40ページのレポートと30種類のExcelによる統計表、59種類のPDFグラフィックスを含む)はこちらからダウンロードできる。料金は$295。

第3四半期のレポートには、今期もっとも活発に活動したベンチャーキャピタル、トップ25社のリストが加えられている。ラウンドごとの内訳も掲載されている。資金調達先を検討している読者には参考になるはず。

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一方、CrunchBaseではオープンAPIを提供している。こちらを利用してCrunchBaseのデータを抽出することもできる。利用は無料だ。CrunchBaseはテクノロジー系ビジネスのオープン情報源として最大のデータベースの一つだ。2万4500社のテクノロジー企業(8700件の資金調達、2300件の買収案件を含む)、4万人の業界関係者、3200社の金融関連企業の情報が掲載されている。

ところで、われわれの新しいブログ、TechCrunch Trendsをご覧いただきたい。その名のとおり、テクノロジー分野の最新トレンドを紹介するブログだ。 CrunchBaseの豊富な最新情報が活用されている。CrunchBaseの担当者、Daniel Levine始め、TechCrunchのスタッフ・ライター陣が随時クールなトレンドを発掘して紹介していく予定だ。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01