TwitterとFacebookで、誰もがアフィリエイトマーケターになる

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【編集部より:このゲスト記事の著者、Steve Polandは、元TechCrunchライターで、現在は近日公開予定のスタートアップ、InSecondsの立ち上げに関わっている。InSecondsは、サイトでのエクスペリエンスを訪問者毎にカスタマイズすることによって、訪問時の収益を最大化するサービスだ。】

アフィリエートマーケティングが今月で満15歳になる。CyberEroticaが1994に始めたとされている。アダルト業界は常に流行の先端を走っている、という話はさておき、15年間という「オンライン年齢」では永遠ともいえる期間にわたって存在していながら、この実績ベースマーケティングの手法は未だに幼年期にある。たしかに、多くのオンライン小売店(あるいは他の売上やリードや訪門者を求めるサイト)には、さまざまなアフィリエイトプログラムが存在し、昨年アフィリエイトプログラムで支払われた金額は総額$2.1B(21億ドル)に達しているが、ウェブサイトやブログのオーナーにとって、紹介報酬を受け取るためにアフィリエートマーケティングを実装することは、未だに簡単とは言えない。

ご存じない方のために書いておくと、アフィリエイトマーケティングのしくみはこうだ。製品やサービスを売る会社が、売上やリードや訪問者を増やしてくれるパブリッシャー(マーケティング企業)に対して、紹介手数料を支払う。ここでパブリッシャーはリスクを取っている。自分の持ち出しで製品やサービスを宣伝するか、自分のサイトのウェブコンテンツの中に、(他の会社のリンクを貼ることもできるところに)その企業の製品/サービスのリンクを貼る。パブリッシャーはアフィリエイトプログラムに登録し、自身のコンテンツに埋め込んで企業への紹介を追跡するための「追跡用リンク」を入手する。多くのEテイラー(E-retailer=オンライン小売業者)が、アフィリエイトマーケティングのプログラムを用意している。例えはAmazon.comのアソシエイトプログラムは、アフィリエイトサイトの訪問者がリンクをクリックした結果Amazon.comで購入があれば、4~15%の紹介手数料を支払う。

TwitterとFacebookで、誰でもアフィリエイトマーケターになれる

ごく最近では、紹介販売をするのがウェブサイトやブログだけではなく、各個人そのものになり、TwitterやFacebookといったリアルタイムサービスを使って、商品や音楽や映画を紹介することで、友人やフォロワーの行動に影響を与えている。そういうリアルタイムでの会話が、ウェブサイトの紹介販売やリードの重要な場になってきている。誰かがTwitterで、どのデジカメが良いか質問したとき、Amazon.comとしてはその質問に答えるネット上の誰かが、(Walmart.comやBestBuy.comではなく)Amazon.comで売っているカメラにリンクしてほしいに決まっている。Amazon.comは、そうしたインフルエンサー(影響力の強い人)が、Amazonで買う人たちを紹介したことに対して、確実に報酬を受けるようにすることで、将来にわたってAmazon.comの製品へのリンクを貼り続けるための好循環を生み出そうとしている。

今ではインターネットを使える人全員がパブリッシャーだ。彼らには影響力がある。これは以前からそうではあったが、今マイクロブロギングで起きているものとは違っていた。個人は、メールの転送や返信、IM、そして最近ならブログ記事などを使う小規模のパブリッシャーだった。ブログに書くことによって、個人の視点(影響力)がグローバルな規模にまで広がった。影響を与える相手は、メールによる限られた数人の友だちなく、オンライン上の大衆である。しかし、ブログはリアルタイムの議論ではない。インスタントメッセージやチャットルームでは、常にリアルタイムの議論だが、1対1または少人数のグループで行われるのが普通だ。TwitterやFacebookの近況アップデート、即ちマイクロブロギングは、インスタントメッセージのリアルタイム性とブログのグローバル規模と影響力を兼ね備えている。

Amazon.com、アフィリエイト・マーケティングでまた先陣を切る

ウェブサイトやブログのパブリッシャー向けアフィリエイトマーケティングの先駆者であるAmazon.com(オンライン・アフィリエイトマーケティング・プログラムのあらゆる部分に特許を持っている)が、個人パブリッシャー、つまり単にTwitterでツイートしたり、Facebookで友人の近況にコメントを付けるだけの人たち向けのアフィリエイトマーケティングでも先駆者となるのは理にかなった話だ。先週Amazon.comは、 TwitterのメッセージやFacebookの近況アップデートやコメントにAmazon.comのリンクを入れた人に報酬を出すプログラムを開始すると発表した。これは、雑音(とスパム)を増やすことになる可能性が高いが、多くの企業がAmazon.comの後に続くことになりそうだ。私は、条件さえ揃えば、これが業界の様相を一変させるかもしれないと考えている。これについてもう少し考えてみよう。

ここ数年来私がショックを受けているのは、ウェブページにあるリンクの中に、追跡可能でないリンクが多いことだ。コンテンツ中の殆どのリンクが、他のウェブページへの通常のリンクであり、リンク先が紹介元として認識するための追跡コードが入っていない。これはつまり、アフィリエイトプログラムが実施されているサイトにジャンプして、そこで購入されても、紹介手数料を払う相手がわからない、という意味だ(紹介元のパブリッシャーに将来もリンクしてもらうためにと、相手が本当に紹介料を支払いたいと思っていたとしてもである)。理想的な世界では、インターネット上のあらゆるウェブページにあるあらゆるAmazon.comへのリンクが追跡可能なリンクになっていて、訪問者がクリックしてAmazon.comで買い物をするたびに、そのウェブサイトが報酬を得られる。アフィリエイトムログラムのあるリンクは、すべて同じだ。

パブリッシャーにとって、アフィリエイトマーケティングは未だに早くてカンタンではない

乱暴かもしれないが、私はウェブ上の全リンクのうち99.99%が追跡可能〈ではない〉リンクだと推定している。なぜそうなのか? 要は面倒だからだろう。パブリッシャーがコンテンツを書いて、リンク先で購入があった時に間違いなく紹介料が手に入るようにするためには、アフィリエイトプログラム(Amazonアソシエイト等)にログインして追跡用リンクを生成する必要がある。もちろん、事前にこの手のアフィリエイトプログラムにそれぞれ登録しておかなければならない。プログラムによってはサードパーティー会社が取り扱っていて、中止されてしまうものもある(リンク切れになる)。そして問題はお金。あまり人の来ないサイトだと、アフィリエイトプログラムでもらえるのは月にほんの数ドルだから、そもそもコンテンツに追跡用リンクを貼ろうという気が失せてしまう。

アフィリエイトマーケティングを利用するためにウェブサイトやブログが、この数年間耐えなければならなかった使いにくさは、現在の個人の場合でも同じだ。Amazon.comは、ユーザーがソーシャルメディアで使った追跡リンクを承認すると言っているが、まだ十分簡単になったとはいえない。Amazon.comに行ってアソシエイト用アカウントでログインすれば、あらゆる商品ページの上端に「Twitterで共有」というボタンが現れて、追跡用リンクの入ったツイートが生成されるが、それでも余分なステップに変わりはない。人間は怠け者なのである。また、Twitterユーザーの半数は、Twitterアプリケーションを使ってツイートしている。アフィリエートプログラムがソーシャルネットワークのプラットホーム(Twitter、Facebook、MySpace、フォーラム等)や、そこで使われているアプリケーション(Tweetdeck、Seesmic、Tweetie、bit.ly等)に統合されるまで、この個人によるアフィリエイトマーケティングがブレイクすることはないだろう。

これを簡単にすることは、プラットホーム側(Twitter)の利益にかなっている。最終的に自社ユーザーが収入を得られるからだ。これはユーザーの利益にかなっている。報酬を得ることでプラットホーム(Twitter)を利用を意欲が増す。これはアフィリエイトプログラム(Amazon.com)の利益にもなる。ユーザーが自分のサイトでリンクを共有することを積極的に促進するからだ(ただし、Twitterにとってはスパム問題を悪化させる可能性があるので、あまり薦めたくないかもしれない)。

FacebookとAmazonの統合で、「Facebook Credits」がバーチャル通貨のデファクトになる

しかしよく考えてみると、Facebookこそが、こうしたアフィリエイトプログラムパートナー各社を、逸早く自社プラットホームに招き入れるべきだ。統合によって一番恩恵を受けるのはFacebookだ。Facebookが取り組んでいるFacebook Creditsというバーチャル通貨システムのことをご存じだろうか。これは、ユーザーが現金でFacebook Creditsを購入することができ、それをサードパーティーのFacebookアプリケーションで、ゲームキャラクターのレベルを上げたり、友人のためにバーチャルなバラの花を買ったりするのに使えるというものだ。このシステムを使わせるために、Facebookは全ユーザーに対して無料でこのクレジットをいくらか配って簡単に使えることを示し、次はユーザーがクレジットカードから充当させようと狙っている。

Facebook Creditsが毎月コンスタントに貯まると、アプリ内の行動や購入を促進するだろうか。それはあり得る。ユーザーがリンクを共有して毎月ほんの$0.44か$1.32稼ぐだけでも、この紹介料が自動的にFacebook Creditsに変換されれば、Facebookは自社のアプリ内通貨をブレイクさせられるかもしれない(さらに、もしApple並みの運用をするなら、使われるアプリ内通貨の30%が手に入る)。これは、今月稼いだFacebook Credits 1000点が、Amazon.comのリンクを共有したためであることをユーザーが知っていれば、Amazon.comその他のアフィリエートプロブラムに適用できる。Facebookにとっては、こうしたアフィリエイトリンクがユーザーの収入源となり、ユーザーがFacebookで費やす時間が増え、そしてもちろんユーザーがFacebook Creditsを使うことによる収入もあるのだから、言うことなしだろう。そして、Facebookアプリケーションの開発者にとっても、安定した収入源が見込めるのだから嬉しいはずだ。ちなみに、アプリ開発者とFacebookにとって、詐欺的お知らせの一掃にもつながる。アフィリエイトリンクは、クリックを通じて実際に誰かが何かを買った時に限り支払いを受けられる。良い紹介者は報われるが、悪い紹介者は何も得られない。

加えて、FacebookやTwitterにとってのパブリシティー効果を想像してみてほしい。こんな見出しが目に浮かぶ、「Facebookは現在3億人の人たちを雇用しています」とか「Facebookは3億人の人たちがリンクを共有するだけで収入を上げるしくみを作りました」とか。

これは今の話だ、変化に備えよ

アフィリエイトプログラムが、こうしてリアルタイムプラットホーム(あるいはクライアントアプリ)に簡単に統合できることによる影響として、紹介料が安くなることが挙げられる。現在Amazon.comは、紹介販売に対して4%~15%を支払っているが、それは紹介が販売に致る割合が少ない(面倒だから、あるいはAmazon.comにリンクしているサイトの怠慢のため)ことをAmazonが知っているからだ。しかし、追跡可能なリンクが大量に使われるようになり、例えば売上が今のままで、現在5%の紹介販売の割合が、もし25%になったら、Amazon.comは8%の紹介手数料を払い続けることはできなくなるから(売上も5倍にならない限り)、紹介手数料を1.6%に下げるだろう(8%÷5)。

そしてこの動きによって、われわれがTwitterやFacebook等を使ったり検索したりした時に見るスパムの量を増加させることになる。自分がフォローしている人にスパムが多くなれば、その人の影響を受けることは少なくなるだろう(くだらない転送メールばかり送ってくる連中のように)。誰にでも個人のブランドイメージというものがあるが、もし自分のオーディエンスを山ほどのリンクでスパム攻撃すれば、ロクに耳を傾けてもらえなくなるのは当然だ。

しかし、私が言っているのは未来の話ではない。Amazon.comが切り開いている今、ここで起きている話だ。個人パブリッシャー向けアフィリエートマーケティングを重視しない企業は負ける。新しいiPodについてツイートする時、リンクするならその飛び先は稼げるウェブページなのだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)