AmazonがMySQLデータベースのホスティング(クラウドサービス)を開始
AmazonはAWSの一連のサービスの一環として、関係データベースホスティングサービスAmazon RDSを立ち上げた。このサービスはMySQLのインスタンスを提供し、ユーザはこのDBの全機能を利用でき、アクセス権等も通常のローカルな使用時と同じになる。インスタンスの作成は容易で、ほとんど瞬時に可利用になる。料金は最小構成の場合で1時間11セント(下表参照)、今すぐにでもAWSのサイトで利用できる。
完全なスケーラビリティをもつDBホスティングサービスは、大規模なクラスタを共有環境へと抽象化して顧客に提供するが、Amazonのやり方は要求に応じて顧客自身が段階的にサービスの大きさを選ぶ。各段階の名前は、まるでファストフード店のハンバーガー(等)のサイズの表記そっくりだが、メニューは次のようになっている:
名前 | メモリ | コンピュータ | 料金 1時間当たり |
Small DB Instance | 1.7 GB | 1 ECU | $0.11 USD |
Large DB Instance | 7.5 GB | 4 ECUs | $0.44 USD |
Extra Large DB Instance | 15 GB | 8 ECUs | $0.88 USD |
Double Extra Large DB Instance | 34 GB | 13 ECUs | $1.55 USD |
Quadruple Extra Large DB Instance | 68 GB | 26 ECUs | $3.10 USD |
このほかに、ストレージは別料金で、Gb/月あたり10セントだ。あらかじめ量を指定し、使用量がオーバーしても自動増は行われない。さらにリクエスト処理も別料金で、100万リクエストあたり10セントだ。
指定したストレージの量と同量のバックアップスペースが無料で提供される。使い方は完全バックアップでもスナップショットでもそれはユーザ次第だ。バックアップスペースの追加料金は月額15セント/Gb。データ転送は通常のAWSの料金で、AWSのサービス間なら無料だ。DBがAWSにあって、Webサーバはどこか別のホスティングサービスの上にある場合は、もちろん両者間のデータ転送は有料だ。
AWSは多様なサービスを提供しているから、RDBMSのフルホスティングもあって当然のようなサービスだ。AWSに前からあるSimpleDBサービスは、[キー:値]というペアデータの集まりを保存してくれる。
RDSのことを初めて聞いたときの印象は、MySQL付きのEC2のインスタンスを定義済み構成済みの形で提供するのかな、と思った。それならDBのインスタンスを作って始動するタスクが簡単になるが、リソースの割り当てが要求に応じて自動的に伸縮するスケーラビリティは期待できない。ただしそのために、サードパーティのAWS/EC2付加価値サービスを利用する手はある。たとえばFathomは、AWSとEC2を使ってDBの作成と管理をやってくれる。
このサービスでは、ユーザのアプリケーションがリソースの要求量を認識し、適切なAPI呼び出しにより、「ふつう」から「ダブル」へ、あるいは「ビッグマック」へと、利用するサービスの大きさをタイミング良く切り換えていく必要がある。AWSのそのほかのサービスと同じくRDSも、デベロッパが使うための構築部材をいろいろ提供している。
アップデート: AmazonはAWSのブログで、このサービスを公式に発表している。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))