iPadとChrome OS搭載ネットブックは正面衝突する

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[CG]iPadの命運を握るのはデベロッパ

ジャンクでない500ドルのコンピュータなんてどうやって作るんだい。”

ネットブックには優れたところが何一つない。”

この言葉はいずれも、AppleのCEO Steve Jobsのものだ。最初のは2008年後期の決算報告の席で、人気のネットブックに対抗して低価格品を出さないのかと聞かれたときの答えだ。次のは、水曜日(1月27日)にiPadをお披露目したときの発言だ。

Appleはこれまで一貫して、ネットブックを作る計画はないと明言してきた。そしてその言葉どおり、まったく作っていない。でもそれは、完全装備のノートパソコンとケータイとの中間のような製品への需要を、Appleが感知していなかったということではない。むしろ、AppleによるiPadの位置づけはまさにそれだ。今出回っているどんなネットブックよりも優れた500ドルの製品を作れた、とAppleは自負しているはずだ。

一方Googleも、ノート機とケータイとの間の市場をねらうと決断している。しかもAppleがアンチネットブックであるのに対して、Googleはネットブック大歓迎だ。Googleは、ネットブックを使いやすく高性能にする製品を出すつもりだ。Google OSもまさにその構想の一環であり、そのことは昨年末の、このOSの発表会の席でも明言された

というわけでGoogleとAppleは、再び正面衝突が避けられない道を進んでいる。

現段階でまだはっきりしないのは、iPadを買う人たちが、元々はネットブックを買おうとしていた人たちか、ということだ。つまり両者に、明瞭な競合関係はあるのか。最初は、それはないのではと思ったが、しかしむしろ、いずれは競合すると考えるべきだろう。上に引用したJobsの水曜日のコメントも、明らかにネットブックとの競合を意識している。彼らとしては、安くて低性能なPCなんか買うな、アンチネットブックのiPadを買え、と言いたいのだ。

次のクリスマス商戦に向けてChrome OS搭載のネットブックを出すつもりでいるGoogleは、Appleのその言い分を黙って聞いていたくはない。Googleは、Chrome OS搭載のネットブックは現在のネットブックよりも良い、なぜなら、大きめのキーボードの導入をはじめ、従来のネットブックとは違う基本仕様をGoogleがメーカー企業に対して詳細に指示しているからだ、と言っている。でもChrome OSを乗せたネットブックは、かっこよさではiPadのマルチタッチスクリーンにかなわないだろう。しかし一方では、ユーザがすでに慣れ親しんでいるPCやノート機と同じ使用感を与えるから、多くの人が手を出しやすいだろう。

そしてさらに興味深いのは、どちらが勝つにせよ、勝つためには、消費者がこれまで使い慣れているMicrosoft Officeのようなソフトからの移行が、快適で円滑でなければならない。そしてそのための方法が、GoogleとAppleでは大きく違う。Googleは、何もかもクラウド上のアプリケーションを使ってやる、という方向へユーザを導こうとする。Appleは、iPadの発表会でiWorkのデモが異様に長かったことが示すように、あくまでもiPhone OS上のアプリケーションをユーザが使うことを望む。

だから、今年の年末に展開される両者の戦いは、とてもおもしろいものになる。AppleもGoogleもどちらも消費者に人気のあるブランドだが、両者がまったく違うタイプの製品で同じ市場をねらうのだ。そしてかつては互いに親しかった両者が、今ではますます多くの分野で厳しいつばぜり合いを演ずるわけだ。

この、ノート機とスマートフォンの中間の市場というものが、十分に大きいことが証明されれば、両者が再び共通の地盤を見つけて、両者の共通の敵Microsoftとの戦いで共闘することすら考えられる。しかしそのときの当然の戦略は、GoogleがChrome OSネットブックでMicrosoftを下から攻撃し、Appleは同社の高級機で上から攻撃する形になるはずだった。つまり、Microsoftを挟み撃ちにするのだ。iPadが明らかにネットブックとの競合を意識した価格で出てきた今は、まったく違うことを考えなければならない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))