Appleはこうしてハードウェアのイノベーションを殺す

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二つだけ確かなことがあるとするならそれは、アジアの電子機器製造業が上げ潮のトレンドにもっぱら依存しようとする傾向と、そのことがもたらす「死」だ。つまり、われわれアメリカ人はアジアが作るものを買い、今アジアはiPadで潤っている。そして一方、このような連鎖反応が、ハードウェアのイノベーションを破壊している。

まず、アクセサリのメーカーに関するこのAP電を読んでみよう。本誌にはiPadのアクセサリに関する記事は、発表から今日まであまり載っていないが、でも実はアクセサリはすでに山ほどある。いろんなアクセサリメーカーやアプリケーション企業から毎日のように、宣伝のメールが飛び込んでくる。“Supertechは世界で初めてiPad専用のカウボーイ用ホルスターを作りました”といった調子だ。もちろん、そのアホらしいアクセサリの写真も添えられている。iPad用のアクセサリが、なぜそんなに氾濫しているのだろう? それは、作るのが簡単だからだ。深圳の工場に電話をするだけで、大型貨物機一台ぶんぐらいが数週間でできてしまう。そうやって中国中の工場がiPadに追われまくるから、Apple以外のデバイスのアクセサリは後回しになる。

しかし本当に儲けているのは部品メーカーだ。Appleがフラッシュメモリを買い占めたのがいつだったか、おぼえてるかな? 今回Appleは、タッチパネル(touchscreen, タッチスクリーン)の市場も支配した。数か月前に会ったある発明家は、静電容量タッチパネルが必要なのに、なかなか手に入らないとぼやいていた。電子部品の比較的小さな市場でも品薄だ、と言っていた。メーカーは、Appleからの注文を期待して価格をつり上げ、イノベーションを停滞させる。

AppleがiPadの価格を500ドルに決めると、それがアジアの手を縛る。AppleはFoxconnなどの下請け企業に大量の発注をする。LGなんかは大量のタッチパネルなどなどを作る。そうするとAsus、Acerなどそのほかのメーカーは、その価格に太刀打ちできなくて(==買えなくて)競争力を失う。

なぜほかの企業…とくにケータイのメーカー…がこんなにも長年、抵抗膜タッチパネルを捨てきれないのか、それはAppleが結果的に、静電容量タイプの値をつり上げるからだ。だから、ここ2年あまり、Samsung、Sony、Nokiaなどから同じようながらくたしか出てこないのだ。小型のタッチパネルが将来大普及するまで、そんな状態が続くだろう。

Appleは業界の弱みを握っている。本誌も含め、Appleのことを書き続けざるを得ないメディアも、いわば弱みを握られている。でも、Appleが新製品を発表して、まわりが(Lenovo, Dell等々が)黙っているときには、世の中は決してバラ色ではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))