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ビートルズはMonoに帰り, FriendFeed/Facebookはストリームスプライシングで新たに生まれ変わる

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筆者: Steve Gillmor(TechCrunch IT編集長)
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この前の週末の、とあるパーティーで、Facebookの人に会った。会話はオフレコにしたいとそのキレる男は言った。というか、そのパーティーは、まるまるオフレコのようなやつだった。そこでわしは、あんたの言ってることはとっくに知ってたことばかりだと言い張ってオフレコを無視し、今後Facebookに何が起きるか話してやろう、これは立派にオンレコだ、と彼に言ってやった。これがいつものわしの流儀で、自分が話したくも書きたくもないこと、たとえばOfficeの次のバージョンなんかなら、そういうのにかぎってのみ、NDA(non disclosure agreement, 非公開合意)をOKしてやるのだ。

というわけで、何が起きるかではなくて何が起きてほしいかなら、確信をもってでっち上げを話せるわけだし、しかも同時に、拒否することも遅くすることもできない未来の現実を、それらしく描いて見せられるのだ。そこで、そのFacebookのやつに言ってやった: FriendFeedを消化吸収してEveryone News Feedをオープンするまでかかっていい時間は、3か月が限度だぞ。そしてもしもそれが本当なら(とまたまたでっち上げ)、今すぐ、長くとも2週間以内に、何がどうなるのかを世間に発表しなきゃあかん。それからわしは家に帰って、MG Sieglerの記事と、ScobleのFriendFeedに対する逆上のリメイク版を読んだ。

というわけでわしはこの2週間オフだった。オフ明けには、FriendFeedの死をめぐる騒動はすでに旧聞と化し、その証拠にFriendFeedのチームも沈黙を決め込んでいる。つまり、FriendFeedはもちろん死んではいないし、むしろ今後の数週間でFacebookをリメイクするためには何をすべきかを彼らは語らなければならない。実はそれはむしろTwitterからのメッセージであり、そのListやReTweetや、Trackの、そう、来年早くもの復帰がだ、Facebookにだ、強力なメッセージを告げているというわけだ。本当はあわててFriendFeedを買う必要はなかった。Listをくすねて典拠ストリーム(authority stream, オーソリティストリーム)に織り込むなんて、サードパーティのデベロッパにやらせればいいことだったはず。

Sieglerは、FriendFeed付きのFacebookについて否定的な見方をしている。FriendFeedのイノチであったイノベーションの火が消えてしまう、と。FriendFeedが買収までに間に合わせることができなかった技術は、ストリームのスプライシング(splicing,異なる複数のストリーム片を1本のストリームへとつなぎ合わせること, ストリームのつぎはぎ細工)だ。複数のリストを織り交ぜて、1本のオーソリティストリームにまとめることだ。Twitterは、もうすぐそれをやるだろうか? 答えはノーだ。だから、FriendFeedの停滞の特効薬は、ストリームスプライシングが…誰によって?…可能になるまでは、どんぴしゃでまさにTwitterなのだ。今のところは、それはFriendFeed APIの活用という形になるだろう。しかしSieglerとScoblerが正しいなら、それは死んでるAPIの再利用にもなりかねない。

ここで、FriendFeedは死んだ説が瓦解する。Facebookさんはたしかに、5000万ドル、おっと1500万ドルと誰かさんの株ね、を払ったばかりです。それは、FriendFeedの才能を買う買い物だった。今や、才能がすべてだからね。Bret Taylor(FriendFeedの協同ファウンダの一人)がプラットホームのAPI担当、Paul Buchheitが何か(彼はそれを喋らないが)の担当だ。だからTaylorならストリームスプライシングを、FriendFeedとは関係なく–Facebookのために–作れる。Gmail出身のBuchheitについては、どう考えたらいいか…(後述)。

しかし、FriendFeedの時計が止まったとき、連中は何をしていたのか。APIを整理していただけでなく、ルームやグループなどのアーキテクチャも練り直していた。そこには、Imaginary Friendという素晴らしい概念も織り込まれた。それは、個々のストリームを捕捉して個人的〜グループ的なコミュニケーションを正規化する方法だ。一方、RSSもそのリーダーも死につつあり、代わってThreadsyやBrizzlyといった若い苗木が育ってきた。GoogleではGoogle Waveの勃興とともに、この変化動向に乗ろうとする連中がきっと現れるだろう…さしづめそれは、Gmailのチームからか? 〔訳注: この記事の筆者Gillmorは、今後も主役はGmail、Waveは脇役、という見方に立っている。〕

ここで、いやでもビートルズの比喩が出てくる: ここ数週間わしは、Beatles Mono Mixesに酔いつぶれていた。とりわけ、Rubber SoulからRevolver、それから飛んでWhite AlbumとそのオマケPart Ⅱ(Abbey Roadと呼ぶやつもいる)あたりじゃ。このわずか2年間で、連中はかわいいモップ頭の坊やたちから4人の個人へと変身し、計理士たちとの会議…契約交渉…を避けるための歌(Something)を書き、チベットの歌とテープ逆回しをミックスするという先駆的前衛アーチストにもなった(Tomorrow Never Knows)。その、まるで彼らの全生涯とも思われる時間の中で、彼ら自身がミックスしたMonoには、明確な目的意識と必然性が感じられる。ビートルズの公式伝記なんて、甘すぎて、おめでたすぎて、話にならない。

実質的には、彼らはWhite AlbumのAPIとアーキテクチャの未完成部分を、Abbey Roadで仕上げたと言える。Revolverのリアルタイム性とNorwegian Woodの裏切り劇をそこに注ぎ込み、会社をEMIに売って、そのとき、すでに解散していたグループの新譜を約束した。このMono Mixを聴きながらロックバンドとしてのビートルズの脱構築を楽しむとき、短い2年間で彼らの錬金術がものすごく複雑微妙になったことが分かる。しかもそれによって彼らは、歴史に永遠に名を残す世界の文化遺産に変貌したのだ。最近David Crosby(The Byrds; Crosby, Stills & Nash)がCrosby, Stills & Nashでのプロジェクトについて語っていたが、それによると、好きな曲のカバーをやるとき、ビートルズだけは、練習のときにオリジナルを聴くとやる気がなくなるそうだ。

これがまさに、Facebookが買ったもの、いや投資したものだ。FriendFeedは、ビートルズと並び、リアルタイムの技術者、戦略家、そして探求者たちのグループだ。しかもFriendFeedの場合、そのベストの作品はまだまだこれからだ。リアルタイムという開発課題は、どこもかしこも、方向性を間違えてばかりいたことを、みんな忘れている。Waveは、つい昨日まで、存在しない問題への無規律なソリューション、と馬鹿にされていたではないか。このいわゆる出口に向かっての殺到に火をつけることの、どこがそんなに怖いのか? FriendFeedの魅力的な機能には、まだ確実な代替がないというのに、なぜ怖がる必要がある? この突進のヒステリー、あてどない叫び、これから何年も何年も続くべきだった愛。ビートルズ、おっと、FriendFeed。

それともこれは、FriendFeedとFacebookや、TwitterとGoogleのあいだの、健康的な遺産争いか。最初は会話のフローで、それはTwitterの悲しいハックだろう。Facebookでは、Everyoneのニュースストリームを早く(3か月以内に)出すこと。Twitter/Everyoneの双方向ストリーミングシンク付きだ。APIを使うから、Webサイトはどうでもいい。データタイプでフィルタリングする粒度ツールも完備、RSSハブからの配布も保証。フィルタリングを十分に使いこなすためには、Facebookはストリームスプライシングへの投資を急ぐ必要がある。それに運良くTwitterのListが、Twitterにそんなツールがまだない間にそれを自力で構築する能力を与えてくれる。

第二に、最初のテークダウンのあとで余裕があれば、メールとFacebookのデータをスプライシングして、メールへのインテリジェントなプッシュへと組み上げ、フィルタしたストリームデータをモバイルに流す。そしてTwitterのいないところで、TwitterのフォローとListのソーシャルグラフをオープンなディレクトリ(ユーザ名簿)として利用する。Googleは同じことをGmailでやるが、バックアップ役をWaveが担う(Waveが前面/主役にはならない)。誰がやるにせよ、ここではBuchheit…FriendFeedの協同ファウンダである以前にGmailの作者…の役が重要だ。また、Twitterのダイレクトメッセージへのロックのニーズが、Facebookのシンクに利用される。Facebookの従来のシンクの計画は、FriendFeedを収監しただけでは生き延びられなかった。

ヨーコがビートルズを分裂させたのではない。ビートルズを分裂させたのはビートルズだ。FriendFeedが死んだのではない。むしろFriendFeedは、今まさにスタートしようとしている。そして、主役のウォーラスはポール(Paul McCartney → Paul Buchheit)だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))