Microsoft、マードックと話し合い―本気でBingのためにニュースを札束で買おうとしているのか?

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News Corp.グループのオーナー、Rupert MurdochはGoogleの頭に銃を突きつけているが、どうやらMicrosoftが引き金を引くのを手伝いに立ちあがったようだ。数週前、MurdochとNews Corp.の幹部はGoogleが無料でニュース記事を検索エンジンに取りこんでいることを声高に非難し、他のメディアにも一種のGoogleボイコットを呼び掛けた。

MurdochはWall Street Journalのオンライン版、WSJ.comを始めとするNews Corp.のサイトの記事をGoogleが収集するのを禁ずると脅している。Murdochは同時にこの自発的情報管制に他のメディアも加わるよう呼び掛けている。MicrosoftのBingチームはこれを絶好のチャンスと見ているらしい。それだけでなく、すでに行動にも移している。Financaial Timesが報じたところによると、MicrosoftはNews Corp. その他の大手ニュースサイト運営者と会談し、Googleを締め出すために金を払ってもよいと提案しているという。この記事の前には、ヨーロッパのカンファレンスでBingがニュースメディアに対して「検索結果に特別の配慮を加える」というニンジンをぶらさげて見せたばかりだ。この際、Microsoftはニュースメディアに対して検索テクノロジーに関するR&D費用の提供も申し出ている。

Microsoftはこれまでも検索市場シェアを金で買うことをためらわなかった。Yahooとの検索提携がそうだし、キャッシュバック・キャンペーンをやったこともある。しかし今回はニュースそのもの、あるいは少なくともニュースへの独占的アクセスの権利を金で買おうというのだ。

もちろんBingはあらゆるにゅーすサイトに金を払うわけにはいかない。買おうとしているのは有名ブランドのニュースだけだ。もしWall Street JournalNew York TimesWashington PostLA Timesといった有名なメディアのにゅーすがBingでしか検索できないとなれば、乗り換える人々は大勢いるだろう。しかしGoogleから流入するトラフィックとそれがもたらす広告収入を諦める見かえりに、ニュースメディアがBingにどれほどの金を要求するか明らかでない。Bingが提供できるトラフィックと広告収入はGoogleの何分の1にしかならないはずだ。〔最低でもその差額を要求されるだろう〕。

Google自身でさえニュースソースに独占のための料金を支払うような契約には二の足を踏むだろう。MurdochはGoogleについて、「もし奴らがありとあらゆる新聞、雑誌から引っ張ってくるすべての記事に金を払わねばならないとしたら、手元に利益などまったく残らないはずだ」と言っている。

Googleから目に見えて市場シェアを奪おうとしたら、Bingは、無数のニュースサイトに膨大な金を払わねばなるまい。それで一体、投資の元が取れるのか? 少なくともも評判にはなるだろう。しかしBingにそれ以上の実益がもたらされるとは考えにくい。

検索エンジンがニュースを金で買って市場シェアを奪おうとする場合、大きな問題がいくつかある。インターネットでは情報の伝搬はおそろしく速い。独占は30秒も続かないだろう。Bingが独占契約を結んだ記事も、すぐに他のサイトに引用され、そこでGoogleに索引化されてしまうはずだ。WSJ.comが公開する前に同じニュースが他のサイトに上がってしまう可能性もある。

そもそも情報源を独占して索引化するというのはウェブの本質的なオープン性に反する。オープン性に逆らう手法を採った企業がウェブで長続きした試しはない。

Image via PhotoXpress.

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01