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Mintのファウンダー:IntuitのVPに就任して曰く、6~9ヵ月で「Quicken Onlineは終息させる」

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昨日(米国時間11/2)Intuitは、以前発表した$170M(1億7000万ドル)での個人用財務管理サービスMintの買収を完了し、Mintのファウンダー兼CEO、Aaron Patzerが、Intuitの個人財務管理グループの新VP兼ゼネラルマネージャーに就任した。同氏は、Mint.comだけでなく、Quickenのオンライン版とデスクトップ版〈両方の〉責任者になる。彼の最初の業務命令は果たして何だろうか。今日、本人に聞いてきた。

「今後6~9ヵ月のうちに、オンライン版Quickenを終息させて、顧客のデータはMintに移行します」と彼は語った。わずか数ヵ月前、Quicken Onlineチームは、Mintの将来を疑問視していた。今やPatzerは彼らの新しいボスだ。

これは復讐ではなく賢明な事業展開である。Intuitにとって個人ユーザー向けの財務サービスは2つも必要なく、Mintを買収したのは勝てないと思ったからだ。両者を統合するのは当然の行動だ(どちらも、個人ユーザーの資金や支出、銀行口座、ローン、クレジットカードその他の金融口座の管理を手助けするサービス)。

Quicken Onlineには約150万人の登録ユーザーがいるが、月間でアクティブなのは10万人程度にすぎない。一方Mintは、ほぼ同数(170万人)の登録ユーザー数で毎月70万人近いアクティブユーザーがいる。「自分にはQuicken Onlineは役に立たない、と思っている人たちを再発掘することが、当社にとって最大のチャンスなのです」とPatzerは語る。(TechCrunch40で優勝してからの2年間、どうやってMintを築き上げてきたかについての彼の記録も読まれたい)。

Quicken Onlineのユーザー以外に、彼が残しておきたいと思うものはあるのだろうか。Patzerは、MintにないQuicken Onlineの機能で、欲しいものは一つしか思い浮かばないと言う。現金でのやり取りの入力と、まだ落とされていない小切手の記録を手動で行う機能だそうだ。

Intuitが彼をオンラインサービスだけでなく、Quickenのデスクトップ製品も担当させたという事実は、この会社が将来どう進んで行こうと考えているかについて、多くのことを語っている。会社の成長がオンライン製品で支えられていることは明らかだ。そして今後Intuitは、Quickensのデスクトップ版に加えてTurboTaxユーザーに対してもMintのクロスセル(抱き合わせ販売)が可能になる。しかし、ユーザーの中には、こと家計に関してはデスクトップアプリの安心感を好む人が必ずいる。このためPatzerは、Mintの情報の一部を、Google GearsやAdobe Air、Microsoft Silverlightなどを使ってローカルに保存することを検討し始めている。

TurboTaxに関わりが出来ることは、単に新しいメンバーを増やす以上の機会を生むものだ。TurboTaxユーザーが節税のためにIRA(米国税局)にサインアップしたり、申告でわからないことがあったりした時、Mintは複数の競合する金融機関の中から最良の料金や提案をユーザーに提示して、新規顧客を見つけてやったことに対する高額な報酬を手にすることができる。

Patzerには他にもMintとTurbotaxを組み合わせるアイディアがあるという。「私がやりたいと思っているのは、株取引きや、医療費や経費等としてMintに登録したものすべてを集めて、控除を申請すべきかどうか調べることです。ユーザーのForm 1099申告書類と控除データがわかれば、確定申告作業の半分が終ります。申告にかかる時間を20分以下に減らすことができますよ」。

次のステップは、借金返済や学費の貯蓄、家や車の購入、家のリフォーム、大旅行計画など、一生の大きな目標に関するファイナンシャル・プラニングに関わっていくことだ。彼はMintに、個人が下すあらゆる金銭的決断の際の中心になってほしいと考えている。

彼がMintをIntuitに売却した時、独力でやっていかないことについて罵られたこともあったが、Intuitに行った方がずっと早くビジネスを大きくできるから、判断は間違っていないという確信がPatzerにはあった。Patzerはオンラインだけでなく、モバイル、デスクトップアプリ、海外アプリも追求したかった(財務分野でこれを38人のスタートアップが行うのは困難だ)。Mintにはすでに35万回以上ダウンロードされた人気のiPhoneアプリがあり、現在Androidアプリに取りかかっているところだ。

しかし、Patzerが売却した最大の理由は、IntuitならMintがより早くスケール対応するのを手助けしてくれるからだ。Mintの価値は、このサービスが追跡記録する個人財務データにあるので、アクティブユーザーが500万人の方が、100万人以下よりもはるかに価値が高くなる。500万、1000万と伸ばしていけるかどうかが勝負だ。そして、いくらMintが若いウェブ馴れしたユーザーに人気があるとは言っても、自分の一生の財産を預けるには信用できないという人たちもいる。すでに年間2500万人の人たちが、税金に関してIntuitを信用しているが、その半分はオンラインユーザーだ。これは個人が人に渡す最も大切な財務データだといえる。もし税金に関してIntuitを信用できるのなら、それまで躊躇していた人たちにとっても、ずっと簡単にMintに足を踏み入れられるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)