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続・本誌モバイル担当ライターの比較試用体験記: iPhone 3GS vs. Motorola Droid

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インボックスが悲鳴を上げている。先週の「本誌モバイル担当ライターの比較試用体験記: iPhone 3GS vs. Motorola Droid(iPhone 3GS vs Motorola Droid Smartphone Showdown)」には、ほとんど掲載の直後から、メール、電話、TwitterのDMなど、ぼくのあらゆるコミュニケーション窓口に大量のコメントや質問が怒濤のように押し寄せた。メールなんか、とても全部読める量ではない。そのすべてに共通していると思われるのは、たった一つのこと: 「もっと知りたい」だ。…わかったよ。

重要な話題なのに、前回は触れられなかったものもある。また、掲載後に気づいたことの中にも、書くべきだったと思われるものがある。それらのために、この続編を書いていこう。

まずお断りを: 今回の話題は、すべてがみんなにとって重要というものではない。一部はとても重要だが、そのほかは枝葉末節のたぐいだ。この続編を読む前に、ぜひ先日の第一回を読んでいただきたい。そこでは、ルックス、キーボード、ブラウザ、ユーザインタフェイスなど重要な話題の多くを扱っている。また…これをもっと先に言うべきだったと思うが…、質問があれば記事のコメントを活用していただきたい。コメントも、量が多いとざっとしか読めないと思うが、おもしろい質問にはぜひお答えしたい。

前書き: 取り上げる話題は前回と違っても、全体的な結論は変わらない。それをすこし敷衍して言うなら: iPhoneもDroidもそれぞれ独自にすばらしい。どちらも、優れている点がとても多いから、一方的に勝者を決めることは不可能だ。どちらを気に入るかは、人それぞれだとぼくは思う。

というわけで、では始めよう。

画面(続)–太陽光への耐性:

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前回も言ったように、Droidの画面はぼくがこれまでに見た合衆国のスマートフォン どれよりも優れている(iPhoneよりも)。iPhoneの3.5インチ480×320に不満を言う人はほとんどいないが、Droidの3.7インチ854×480は、陳腐な言い方になるが、「美そのもの」だ。

でも、全然だめな部分が一つある。それは直射日光だ。これはiPhoneでも同じ。どちらも直射日光の下ではバックライトがどんなにがんばっても完全にブランクになってしまう。真冬にキャスパーのお尻のように日焼けしたいとは思わないから、ぼくにとっては大した問題ではないが、逆に常夏のリゾートで冬を過ごしたい人は、スマートフォンは日陰で使うべし。

勝者: なし。

着信音の音量:

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ぼくはいつもズボンのポケットにケータイを入れて、着信はもっぱら震動で知るようにしている。ぼくの耳は度重なるコンサートの大音量で鈍感になってるからだ。でも、この前の記事を読んだ女性のかたの多くは、バッグやバックパックにケータイを入れるらしい。だから彼女らにとっては、震動よりもケータイの歌唱力が問題になるのだ。

しかし率直に言って、こいつを科学的にテストする方法をぼくは知らない。ガジェット関連のブログをいろいろ見ても、それを知ってる人は見あたらない。そこで、たいへん非科学的な方法で申し訳ないが、各機から5フィートの位置にマイクを置き、デフォルトの着信音をAudacityで録音して、そのときの音量を比較した。またバックパックに入れて肉眼、じゃなかった肉耳で聞き分けるテストもやってみた。

勝者: どちらのテストでもDroid。そのデフォルトの着信音のピーク時音量はiPhoneのどの着信音より30%以上は大きいし、音量の違いはバックパックからの音でも識別できた。

カメラ:

前回は撮影枚数が少なすぎたので、カメラの比較はパスした。しかしその後大量に撮った結果の結論を言うと、Droidは良くって平均的、悪ければ最悪だ。

以下、左がDroid、iPhone 3GSが右だ:


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Droidの最大の問題は、オートフォーカスの不調だ。ピントがシャープに合うのは最初の半秒間、その直後にはぼける、という経験を数え切れないほど何度もした。その不具合が起きる間隔は、長かったり短かったりいろいろだ。要するに、使い物にならない。ソフトの更新で直るかもしれないから、希望がないことはないが。

〔訳注: オートフォーカスのトラブルについてはこの記事を。この記事の英語原文のコメントも、おもしろい。〕

Droidがカメラ部門でiPhoneより優れているのはフラッシュだが、それも多くの人の期待に沿うものではない。バーで酔っぱらって撮った写真ぐらいにはなるが、LEDのフラッシュが作り出すヴィネット効果(周辺光量の低下)は、何を撮ってもひどいものだ。

Android 2.0のカメラのユーザインタフェイスは、iPhonesよりごたごたしているが、設定項目は多い(フラッシュの設定、ホワイトバランス、色彩効果などなど)。それらがすべて引き出しのようなものの中に入っているのだが、その引き出しの…滑りが悪い。プロのコツ: スライドせずにつつくとよい(ややよい)。

勝者: iPhone。ただし大きな違いはフォーカス機能のみ。

ビデオの品質:

以下は、両機をお互いに相手のレンズを妨害しないぎりぎりまでくっつけて撮った同じビデオだ:

Droid:



iPhone:



電話機としてはどうか?:

この問題は、次のように、いくつかの項目に分けて比較する必要がある:

  • 電話の音質: これに関する質問が意外なほど多かった。つまり、この電話機は電話機として使えるかを知りたいのだ。単純に答えよう: DroidとVerizonネットワークとの組み合わせは、電話で通話をするということに関してほぼ理想的なクォリティだ。イヤホンもスピーカーも、最大音量でひずみがない。

    音質の比較には、何人かの人に協力してもらった。Droidの来信の音質はどんな場合にもiPhoneよりも明確に良いので、テストの仕方を間違えているのではないかと思ったぐらいだ。場所を変えてiPhoneを3GSから3Gに変えてみたが、結果は同じだ。Droidの来信の音質は、ひたすら良い。

    発信の音質は、今回の経験では違いがはっきりしない。テスト協力者の中には、同じ電話機でコールバックをしていると思った人もいる。混雑している喫茶店という、ほどほどにうるさい環境では(建築現場ほどではない)、5人のうち4人がDroidが良いと感じた。しかしもっとふつうの環境では、違いを感じたのは一人だけだった。

    勝者: Droid。来信の音質ではiPhoneに完全に勝っている。

  • ビジュアルボイスメール: 本誌は電話機の機能としての従来のボイスメール(留守電)が大嫌いの大々々嫌いなので、ビジュアルボイスメールは歓迎だ。iPhoneは標準装備だがDroidにはない。Verizonに毎月2ドル99セント払うとできるが、それはとんでもないナンセンスだから、無料のGoogle Voiceを使えばよい。この件に関してはTechCrunchの同僚たちと徹夜で議論すべきかもしれないが、なにしろぼくの意見ではGoogle Voiceは理想解ではない。それは次善の策としては優れているが、ベストの策ではない。Droidも、ビジュアルボイスメールを無料で標準装備にすべきだ。

    勝者: iPhone。

  • 電話のインタフェイス: 電話のインタフェイスは、どちらも、とても、たいへん、よく似ている。どちらにも、Keypad/Phone、Call Logs/Recent、Contacts、Favoritesがあり、iPhoneには上で述べたVisual Voicemailがある(これは上ですでにやったのでこの項目の要素には含めない)。あまりにも似ているので引き分けにしたいが、しかし…

    勝者: Droid。デフォルトのコンタクトシステム(contacts system, 連絡先システム…アドレス帳など)は、Android 2.0が傑出している。Facebookから何でも持ってこれるし、プロフィールの写真をコンタクトへコンスタントにシンクしてくれるし、Google Chatのステータスも表示する。

  • キャリア信号: ぼくが今住んでるところはカリフォルニアでもやや特殊で、AT&TとVerizonの両方の3G供用区域なのに人口が少ないのでどちらのネットワークもなかなか過負荷にならない。ベイエリアやニューヨークの連中のようにiPhoneを使っていてコールレートが落ちるという経験が、ぼくにはない。起呼が落ちるという経験もめったにない。しかしiPhoneの信号は、数フィート移動しただけでも急に落ちることがある。そんなときは、たとえば玄関を出てすぐでは完全な3Gで電話をかけられるが、そこから階段を2段下りるとEDGEも含めて何もかもなくなり、電話は急に不通になる。

    Verizonのネットワークは1週間しかテストしてないが、これに対してAT&Tは2年使っている。だから両者を公平に比較することはできないが、でもDroidではまだデッドゾーンに遭遇したことがない。iPhoneが落ちる場所でも大丈夫だ。Droidには何も問題がないが、両者は無線の技術も異なる完全に別のネットワークだから、これぐらいの違いがあっても不思議ではない。でもここはカリフォルニア州中部のへき地だから、Droid/Verizonのカバレッジの良さには感動する。

    勝者: 未定。Droidにはまだ何も障害がないが、それと2年間のAT&T経験をそのまま比較するのは無理。

  • 電話使用時のマルチタスク: バックグラウンドプロセスはAndroidの強みと言われている機能の一つだが、Verizon Droid(およびそのほかのCDMA電話)の場合は欠点が一つある: 電話とデータ接続を同時にはできないことだ。恋人と電話をしながら今夜会うレストランの場所を確認したい?…これはWiFiなら問題ないが、3Gではエラーになるだけだ。このぼくにかぎっては、それで困ることはないが、VZW(Verizon Wireless)の顧客はこの件で通常回線に関していつも文句を言っているようだ。

    勝者: iPhone。

起動時間:

これについても、質問が多かった。そこで比較してみると:

  • iPhone 3GS: 30.2秒。
  • Motorola Droid: 38.6秒。

これは両機とも、完全な電源off状態からビデオの録画がスタートするまでの時間だ。両機とも、メールはonだし、そのほかの頻繁に使うアプリケーションが数ダースある状態だ。

勝者: 8秒差でiPhone。

通知機能(ノーティフィケーション, notifications):

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バックグラウンドの通知機能はiPhoneのユーザとデベロッパの両方にとってありがたいが、それでもやはり、間に合わせのようなソリューションだ。そもそもiPhoneのOSは、そういうことの必要性を念頭に置いて作られていないから、適正なソリューションにはならない。最大量が一度にやってくるのだが、それはまるで、America’s Funniest Home Videosのギャグで野球のボールが股間に当たるシーンのようだ。

Androidの通知機能は、平凡かつ単純に良くできている。ユーザの顔面にパイ投げのパイのように投げつけられるのではなく、スライド式の引き出しに入るので、それを好きなときに取り出して、見て、クリアすればよい。また誕生日のアラート(ContactsやFacebookから取り出す)やカレンダー上のアイテムなど用にリマインダー(reminder, 忘れないためのメモ)として使うこともできる。

AndroidはiPhoneと違って、設定に深入りしなくてもホーム画面の”Power Control”のアイコンで通知をoffにできる。複数の…5つ以上ぐらい…アプリからつねに騒々しく通知が入ってくるようなときには、それを4〜5クリックでなくワンクリックでoffにできるのは、小さなことだがありがたい。

とは言え、Androidの通知機能は、ふつうのユーザにとっては重荷かもしれない。ふつうのユーザを馬鹿にするわけではないが、これはデフォルトでoffにしたほうが、使い勝手を単純化できていいのではないか。ママにこの電話機を渡して、”通知の引き出しをスライドして開けて新着メールをチェックするんだよ”と言ったら、たぶん彼女は“あらそう、つまりGoogleを開くということ?”なんてとんちんかんなことを言うだろう。これは、ガキのギークにとってさえ、なんでもないことだが、スマートフォンというものを今日から初めて使う人は難しく感じるだろう。

勝者: Android/Droid。通知システムは、やや複雑だが機能は優秀。

汚れに強いか:

これは一般的なリビュー記事ではめったにお目にかからない項目だが、実際にケータイを使うときには重要だ。どの機種も、箱から出したてのときはたいへん美しいが、ゴミや砂や土埃だらけのポケットに何時間も入れておくと、まるで戦地から帰ってきたような姿になる。

ぼくは、それほどだらしない人ではない。お風呂では耳の後ろもちゃんと洗うし、家ではパジャマ姿で過ごすこともあるが、出かけるときにはまともな服装をする。が、しかし、そんなぼくでも、iPhoneをきれいにしておくことはできない。とくに、裏面だ。一日中酷使したあとで見ると、それは今日の午後いっぱい誰かの口の中にいたのではないかと思われる姿をしている。とにかく、適格に表現する言葉がないぐらい異様にヌルヌルしているし、指紋だらけだ。これはきっと、誰かがぼくのiPhoneを盗もうとして、その上にウンコをしたに違いない。Droidの裏面は平凡なマット(つや消し)処理だが、そのおかげでiPhoneのようにきたならしくはならないから、人に渡すときに自分のズボンの太ももあたりでごしごし拭いてやる必要がない。

しかし、表(おもて)に関してはやや話が違う。Droidの画面もiPhone 3GSご自慢の撥油性(oleophobic)スクリーンに負けないぐらい上質だが(というか、Droidのスクリーンも撥油性ではないかと思う)、画面の端に隙間があって、細かい粒子なら何でもそこに入ってしまうのだ。

勝者: 引き分け。Droidは裏面がきたなくならないが、iPhoneは顔が汚れにくい。

メディアの再生:

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AppleはiPhoneの発売までにiPodを6年も作っているから、iPhoneのiPod機能がほとんど完璧なのも当然だ。UIはシンプルそのもの、しかもぶっきらぼうではなく、親しみやすく美しい。それは、Androidのメディアプレーヤーにない性格だ。

Droidの音楽再生のインタフェイスは、多すぎる要素が黒い海にぷかぷか浮かんでいる。使いづらいということはないが、洗練にはほど遠い。

Droidのビデオ再生のインタフェイスは…存在しない。Android 2.0でも、ビデオのサポートはデフォルトの標準装備ではない。ユーザはまず、Marketからビデオアプリケーションをダウンロードするのだが、そのかんじんのアプリが…無料のも有料のも…まだない。なんというすばらしいMarketだろう。これまで見たものの中では、無料のVideo Playerアプリケーションをおすすめしたい。インタフェイスはきわめて簡素だが、3GPPとH264のビデオを再生できる。〔あるいは、MediaPlayerAntropia Media Playerなど。〕

勝者: iPhone。

アプリケーション用ストレージ:

GoogleはAndroidの設計で、でっかいドジを犯している。それはAndroid 2.0でも直っていない。つまり、Droidの内部メモリは512Mbしかない。最大32GbのmicroSDカードが使えるし、16Gbのカード付きだが、しかしそれはアプリケーション用のストレージとしては使えない。512Mbの内部メモリも、実はアプリケーション用に使えるのは256Mbまでだ。

Androidのアプリケーションは500Kbから3Mb程度のものが多いから、メモリに何十個でも乗せられそうだが、それで万事OKとはいかない。iPhoneのアプリケーションはSSDのスペースを自由に使えるから、高度な3Dテクスチャとか高忠実度の音楽ファイルなどを扱える。そのためiPhoneのアプリケーションは40〜50Mbというものが多い(Myst、Secret of Monkey Islandなど)。数百メガバイトというものもある。

Googleは、メモリ/ストレージに関するこの貧弱ぶりを早急に直す必要がある。そうしないと、Androidのアプリケーションは永遠に未熟児で終わる。モバイルのアプリケーションのサイズが数百メガバイトなんて、そんなことは誰も想像しなかったという言い訳も理解できるが、永久にMonkey Islandをプレイできなくてもいい、とは絶対に思えない。

(注記: Androidデバイスをrootで使えばアプリケーションをmicroSDに保存できることは知っている。しかし前回、iPhoneの牢破り(jailbreaking)をプラスに評価しなかったのと同じ意味合いで、Androidのrootオンリーの機能も無視せざるを得ない。)

勝者: iPhone。

結論:

そして、結論は前回と変わらない。その重要な部分を、以下に再掲しよう:

Android 2.0で僕たちは難しい岐路に立たされた。たったの一機種を誰にでも薦めてればいい、という超簡単で楽な時代は終わった。これからは、人を見て、薦める機種を決めなければならない。親愛なるTechCrunchの読者なら、iPhoneよりもDroidを薦めたい。しかし、読者のお父さんやお母さんや小さな妹なら、Droidはノーだ。とにかく、簡単に使えて、やりたいことができればいい、Appleの偏屈な社風なんかどうでもいい、オープンでもクローズでもどっちでもいい、…という人なら迷わずiPhoneだ。柔軟性のベースにある複雑性を我慢できる人、システムや機械類をいじくるのがニガテでない人なら、文句なしにDroidだ。でも、正直に言うと、誰がどっちを選んでも、その人は必ず幸福感に満たされると思うけどね。

[原文へ]

(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))