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Jobs曰く「FlashはiPadを殺す」…もっと現実的になったほうがよいのでは?

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がらにもなく、Flashを弁護したくなってきたね。夕べ(米国時間2/17)この記事を書いたせいもあるが、シャーロック・ホームズのこんな言葉を思い出してしまうからなんだ: “すべての人を公平に扱わねばならぬ”。Steve JobsはWSJ(ウォールストリートジャーナル)のインタビューで、ビデオにFlashを使うと10時間の電池寿命が1時間になってしまう、うちはH.264を使いたい、と言っている。Flashへの敵意むき出しのこれらの言葉を、しばし検討してみよう。

まずはっきりさせておきたいのは: OS X上のFlashはそれほど良くないし、CPUの能力のかなりの部分を占拠するだろうし、したがって電池寿命を縮めるだろう。しかし、公称10時間をほんとに8時間以上も縮めてしまうのだろうか?

そして当然ながら知りたいのは、なぜOS X上のFlashはそんなにひどいのか? もちろん、720pのYouTubeビデオのデコードはGPUやCPUを酷使するはずだ。Windowsでは、Flashはビデオカードに直接アクセスして、CPUとの並行処理で、大量の情報をバーストで一度にデコードする。OS Xではそれができない。ぼくの理解では、Appleがそれを望んでいないからだ。


[青と赤のバーはぼくのプロセッサの使用率が約60%であることを示している。]
(ちなみにMPlayerOSXで720pのビデオファイルを再生したときのCPU使用率はわずかに30%強程度だ。)

ひらたく言えば、AppleはFlashが好きくない。ぼくも、Flashの熱心なファンではないが、でも今のWebには欠かせない技術の一つだし、それをほかのもので代替するのは、Jobsが言うほど簡単ではない。しかし、AppleはFlashが嫌いなのだ。かんじんなのはこの点だ。AppleはFlashとAdobeに対して恨み辛(つら)みを述べ、事態を悪化させてしまった。Adobeに電話をして、“おい、FlashはうちのOSでしょっちゅうクラッシュするぞ。臨時のチームでも作って、すぐに直してくれないか”と言えばよかったのに、それをしなかった。悪口を言って、その言い訳をして、のけ者にしてしまった。Flashはおなかを殴られ、その理由はAppleが彼らと仲良くやることを拒否したから、というだけだ。

JobsはH.264を使うと言う。でもH.264は単なるビデオコーデックだ。AdobeのFLVのようなラッパーではない。H.264のFLVもすでにたくさんある。(HTML5などを使って)Web上などのH.264ファイルに直接アクセスするというのなら、それでもけっこう。しかしそれは今すぐはできないし、現状ではFlashがWebビデオの事実上のスタンダードだ。Web上のビデオサイトはどこもFlashを使っているが、ごく一部はHTML5に対応しつつある。数年後なら、FLVをやめて生(なま)のH.264ファイルを扱えるかもしれない。でもそれは、今現在の話ではない。

それに、今しきりに持ち上げているH.264は、クローズドな私企業規格であり、Flashと同じく効率が悪いかもしれない。それは、所有も運用も開発も、非公開で行われていて、Appleにできるのはせいぜい、影響力の行使ぐらいだ。それはユーザの利益ではないし、そもそも、そんな隔靴掻痒のやり方がつねにAppleの最優先政策だったわけでもない*。〔*: Steve Jobsが既存の製品名を談話中でことさら挙げるときは、対抗製品を構想中である、という談話パターンがあるという説。その説に従うと、FlashもH.264もJobsの話のエサないしダシである。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))