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ソーシャルグラフから関心グラフへ–Gravityは利用価値の高い人間データの集積を目指す

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Facebookのビジネス利用のやり方が分からない企業に実績あるコンサルを紹介する新サービス

2009年の3月に、MySpaceの役員3人…COO Amit Kapur、SVP Steve Pearman、SVP Jim Benedetto*…が退社して新しいスタートアップを始めた。〔*: SVP, senior vice president, 上級副社長と訳される。〕

5月には、当時Blue Rover Labsと呼ばれた新会社が$10M(1000万ドル)の資金を調達した。そのとき、会社の内容についてやや詳しい話が聞けた: “同社はインターネット上のメッセージボードやフォーラムをコンテンツ集積サービスでサポートし、広告の配信も行う。また、リアルタイム検索(投資を集めやすい!)もそのビジネスプランの一環である。”

本日(米国時間12/16)同社は、社名をGravityに変えて、非公開ベータを開始した。いちばん大まかに言うとGravityは、フォーラム(vBulletin、phpDBなど)やグループ(Yahoo Groups、Google Groupsなど)が進化したようなサービスで、たしかにこの2つのサービスはこの10年あまり、ほとんど進化していない。

でも上の説明は、氷山の一角にすぎない。Gravityはgravity.comにおけるWebサービスであると同時に、ウィジェットやAPIとしても配布される。付随して強力なアクセス分析サービスもあり、それは会話をホストする各種のサービス(Twitter、FriendFeed、Google Waveなどなどなんでも)を分析対象とする。このInsightsと呼ばれるサービスは、単独で企業化できそうなサービスだ。

さらにGravityには、会話データのまったく新しい捉え方や利用の仕方がある。会話をしている人びとや、会話中のものごとの関係を、Gravityは関心グラフ(Interest Graph)というものを使って追跡し表現し予測する。ソーシャルグラフが人びとのあいだの関係を表現するのに対し、関心グラフは関心や興味を共有する人びとや、その関心興味の対象物のあいだの関係を表す。

もうすこし、詳しく説明しよう。なお、下のビデオは昨日サンタモニカのオフィスで撮ったGravityのチームだ。

Gravity: そのサービス

Gravityで人びとは、いろんな話題について会話をする。そのサービスはGravityのWebサイトや、ウィジェットやAPIから利用できる(たとえばCrunchBaseの一つ一つの記録にGravityの会話を付けよう、という話を今彼らと進めている)。

Gravityはグループやフォーラムをよく知ってる人が見ると、そういうものの一種に見える。しかしそのねらいは、データの構造とユーザインタフェイスに、最新の考え方を取り入れることにある。また彼らGravityのチームは、今では古いものとなったフォーラムよりももっと大きなものを考えている。TwitterもFriendFeedもGoogle Waveも機能の追加によって大きなソフトウェアシステムになるが、Gravityが考えているのもそういうことだ。目標は、ユーザが関心のある話題を素早く見つけられ、会話がより一層盛り上がっていくことだ。

とても単純で効果的な機能もある–たとえば参加に対してバッジを与えることなどだ。またユーザの参加性を高めるための実証ずみの手法、たとえば発言が気に入ったことをコメントとして表す”like”ボタンなどもある。こういうものはFacebookにもTwitterにも前からあるが、フォーラムという古いサービスを活性化するためにも有効だ。

要するにGravityでは、会話の楽しさや、おかず的な要素、そしてまじめな思考という3つの要素が、複数の機能の組み合わせとして均衡している。たとえば下の表は、GravityとGoogle WaveとTwitterの三者を比較している。これは優劣を競う表ではなくて、Gravityの特質を説明することが目的だ。

Insights Analytics

Google Analyticsみたいなものだが、対象が会話中心型のサービスだ。ビジター数、ページビュー、サインアップ(登録数)などを調べるだけでなく、Insightsは一定期間中に作られた会話のスレッドや発言投稿数も数える。また、もっともアクティブなスレッド、もっとも多く読まれているスレッドなども調べる。Gravityのサービスでも使えるし、そのほかのフォーラムソフトやフォーラムサイトでも使える。いや実際にGravityは今、いろんなフォーラムでInsightsをテストしている。

サードパーティのフォーラムが使用する場合は無料だ。目標はあくまでも、彼らのデータにアクセスしてより充実した関心グラフを作ることだから。

下の画像は、Insightsのスクリーンショットだ。最初のは画像のストリームがそのほかのライブストリームスレッドと一緒に加えられている。これなどは、Gravityがユーザから見たサイトの魅力をしっかり意識した製品でありサービスであることをうかがわせる。


関心グラフ

これは製品でも機能でもなく、Gravityというサービスの理念だ。同社は関心グラフを支えるソフトについてまだ多くを語らないが、理念は熱心に説明してくれる。関心グラフのヒントとなったものは、Facebookなどに見られるソーシャルグラフ、つまり人と人の結びつきを示すグラフ構造だ。

Gravityが構築する関心グラフは、人びとと、彼らが熱中している話題(トピック)の関係を表す。Aさんは野球とNYTimes紙が好きだ。Bさんはアクション映画とリスが好きだ。…こういうデータを大量に集めると、誰が何を好きかということを正確に予見できるようになる。

彼らは相当長い時間をかけて、そういうデータを集める気だ。関心といってもそれは、フォーラムでどんなトピックを開始したか加えたかだけではない。各人の発言投稿の言葉も分析してその人の関心事項をとらえる。

関心の減衰率という概念もある。今車に夢中な人も、翌月Hondaの新車を買ったら関心のレベルは下がるかもしれない。そこで減衰率というもので、各トピックに対する関心の程度を表し、またそれとその人の行動との関係も見ていく。人のプロフィールとしては、たいへんおもしろいものができあがる。しかも、その未来予測までできる。

そういうデータは、人に…その人が好みそうな…新しいコンテンツをすすめるために使うだけでなく、この人は何のどんな広告だったら無視せずに見るか、という恰好の指標にもなる。そしてこの点に、Gravityの真価がある。チームの連中と長時間話して分かってきたが、ユーザが利用する会話エンジンそのものは、同社がやろうとしていることの小さな先端部分にすぎない。水面下の巨大な部分は、人が何をいつ欲しがるかを正確に当てるためのデータの収集・分析・そしてその利用技術だ。その応用の一つとして、広告がある。非常に、心引かれるプロジェクトだ。

Gravityの試用

Gravityの非公開ベータには同社のホームページで登録し参加できる。このサービスを実際に使うユーザとして登録するので、正しい入力をすること。コードとしてTechCrunchと入力すると、早く利用を開始できるだろう。招待状が来るのは2週間後だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))